予算委員会

1959-11-17 参議院 全354発言

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会議録情報#0
昭和三十四年十一月十七日(火曜日)
   午前十時五十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員重政庸徳君、東隆君及び森八
三一君辞任につき、その補欠として青
柳秀夫君、田上松衞君及び加藤正人君
を議長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 英三君
   理事
           大谷藤之助君
           佐藤 芳男君
           館  哲二君
           西田 信一君
           秋山 長造君
           亀田 得治君
           鈴木  強君
           千田  正君
           杉山 昌作君
   委員
           青柳 秀夫君
           泉山 三六君
           太田 正孝君
           草葉 隆圓君
           小林 武治君
           斎藤  昇君
           下條 康麿君
           杉原 荒太君
           手島  栄君
           苫米地英俊君
           武藤 常介君
           松村 久義君
           湯澤三千男君
           米田 正文君
           占部 秀男君
           木村禧八郎君
           久保  等君
           小林 孝平君
           佐多 忠隆君
           永岡 光治君
           松澤 兼人君
           松永 忠二君
           大和 与一君
           辻  政信君
           曾祢  益君
           田上 松衞君
           森 八三一君
           岩間 正男君
  国務大臣
   内閣総理大臣  岸  信介君
   外 務 大 臣 藤山愛一郎君
   大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
   文 部 大 臣 松田竹千代君
   厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
   農 林 大 臣 福田 赳夫君
   通商産業大臣  池田 勇人君
   運 輸 大 臣 楢橋  渡君
   郵 政 大 臣 植竹 春彦君
   労 働 大 臣 松野 頼三君
   建 設 大 臣 村上  勇君
   国 務 大 臣 赤城 宗徳君
   国 務 大 臣 石原幹市郎君
   国 務 大 臣 中曽根康弘君
   国 務 大 臣 益谷 秀次君
  政府委員
   内閣官房長官  椎名悦三郎君
   内閣官房副長官 松本 俊一君
   法制局長官   林  修三君
   防衛政務次官  小幡 治和君
   防衛庁長官官房
   長       門叶 宗雄君
   科学技術政務次
   官       横山 フク君
   外務省アジア局
   長       伊関佑二郎君
   外務省アメリカ
   局長      森  治樹君
   外務省条約局長 高橋 通敏君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省主税局長 原  純夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
  説明員
   気象庁予報部長 肥沼 寛一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十四年度一般会計予算補正
 (第2号)(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年度特別会計予算補正
 (特第1号)(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和三十四年度政府関係機関予算補
 正(機第1号)(内閣提出、衆議院
 送付)
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小林英三#1
○委員長(小林英三君) ただいまから委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について御報告をいたします。十一月十七日、重政庸徳君及び東隆君が辞任し、その補欠として青柳秀夫君及び田上松衞君がそれぞれ選任せられました。
  ―――――――――――――
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小林英三#2
○委員長(小林英三君) なお、本朝の理事会で、昨日の亀田君の外務大臣に対する安保改定交渉経過の資料要求について協議いたしましたが、結論に達しませんので、適当の時期さらに理事会で協議することにいたしました。
   〔小林孝平君「委員長、議議事進行」と述ぶ〕
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小林英三#3
○委員長(小林英三君) 小林君。
