藤山愛一郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(藤山愛一郎君) 総理が答弁されました以外の点について御答弁申し上げます。アメリカとの交渉につきましては、先ほどの報告で申し上げましたように、日本としては、最初から主張しておりますように、アメリカ側が日本防衛の義務を持ってもらわなければ困る。また、条約に対する発言権を強化していく。あるいは配備、装備もしくは作戦基地の使用等につきましては事前に協議をする、あるいは期限等のないものに対して期限をつけるというようなことに対して、強く主張して参ってきたわけでありまして、交渉自体の内容については、むろん申し上げることはできませんけれども、私としては最善を尽くしたという確信を持っております。
次に基地の問題でございますが、今回の条約におきまして、どうも基地を日本全土どこへでも設けられるのじゃないか、フィリピンは四カ所じゃないか、こういう御指摘があったと思います。むろん日本の基地を設定いたします場合に、いずれの土地に設定するかということにつきましては、日本と話し合いの上できめるわけでありまして、日本がそれらについて十分日本としての適当な場所と思う所を、やはり基地貸与の場合にも主張することは当然のことでありまして、従って、どこどこときめますよりも、現在ありますものを一応認めた上に、今後もこれがふえてこようとは思っておりません。しかし、それらのものについての整理というもの、それらについてはむろんわれわれの意思を十分いれていくわけでありまして、フィリピンにおきましても四ヵ所にはなっておりますけれども、米軍が必要とする基地は、フィリピン側で共同使用するということを承知しておるのでありまして、四カ所以外にも共同使用する場所があるように聞いております。
なお、有事駐留の問題でございますが、この点は、われわれとして当然日本を守ってくれることでありますから、いてもらうことが必要であることもちろんでございます。しかし、現在における実情を申しますれば、現在陸上兵力はすでに撤退をいたしておるのでありまして、条約上におきましてこういう問題が扱われておりましても、実際は必ずしも常時相当に兵力がいるというような場合がないことはむろんであります。また北大西洋条約におきましても、条約自体には基地貸与の規定はございませんけれども、北大西洋条約当事国間の各自の軍隊の地位に関する協定によりまして、有事駐留のみを前提としたものではない。現に英仏独伊諸国には米軍が駐留をいたしております。そういう状況でありますので、私どもとしては現在の方針で進んで参りたいということを考えております。
事前協議については、協議ができるのかということと、もう一つは、なぜ交換公文にしたかという御質問であったと思います。今回の条約は、先ほど御説明申し上げました通りいろいろな点で協議をしながら、運営して参るわけでありますが、その中で、特に配備、装備並びに作戦基地としての使用というようなものを摘出いたしまして、そうして交換公文にいたしたことは、それだけこれを重く扱ったということでありまして、この交換公文によりましたことが条約本文より軽くなったということは、条約の慣例上からございません。また、事前協議に当たりまして、協議でありますから、話し合いがつかなければ当然実行されないのであります。従って、お話のありましたように、拒否する権能を持っております。われわれ話し合いをいたしておりましても、当然それを前提として、アメリカ側も認めて話し合いをいたしております。
次に、十年の条約は長過ぎるじゃないか、安定性というけれども、その必要はないんじゃないか、変えた方がいいじゃないか、こういう御質問であったと思います。私は、この種の安全保障に関する条約につきましては、やはり一定の安定性が必要だと思うのでありまして、十年は適当であろうということを考えている次第でございます。
なお、予防駐留ということは国連憲章に違反しないかという最後の御質問でありました。集団安全保障体制をとっておりますのでありまして、国連の憲章には違反いたしておりません。(拍手)
〔国務大臣赤城宗徳君登壇、拍手〕