曾禰益の発言 (外務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○曾祢益君 資料のことを追及しても始まりませんが、どうもこの資料の出し方が、いかにも衆議院における野党の議論に対抗せんがために、よけいな議論を展開しておられるような感じがいたします。
 次にお伺いしたいんですが、私は、今度の賠償問題に関連して、南の政権がかいらい政権である、あるいはそういう議論もあるようですが、南がかいらいであるのか、北がかいらいであるのか、両方ともかいらいであるのか、そういう議論はさておきまして、とにかくベトナム国と日本との間にサンフランシスコ平和条約が締結されて、少なくともその時点においては、ベトナム国がフランスから分離した国として、平和条約十四条の求償権を持った国あるいはそれを代表する政府の資格はあったと考える。しかし、だからといって、かりにそのときのベトナム政権がいわゆるベトナム全体を代表する正統性があったとしても、その後の事態が、いわゆる北ベトナムとフランスの交戦が激しくなり、しこうしてその結果、フランスの方が実際上敗れて、北の政権がジュネーブ協定によって十七度線、大体ベトナムを二つに分けた北の政権としてその地位を実際上確立したという、この事実はまた否定できないのではないかと思うんです。従って、その後ベトナム国がさらに実際上の一種の、クーデーターでないにしても、やや革命的な政変がありまして、今のベトナム共和国になり、バオダイからゴ・ディン・ジェム政権ができて、その後確かにある意味ではサンフランシスコ平和条約の調印国のベトナム国の権利をゴ・ディン・ジェム政権が継承していることは、これは否定できない。否定できないけれども、現実にそのゴ・ディン・ジェム政権の実態はどうかといえば、これは事実においてジュネーブ協定は、言うまでもなく、これは軍事的な、一時的な境界線であって、国家を分離したものじゃございません。いわば一つのベトナムというレーション・ステート、民族国家の事実上正統性を争う二つの政府があるということは否定できない。しかも、ベトナム共和国が、そういう意味で、事実上南のみの現実に支配権を持っているにすぎないステータスに、そういう地位になり下がったという、言葉はどうか知りませんが、変わってきた。この事実も、われわれとしてこれは否定できないのではないかと思うんです。その事態を無視して、ただ単にサンフランシスコ平和条約の調印のときに、大体においてフランスの方から認められた、受益権を認められた一つの統一国家の代表政府であるという、ただその理由だけでこの賠償の支払いをその国にやるというところに、今度の賠償問題の無理があるんではないかと思うんです。外務大臣の御説明によりますと、ジュネーブ休戦協定の精神は、常にこれを尊重しつつと、こう言っておられるんですが、一体このジュネーブ停戦協定あるいはジュネーブに関する国際会議の一切の文書に対して、日本政府はどういう立場をとっておられるのか、この際お伺いしたいのであります。

発言情報

speech_id: 103313968X02319591221_051

発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1959-12-21

院: 参議院

会議名: 外務委員会