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小林孝平#4
○小林孝平君 私は、昨日の亀田君の質問に対しまして、外務大臣の答弁が行なわれましたけれども、この答弁に関しまして委員会の運営上非常に重要な問題が生じましたので、政府の所信をただしたいと思います。
 それは、昨日亀田君は事前協議事項に関連いたしまして……。
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小林英三#5
○委員長(小林英三君) ちょっと小林君、発言中ですが、議事進行でしょう。
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小林孝平#6
○小林孝平君 議事進行です。
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小林英三#7
○委員長(小林英三君) あなたが質問するわけじゃないでしよう。
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小林孝平#8
○小林孝平君 質問するわけじゃないのです。そういうことがあったから――こういうことなんです。こういうことを言っているのです。そういう事前協議事項について質問をいたしました。その際に、装備の変更について亀田君は質問されました。相当長時間にわたって重要なる質疑応答がかわされました。その際に、亀田君は装備の重要な変更ということについて質問をいたしました。ところが、外務大臣は答弁に立たれまして一瞬ためらわれましたけれども、重要な装備の変更ということで繰り返し御答弁があったわけであります。われわれの今まで承知している限りにおいては、国会において政府がら何ら正式な資料をいただいておりませんけれども、この装備の変更については、「装備の重要な変更」ということで条文が交渉されると承知いたしております。また数回の本会議並びに委員会における質疑応答も、「装備の重要な変更」といううことで討議が行われておったのであります。ところが昨日、外務大臣は、重要な装備の変更」という御答弁があったのであります。これは、「装備の重要な変更」と「重要な装備の変更」ということは、重要な相違があるわけです。きわめて重大な問題であります。私は、いつからそういうふうに原案が日米両国の交渉において変更になったのかということを政府はこの際明らかにする必要があると思うのであります。また、そういう変更がないのにもかかわらず昨日こういう御答弁があって、私は、もしそういう変更がなければ、条約局長なり法制局長官がおられたのでありますから、昨日中にこれは御訂正があるものと思って私は聞いておったのでありますけれども、本日まで御訂正がない。御訂正がなければ、これは「重要な装備の変更」ということに変わったのだろうと私は思いますから、この点を明らかにする必要があると思うのであります。これは、私が質問しているのではありません。この委員会にそういう明確な御答弁があってしかるべきじゃないかと思います。さらに、もしそういう変更がないのにもかかわらず、亀田君の、装備の重要な変更ということに対して、外務大臣はみずからその答弁台において、ためらわれながらも、重要な装備の変更という答弁をやられたとするならば、あなたは議員のこの質疑をいいかげんのものであると、こんなものはその場限りに過ごしていけばいいのだと、こういう考え方でこの委員会に臨んでおられると考えるより仕方がないと私は思うのであります。この点をさらに明確にしていただきたいということと、さらにもう一つは、こういうふうにこの重大な問題を、装備の重要な変更と、重要な装備の変更ということは、非常に重大な差があって、重要なる問題であります。この問題をこういうふうにいいかげんな論議が政府側から行なわれておる原因を考えてみますと……。
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小林英三#9
○委員長(小林英三君) 小林君発言中ですが、委員長に要求して下さい。議事進行ですから、委員長に要求して下さい。
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小林孝平#10
○小林孝平君 委員長あわせてやるのです。そこで、あなたがそういうことをおっしゃると、今後の質問がいよいよ混乱するのじゃないか、委員長はあまり議員の発言を抑正すると……。
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小林英三#11
○委員長(小林英三君) 抑圧はしておりません。
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小林孝平#12
○小林孝平君 それならばこれからやります。そこで、こういう食い違いができて、委員会の審議が、私か心ならずも議事進行をやらなければならない事態が生ずるのはどこからきているかと申しますと、これは資料を政府が出さないからであります。国会においていろいろ重要な論議をされておりますけれども、その論議の根拠は、われわれは新聞の条約草案でもって質問をしている、政府はこれとは別にしっかりしたもので答弁をしている、こういう珍無類の答弁というものは国会史上にいまたかってないのではないかと思います。これはやはり政府はちゃんとはっきりした資料を出していろいろの説明をし、これに対して質疑をするという方法を請じなければならないのではないかと私は思います。現に本会議並びに委員会において、新条約の第五条にこういうことが書いてある、これは……。
