西川甚五郎の発言 (風水害対策特別委員会)

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○西川甚五郎君 文部、通商産業、大蔵小委員会におきましての質疑並びに政府答弁の主要なる点について申し述べます。
 それに先立ちまして、大蔵大臣に申し上げておきまするが、本小委員会の報告には本予算並びに次年度よりの予算に重大なる影響がございまするから、私の報告を十分にお聞きとりを願いたいと思います。
 まず、文部関係から申し述べます。「激甚地指定の地域内の文教施設であっても、全壊と半壊のみが特例法の対象となり、その他は一般法が適用されると聞くが事実であるか。長期冠水の低地地帯には避難所としても改良復旧校舎が必要である。」との質問に対し、「全壊、半壊のほか、大破をも特別措置の対象としている。大破は今回初めて認められたものである。改良復旧の量は従来よりも大幅に増加する見込みであり、負担率、補助率の引き上げと相待って所期の復旧を遂行できると思う。長期冠水地帯に対しては特に考慮する。」旨の答弁がありました。
 「長期冠水地帯の文教施設復旧のための高燥地の購入、または土盛りに要する経費に対して補助金の考慮があるか。」との質問に対し、「個々の事態について研究する。」旨の答弁がありました。
 「災害予算、特に文教予算は、被害状況に照らして、不十分ではないか。」との疑念に対し、「従来の実績にかんがみ大丈夫であると思うが、どうしても不足する場合には」ここであります。「予備金の支出によって万全を期することを大蔵大臣と確約している。」との答弁がありました。
 次に、「私立学校に対する補助金は災害額から見て僅少に過ぎはしないか。」との質問に対し、「二分の一の国庫補助に加うるに、私学振興会による長期低利貸付の方法をとり、施設並びに設備の復旧を期している。」旨の答弁がありました。
 また、「重要文化財の災害復旧についての根拠法及び復旧計画いかん。」との質問に対しましては、「文化財保護法第三十五条の規定により本年度及び来年度において復旧する予定である。」との答弁がありました。
 文教関係の負担金補助金の率は、他に比して低過ぎるのではないか。」との質問に対しましては、「従来の一般法においてすでに低率であるが、今後これを高めるよう努力する。ただし、災害復旧については、今回の措置をもって遂行し得るものと思う。」旨の答弁がありました。この点、大蔵大臣十分御考慮を願います。
 以上のほか、臨時技術職員の採用に当たり、必要な者については中断することなく一定期間継続勤務させるよう措置すること。
 災害予防措置を講ずるとともに、青少年、児童、生徒に対し、平素から災害に対処する心がまえ等を訓練すること。
 重要文化財の災害復旧に要する経費についても国の補助率等を規定することを考慮すること。
 災害により弧児童になった青少年の教育に関しては、彼らが正常な状態をもって成長するよう特別の意を用いること。
 人命救助の避難所として役立った体験からしても、今後、長期冠水地帯、低地等には、鉄筋の堅牢なる建築をなし得るよう、災害関係の一般法を改正するよう考慮すること。等について熱心な要望、意見が述べられたのであります。
 次に、通産関係について申し述べます。
 「罹災中小企業者に対して各般の金融措置がとられているが、中小企業向けとして用意された資金が大企業に流れていくことはないか。また、中小企業金融公庫等の資金が代理店扱いとなる場合に歩積、両建等により高い金利となることはないか。」との質問に対し、「中小企業金融公庫等の政府関係機関からは中小企業だけに融資され、大企業に流れることはない。また、実質金利が高くなることについては常に監督しているが、今回は、特に災害復旧のための融資であるから、なお一そう指導監督を厳重にするとともに、これらの点について末端まで徹底させる。」との答弁がありました。
 「今回の台風により被害を受けた地方は、繊維産業にとりきわめて重要な地域であるが、被災繊維工場の操業再開や減産防止などにいかなる措置をとったか。」との質問に対しましては、繊維関係の中小企業に対しては、金融について、商工中金等に援助方を依頼し、原綿、原毛については、実被害高に応じて再輸入を許可した。また、紡織機に関しては、操短によりすでに格納や封緘した分を減産に見合って解除し、他の工場に振りかえて生産させている。」との答弁がありました。
 次に、「台風や高潮から産業を守るという見地に立って工業地帯の総合施策を推進すべきであり、今後、道路、鉄道、港湾、工業用地、住宅地、公共施設等一貫した臨海工業地帯の造成方策について再検討すべきではないか。」との質問に対しましては、「臨海工業地帯に関しては、特に防災対策を重視して、財政資金の投下に努めるとともに、その造成にあたっては総合的に実施する必要があるので、経済企画庁に鉱工業地帯整備協議会を設け、各省間であらゆる角度から検討を加えている。」との答弁がありました。
 次に、「事業協同組合等の施設の災害復旧特別措置法案の対象となる地域及び中小企業者の団体に準ずるものと認められる団体は、政令でどのように定めるのか。」との質問に対しまして、「政令は、目下関係各省の間で相談中であるが、地域については、農林水産業関係の施設に対すると同様の考え方で、協同組合等の被害復旧費、施設の利用者数を勘案して、一定の額以上の市町村を指定する考えであり、また、中小企業者の団体に準ずる団体は、法的団体となっていない商店街組合等を考えている。」との答弁があったのであります。
 次に、大蔵省関係につきましては、国有の普通財産である機械または器具の保有状況等について質疑が行なわれたのであります。
 以上をもちまして御報告を終わります。

発言情報

speech_id: 103315056X02019591130_009

発言者: 西川甚五郎

speaker_id: 34913

日付: 1959-11-30

院: 参議院

会議名: 風水害対策特別委員会