楢橋渡の発言 (運輸委員会)

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○楢橋国務大臣 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 日本国有鉄道は、東海道本線の輸送の行き詰まりを打開して、将来のわが国経済の発展に伴う鉄道輸送需要の増大に対処するため、工期おおむね五カ年の予定で、昭和三十四年から広軌、電気運転方式による東京—大阪間の幹線増設工事を実施いたしております。政府といたしましても、東海道線の輸送力のわが国産業、経済に占める重要性にかんがみ、この幹線増設の早期実現に財政資金の確保をはかる等、特段の努力をいたしております。この工事に要する資金の一部といたしまして、国際復興開発銀行から外貨資金の借り入れをいたしたいと存じますが、そのために借り入れ契約に基づいて発行する鉄道債券に関する事項を立法化する等の必要があります。
 さて、今回改正の要点は、まず第一点といたしましては、日本国有鉄道は、国際復興開発銀行と締結する外貨資金の借り入れ契約に基づいて同銀行に鉄道債券を引き渡す必要があるときは、その発行事務を外国の銀行または信託会社に委託することができることといたしたことであります。
 次に、日本国有鉄道が国際復興開発銀行に引き渡した鉄道債券を外国投資家が譲り受けた場合における外国向けの元利金の支払い及びその受領について、外資に関する法律の特例措置を定めることといたしたことであります。
 第三点といたしましては、日本国有鉄道が国際復興開発銀行からの外貨資金の借り入れ契約に基づいて発行した鉄道債券について、外国人が支払いを受ける利子についての所得税を免除するため、関係法律を改正することといたしたことであります。
 このほか、第四点といたしまして、日本国有鉄道に東海道幹線増設工事を円滑に行なわしめるため、理事の定数の増加を行なうことといたしたことであります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
 次に、道路運送法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 道路運送の現状にかんがみ、政府といたしましては、自動車運送事業による輸送の安全度の向上、道路運送に関する秩序の維持、的確かつ強力な輸送実情の把握を行なう体制の確立等、さしあたり緊急に措置を要する問題につきまして、鋭意検討を進めて参りましたところ、ようやく成案を得るに至った次第であります。
 この法律案は、第一に、自動車運送事業者の運行管理者選任義務、運行管理者に職務違反があった場合の解任命令等、運行管理者制度を確立するとともに、輸送の安全が確保されないおそれがある場合において自動車運送事業者に対して是正命令を行ない得るものとする等の措置により、自動車運送事業による輸送の安全の確保をはかることといたしております。
 第三に、道路運送法違反による使用停止処分を受けた自動車につきまして、その使用停止処分の実効性を確保するための登録上の措置について定めるとともに、これら違反者に対する罰則を強化いたしまして、間接強制による違反の防止をはかり、他方、自家用自動車の使用を健全化することにより道路運送の総合的な発達をはかるため特に必要な場合には、自家用自動車の使用者の事業場に立ち入ることもできるようにして、自家用自動車の使用の適正化のための行政指導を行ない得ることといたしております。
 第三に、道路運送の実態調査について定め、輸送需要その他道路における輸送実情を的確に把握するための体制の確立をはかることといたしております。
 最近の道路運送の実情にかんがみ、特に緊急に立法化を要するものとして、以上の三項目を骨子としてこの法律案を提案した次第であります。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
 次に、臨時船舶建吾調整法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 現行の臨時船舶建治調整法は、昭和二十八年に戦後のわが国外航商船隊再建のため船舶の建造を調整する必要上制定されたものでありまして、その存続期間は昭和三十六年三月二十一日までとなっておりますが、次に述べますような事情によりまして、本法の存続期間を昭和四十年三月三十一日まで延長したいというのが、この法律案を提出いたすゆえんであります。
 戦争によって、崩壊したわが国外航商船隊の再建整備をはかるため、政府は外航船の建造につきまして、財政資金の投入、市中資金のあっせん、利子補給及び損失補償制度の確立等種々の助成策を講じて参りましたが、本法は外航船の建造を運輸大臣の許可にかからしめることによりまして、建造される船舶が真に国民経済の要請に適合するよう調整する機能を発揮して参ったのであります。
 しかして、その間に建造されました外航船は、貿易外収入の増加を通じてわが国の国際収支の改善に多大の貢献をなしているのでありますが、今後予想される貿易量の増大に伴い、外航船腹を整備拡充いたしますことは、依然わが国経済の自立発展をはかるためには欠くことのできないものでありますので、政府は、今後も外航船の建造につきましては、積極的な助成策をとることにより、海運企業の基盤とその国際競争力の強化をはかりつつ、国民経済の要請にこたえようといたしているのであります。
 このように政府が外航船の整備拡充についての助成策を続行いたします以上、その目的を達成する上におきまして補完的な役割を果たす臨時船舶建造調整法に基づく規制を引き続き行なうことがぜひとも必要なのでありまして、その必要性はわが国の国際海運の現状から見て、少なくとも昭和三十五年度から五年間は存続するものと見るのが妥当であると存じます。
 今回、臨時船舶建造調整法の存続期間を昭和四十年三月三十一日まで延長しようとするのは、以上の理由によるのであります。
 なお、現行法は昭和三十六年三月三十一日まで効力を有するのでありますが、その効力延長についての審議を今国会においてお願いいたしますのは、造船の場合におきましては、着工の数カ月以前に契約が締結されるのが通例でありますので、昭和三十六年四月以後に行なわれます建造について混乱を生ぜしめないためであります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

発言情報

speech_id: 103403830X00419600302_008

発言者: 楢橋渡

speaker_id: 20960

日付: 1960-03-02

院: 衆議院

会議名: 運輸委員会