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小林英三#13
○委員長(小林英三君) 発言中ですが、議事進行なら簡単にやって下さい。
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小林孝平#14
○小林孝平君 議事進行なんです。委員長は従来の委員長に見ないような独裁的な……。
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小林英三#15
○委員長(小林英三君) 独裁的じゃありません。
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小林孝平#16
○小林孝平君 どうしてそういう態度をとるのですか。
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小林英三#17
○委員長(小林英三君) 議事進行ならば要点を言って下さい。(「発言の途中で委員長何か言っちゃいけませんよ」と呼ぶ者あり)発言の途中でも申し上げます。
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小林孝平#18
○小林孝平君 心ならずもやらなければならない事態になったのは、政府のやり方が悪いからでしょう。総理大臣ももっともだというような顔をして聞いているじゃありませんか。そこで第五条にこういうことが書いてある。これは第六条との関係はどうだといって聞くと、藤山外務大臣は、第五条の、これはこれこれであるというように、われわれが新聞から引用している第五条と、あなた方のほんとうの第五条と一緒になって本会議あるいは委員会において論議されておる。こういうことは国会の審議上、先ほども言ったように、帝国憲法以来例がないことなんです。私はこの際委員長に申し上げますが、こういうことはすみやかに軌道に乗せて政府は資料を出し、そうしてわれわれはその資料に基づいて論議をするということでなければおかしいのじゃないかと思います。そこでこれは議事進行でございますが、先ほど申し上げましたように、藤山外務大臣から明確にこの委員会に、前日の経過を、どうしてそういうことになったかということを明確にお話しになる必要があると思います。
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小林英三#19
○委員長(小林英三君) ただいま小林君から議事進行について委員長に御要求がありましたが、外務大臣は小林君の議事進行に関する御意見に対して、適当な機会に善処されんことを希望いたします。(「直ちにやる必要がある」「今やりなさい」と呼ぶ者あり)
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小林英三#20
○委員長(小林英三君) 昭和三十四年度一般会計予算補正(第2号)、同じく特別会計予算補正(特第1号)、同じく政府関係機関予算補正(機第1号)を一括して議題といたします。前回に引き続き総括質問を行ないます。曾祢益君。(「外務大臣からやりなさいよ、おかしいじゃないか」「言葉が間違っておるのを、ちょっとやりなさいよ」と呼ぶ者あり)適当の時期に……(「条約の言葉が違っておるのは大へんじゃありませか、ちょっとやりなさい」と呼ぶ者あり)曾祢君、ちょっと待って下さい。ただいまの小林君の議事進行に関する件につきまして、外務大臣から発言を求められておりますから、発言を許します。
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藤山愛一郎#21
○国務大臣(藤山愛一郎君) 昨日の亀田委員の御質問に対しましてお答えしました中に、ただいま御指摘のような点がありましたならば、若干違っておると思います。むろん今回の条約文は最終的には作成されておりませんけれども、作成する今の段階において申し上げられますことは、装備の重要な変更ということをわれわれは考えておるのでありまして、御質問、かけ引きの問題、いろいろありましたんで、あるいは私の言葉が若干違ったかと思いますけれども、そういう点で、装備の重要な変更ということでございます。
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曾禰益#22
○曾祢益君 私は、先般本会議における総理並びに外務大臣の施政方針、さらにはその後に行なわれました外務大言の安保条約に関する中間報告の質疑応答を通じまして、政府がこの重大な安全保障条約改定問題についての何らの明確なる所信、これを明らかにしておらないことをはなはだ遺憾とするものであります。従いまして、私はこれからこの安保条約につきまして、特に藤山外務大臣の中間報告を基礎としながら、以下総理並び外務大臣に対して若干の点を御質問申し上げたいと思います。またその中で特に防衛庁長官に伺う点については、その点を明確にしますから、その点についてのみ防衛庁長官からお答えを願いたいと思います。全般については総理並びに外務大臣からそれぞれお答えを願いたいと思います。
