曾禰益の発言 (予算委員会)
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○曾祢益君 もう一点、続けて質問だけをさせていただきます。
第一は、この期限の問題でありますが、御承知のように、NATOは、もうすでに締結以来十年たっております。従って、いわゆる一方の一年間の予告で再審理ができる状態になっております。また、これに対抗するワルシャワ条約、これはたしか二十年の期限だったと思います。また中ソ友好同盟相互援助条約は、これは三十年の期限、しかしこれらの条約、あるいは非常な特定の例を除きまして、私の承知している限り、特にアメリカが当事者である条約で、一応無期限にしておるけれども、一年間の予告でこの廃棄ができる、あるいは全米条約の場合はたしか二年の予告だったと思いまするが、こういうものでないものは一つもない。これは米韓、米比、米・台湾条約のみならず、SEATOでもアンザスでもそうです。一体いかなる理由でこれにもかかわらず十年のいわゆる固定期間を設けなければならなかったか、全く意味がないと思う。NATOはもうすでに再審議状態はいつでもできる。しいて中ソ友好同盟が頭から三十年だと、これと対抗するという性格をただ表わすために、条約を十年間の固定期間を設けているとしか思えない。ほかにアメリカの集団安全保障条約、今申し上げたような以外に、どういう十年なり、そういう長い固定期間の条約があるか、これをお示し願いたい。これが第一点であります。これは外務大臣に伺います。
それから最後に、私は以上の質疑応答を通じまして、まことに私自身も突っ込みが足りない、これを申しわけなく思いまするが、時間の制限もあるのでやむを得ない。政府の安保条約に対する態度が初めから今日まで一貫性と計画性もなければ、保守党は保守党なりの、当面アメリカの協力を得たいという立場に立っても、何らの見通しも計画性もない、このやり方であったことが一つ。第二には、一年前の状態と今日までの状態が根本的に変わっている。従ってその情勢の変化に対応した行きがかりにとらわれない見地で、この際もう一ぺん白紙に戻ったつもりで再検討する必要がある。これは明瞭だと思います。一々個々の内容についても、今の答弁を通じてきわめて不明確な問題ばかりである。事実上今の安保条約に比べてこの方がましだという点すらこれは言えないのではないかというくらいきわめて協議条項の内容等が不明確である。こういうふうに考えられるのでございます。従いまして、総理に、くどいようでありまするが、この際はっきりもう一ぺんお答えを願いたい。どうしてもあなたはこの相互防衛条約方式にいかれるという、これをおやめにならないのか。相互防衛条約方式だけはこれをやめるというお考えに、静かにみずから省みて、日本の将来を考えて、もう一ぺんそこに立ち返る余地がないのかどうか。
これは同じことでありまするが、巨頭会談や軍縮の進展を待って、いきなりやめろとは言わないにしても、少なくともそれまで調印を待つべきではないか。これは国民の良識の示すところだと思うのであります。
第三に、同じことでありまするが、中国問題はそのままにしておいて、台湾問題というあの非常な危機をそのままにしておいて、そうして協議条項で何とかといってごまかしていくというような、こういう態度でなく、中国問題に対する目鼻をつける、まずその努力をして、その間は今の安保条約でがまんするというのが、これは保守党の立場に立っても良識ではないかと思うのであります。
第四は、先ほどるる申し上げましたように、この極東における軍縮、極東における核武装地帯を広げない、これは何といっても産業が発達した、科学が進歩した日本と中国の責任です。この極東の武装化の問題と安保の問題をとらえて、新たに安保を進めればいいという考え方をやめていただきたいと思うのですが、もう一ぺんその点に関する熟慮の上に立ったお答えをいただきたい。
以上申し上げましたように相互防衛条約方式はやめにしないか、以上のいろいろな点から少くとも交渉をしばらく凍結して、なし得るならば白紙に還元しろ、こういう私は国民の声があろうと思うのです。もし、以上申し上げたことをすらどうしてもできないというならば、きのう同僚亀田委員が申されたように、少なくともあなたのへ理屈は別として、この春の参議院選挙は率直に言って、自民党も社会党もすべての候補者が安保条約を正面に出して戦っておりません、これは事実です。従ってそういうような状態で昨年の四、五月ごろの総選挙で全部がまかされたからこのまま政治家の責任、国会議員の責任で安保をやるのだ、これはファシズムにも通じかねない危険な思想です。これだけ重大な問題であるならば、あらためて国民の信に問うということが、これが当然の憲政の常道だと思います。私は従って、繰り返し申し上げたいのでありますが、ぜひこの点はもう一ぺんお考え直して、いわゆる仮調印をする、イニシアルをした、案文がこれで確定した、しかし調印はしない、その段階において、次の政府はだれがなるのだ、この確定した案文によって民意に問うべきではないか、すなわち衆議院の解散は調印前にやるべきである。こう考えまするが、これらのことについての明確な御所信を伺いたいと思います。まず外務大臣からお答えを願います。