 まず第一に伺いたい点は、外相の報告によりますと、昨年の九月故ダレス長官に初めて今回の安保条約改定の交渉をされたときに、内容的にいうと、アメリカの日本防衛に対する援助義務を明確にすること、日本の負うべき義務は憲法の範囲内に限らるべきこと、条約運営に関し日本の発言権を強化し、特に在日米軍の配備及び芸備の重要な変更、並びに極東の平和及び安全の維持のため日本の施設及び区域を作戦的目的に使用することを事前協議条項の事項とすること、条約に一定の期限を設けること、大体この四つ、あるいは細分いたしますと、五つばかりのこの希望条項を申し入れ、その他現行条約中現状にふさわしくない諸点に所要の改正を行ないたい、こういう申し入れをされたというのであります。このような要項に分かって、九月ダレス長官に申し入れたということは今回初めてわれわれは伺ったのであります。少し皮肉な言い方かもしれませんが、この要項なるものは、今日もうでき上がりつつある安保条約の内容から遡及的にこういうものを作ったような気もするのでありまするが、それほど明確なこれらの五項目ばかりについての要項をはっきりお出しになったとするならば、当然にこれは重大な問題でありまするから、これを出される前に自民党の党議がきまり、また閣議においてこの要項が決定されて、その上に外務大臣が交渉されたものと考えるのでありまするが、はたしてそれらの手続がとられたかどうか、まずこの点を伺いたいと思います。
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藤山愛一郎#23
○国務大臣(藤山愛一郎君) 昨年九月ワシントンに行きまして、ダレス長官とこの問題につきまして、話し合いをいたしますときは、むろんはたして安保条約が改正されるかどうか、まあ改正を向うが応諾するかどうかということについては確実ではございません。従いまして、従来われわれが考えておりますような点、ただいまお話のありましたような点です。アメリカが日本の防衛の義務を持っておらないじゃないか、あるいは内乱その他についての項は、現状においては不適当ではないか、あるいは期限の点については、やはりこういうものを期限を定めてもらわなければ困る、また核兵器持ち込み、あるいは自由に極東の各地に作戦ができるというようなことに基地を使うということについては、ある程度の制限を設けてもらわなければ困るじゃないか、こういうようなのが、一体われわれ日本国民として考えて、いろいろ問題になっている点なんだ、そういう点を一日も早く改正してもらいたいのがわれわれの希望なんだということを、ダレス長官と話をいたしたわけであります。そして、それらについての日本国民の感情、また、私が申し上げたと思っておりますけれども、過去においていろいろ議会等の論議を通じて私どもも知っているような点について、いろいろ懇談をいたしたわけであります。その結果、ダレス長官が応諾をいたしたのでありまして、その初めの交渉を開始することになったのであります。その交渉の事前には、特に閣議等の決定はいたしておりません。
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曾禰益#24
○曾祢益君 外務大臣は、今、この改定についてダレス氏と会う前に、果して彼が応諾するかどうかわからなかった、従って懇談的な態度で、日本国民が不満とするこれこれ、これこれの条項を述べた。その述べた中に内乱条項がありましたが、ここには一つも書いてありません、内乱条項のことは明確に……。それから、いま一つ、そういう懇談をされたというのとは全然違って、故ダレス国務長官と会見し、条約改正交渉の開始を提議した。いやしくも外務大臣から国務長官に、条約改正交渉の開始を提議した、これは正式の交渉ですね。次に条約改正に関する日本の希望条項を申し入れた。これは完全な正式の外交交渉になっておる。その外交交渉に出した希望条項は何かというと、ここに四点はかりはっきりあげられている。今あなたの言われたように、どうなるかわからないから、まず小当たりしてみようというようなことが実情であったとすれば、この中間報告に書いてあることはうそになる。そこで、私が今伺ったところによると、こういう重大な交渉、しかも正式交渉を申し入れた、四つ五つのこっちからの希望条項を申し入れておきながら、その希望条項の内容について、事前に閣議なり党議の決定がなかったと、そういうあいまいな態度でやられたのですか、どうか。これは総理並びに外務大臣からお答え願いたい。
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藤山愛一郎#25
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん、当時アメリカに行きましてダレス長官と会見することは、こちらから申し入れておったわけであります。その話の内容、たとえば極東の情勢、その他いろいろな懇談をするという場合に、こういう話もしてみたということは、むろん閣議に報告をしておりますし、また帰ってからも、その点について報告をいたしております。しかし、それらの一々について正式な閣議決定があったということではありません。
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曾禰益#26
○曾祢益君 総理大臣からのお答えがないのですが、そういう外務大臣が腰ため的に大体どんなものだろうという態度に、この重大な安保改定をまかして、閣議決定もなしに、またそのバツクにある――政党内閣ですから、いい悪いは別として――党議もきめないでこの交渉に臨まれる、そういうことが、あなたがみずからこれをいいと思っておられるのかどうか、これを伺わしていただきたいと思います。
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岸信介#27
○国務大臣(岸信介君) 外務大臣が申し上げておりますことは、特に昨年の九月参ります際に、形式的な閣議決定とか、あるいは党議決定というようなことに手続をとっておらなかったということを申し上げているのであります。わが自由民主党におきましては、かねて政策の根本として、安保条約の改定の問題を重要な政綱に掲げておりまして、そのうちいろいろ問題になる点等につきましては、従来も党議として、党の方針としてこの問題を取り上げて参っております。もちろん昨年の九月の藤山・ダレス会談というものは、いわゆる安保改定に関する正式交渉という性格では私はなかったと思います。もちろん、ダレス国務長官と外務大臣が会う場合におきまして、日米間のいろいろな問題について話し合う、その際に、かねてわが党としても党の方針としてきめているし、私がその前年アイゼンハワー大統領と話し合ったときにも問題になっておる安保条約改定の問題について、アメリカ側の意向を打診するということは、そのときの藤山外相の訪米の一つの目的になっておりまして、それは閣議が了承しておるはずでございますが、今申すように、いわゆる交渉の事項として形式的な閣議の決定はなかったと、こういうのであります。
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曾禰益#28
○曾祢益君 そういうでたらめな外交交渉というものはあり得ないと思います。いやしくも責任ある保守党の内閣として、安保条約を改正するというのならば、どういう点を、どういう方向で改正するということがまず党議できまり、閣議できまって――打診の段階は別ですよ。いやしくもダレスと会って、提案する以上は、それがきまってなくちゃならぬ。自民党のやり方、岸内閣のやり方は、そういうことが全然きまっていない。ことしの五月三日になって初めて安保並びに行政協定の改定の自民党の要綱ができた。交渉は九月の段階においてすでにやられている。そういう状態ですから、まあ他党のことだからかまわないようですけれども、その後に至っても党内の議論がきまっていない。これは党内の間近だから、私たちはかまいませんが、国民はそんな無責任な、安保改定の基本方向もきめないで、ずるずるべったりにアメリカと交渉するなんというやり方に、たれも賛成はしていません。
 そこで、特に私がこの際なぜそういうことを言うかということを御説明申し上げながら御質問したいのですが、この要綱、希望条項を見ますると、すでに最初から、アメリカとの話において、在日米軍の配備並びに装備の重要な変更及び極東の平和と安全のために日本の基地を使うことは事前協感にする、こういうことをもう頭からきめておるわけです。一体、自民党――保守党の立場に立っても、安保条約を改定しようというのならば、ほんとうにこの常時駐留ということが絶対に必要なのか、それが好ましいのか、また、駐留の目的を日本防衛に限って、極東への出動というような問題をこれはやめてもらうというような基本的な問題から、まず安保を肯定する立場に立ってのそういう基本的な改正の方向ということを、十分に党内において議論し、国民に徹底せしめ、閣議においてきめてから、この安保改定に手をつけるというのが、これが常道じゃないですか。それをやらずに、しかも外務大臣がダレスに小当たりして見、それを了承しているけれども、その初手から、これらの重要な問題について、安保改定の一つの骨格がきまってしまう全くずるずるべったりの交渉をしておったということが、今や明白になったと思うのですが、この駐留問題等について真剣なる討議を、日本の将来のことを考える保守党の立場からいってもやられたのかどうか、これを伺いたい。
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岸信介#29
○国務大臣(岸信介君) 先ほど来お答えしているように、私の方――この自由民主党におきましては、党の立党のときから、その政策の重要要綱として、安保条約の改正の問題は、これを党の基本方針の一つに取り上げて参っております。その根本は、日本とアメリカとの関係をできるだけ対等なものにし、日本の自主性を回復するという方向においてこれをやるということは、党の政策の方針としてすでに決定をしてきておることでありますし、また、それに基づいて、党は、立党以来しばしばアメリカとの間にも話をしておったのでございます。そういうことであり、その方向のもとに改定の話し合いを正式に始めようということが、昨年の九月におきまして決定をしたわけであります。もちろん、交渉の内容等につきましては、またその経過等につきましては、それぞれ適当な連絡をとりながら進めて参ったわけでございます。今御質問の、日本のこの防衛、安全保障の意味から、一体常時駐留の問題が日本にとって適当であるかどうかという問題に関しましては、私ども、日本の置かれておるこの事態、状態、並びに日本国内における自衛力の関係から申しますというと、このある程度の常時駐留は、日本にとっても、日本の安全を保障する上からも適当であるという考えのもとに、私どもは交渉をいたしております。しかしながら、すでに私が一昨年参りましたときに、陸上部隊の日本からの駐留を撤退するというような方針もきめております。また、日本におけるところの駐留軍の漸減方針につきましても、話をいたしております。そういう状況のもとにおいて、やはり常時駐留ということ、ある程度の駐留は必要である、こういうことが私どもの初めからの考えでございます。
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