正木清の発言 (運輸委員会)

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○正木委員 私は簡単にお尋ねをしたいと思うのでございますが、国内旅客船の現状は、現在、隻数にして二千百隻、総トンにして十一万、これが千二百八十三の旅客定期航路に就航しておりまして、私どもが真剣に考えました点は、年間にして七百五十万人の旅客のほかに、郵便物二百二十万個、手荷物千三百五十万個、貨物にして三百十万トンを輸送しておるのが国内輸送の現状でございます。従って、この国内旅客船の整備、安全ということが当委員会で長年間にわたって問題になり、しかもこの間、沿岸航路には大きな犠牲がしばしば出まして、ついに国内旅客船の整備のために公団組織ができまして、ようやく発足をした、こう私は心得ております。従って、当初の発足は、残念ながら私自身などが意図いたしましたものより、その資本構造においても非常に微々たるものでございましたけれども、いずれにしても発足したことは大へんにけっこうなことでありまして、運輸大臣の手元で今年度さらにこれの資本増加、これも残念ながら微々たるものでございまするが、いずれにしても資本の増加を見て一歩前進をした、私はまことにけっこうなことだと思っておるのであります。
 ただ、ここで私が一言質問しておきたいことは、こうした重要な、年間にして七百五十万人のお客さんを運び、郵便物にして二百二十万個、手荷物にして千三百五十万個、貨物にして三百十万トンを輸送している国内旅客船、ところがこれに従事するところの船でございますが、一体どういうような形になっておるかというと、二千百隻のうち二十総トン以上の船舶が九百一隻、この九百一隻について調べてみますと、鋼船は年令二十五年以上のものが百一隻、二万トンございます。全鋼船に対して隻数において四四%、総トン数において二八%、木船では年令十五年以上のものが三百三十四隻で一万三千五百総トン、全木船に対する比率は、隻数で五〇%、総トン数で五三%、こういうことは、運輸大臣、あなたは事務当局の方からお聞きになっているかどうか。この沿岸航路に従事する船の年令、一口に言って老朽船でございますが、これは実に恐れ入った老朽船が沿岸航路に就航しておる。人間でいうと私のような者が実は過重労働に従事しておる。大臣のように若くはないのです。ですから、こうした老朽船でよくぞまあ今日あの程度の事故で済んだものだと、私はこう考えておる。だからまず第一に、この沿岸航路の今日まで果たしてきた重要な役割と、この船の老朽化した状態を二つ比較してみて、よくぞこれで一体あの程度の事故で済んだものだということを、僕は政治を担当する運輸大臣にとくとお考えを願いたい。だからこそ二億であっても資本の増加をして下さったのだと思うのですが、まずこれを考えてもらいたい。
 それからもう一つよくお考えを願わなければならないと思いまするが、これらの沿岸航路をやっておる、一口に言うと船会社ですね、実は全国で八百八十三の事業者がこれに従事しておるわけでございますが、この事業者の内訳を見ますと、会社が二百十八、地方公共団体が八十七、組合が六十二、個人が五百十六やっておるのであります。ですから、前回にも事故が起きたときに、当委員会で非常に議論になりました点は何であったかというと、まず会社の二百十八といっても、一口に言うと陸と海と兼用してやっておる小さな会社なんです。ですから、ちょっとした事故でも、さあ事故が起きた、どうすることもできないというのが現状である。ましてや地方公共団体の八十七、組合の六十二、個人が五百十六もあるわけですから、どうにもならない。だから、もはやどうにもならない老朽船がよたよたとして沿岸航路に従事しておる。しかも従事しておるそのことは、国家的に見るというと、ただいま数字で具体的に申し上げたように、大きな仕事であります。これが現状なんです。こういうことを考え合わせてみていただきたいと思うのです。そこで、この会社の内容になりますと八百八十三のうちのこの会社の二百十八の資本金を簡単に申し上げますと、資本金が一千万以上がわずかに四十六です。この一千万以上の会社の内容を見ますと、これは陸もやっておるのです。船ばかりじゃないのです。それから百万未満の小規模会社が九十です。半分を占めておる。これが現状なんです。だから事業者の零細性というのが、結論から言うと、この沿岸航路の特徴である。この沿岸航路に従事しておる会社、それから地方公共団体、それから組合、個人というものは、結論から言うと、零細業者が国家的な大きな仕事を背負い込んでよたよたとやっておるんだ、こういうことです。そこで、御承知のように、離島航路整備法というものが生まれて、漸次ここまで発展してきたわけですが、私は、こうした実情をよく大臣は御存じであろうかとは思いますが、あらためてこの沿岸航路の重要さというものをお考えをいただいて、一つ来年度は大臣は思い切って資本を増加するように、特段の御配慮を願いたい、こう思うのです。
 それで私は事務当局にお伺いするんだが、前年度発足したわけですが、発足したときの実績、どういうような状態——ただいま資料をちょうだいしたわけですが、三十四年度のこの事業計画というものはどういうように具体的に進めていっているか、そして事務当局から見ると、あと何カ年後には、結論から言うと、零細的なこうした規模のもとに事業をいたしておるこういう会社の内容を整備をして、そうしてこの七百五十万人からのわれわれの同胞に心配をかけない、それから便利を与えるという見通しが立っておるのか。これはあるいは年次計画等もあるかもしれませんが、そういうものも、より具体的に詳細にここで御説明を賜わりたい、こう思うのです。

発言情報

speech_id: 103403830X00419600302_016

発言者: 正木清

speaker_id: 1455

日付: 1960-03-02

院: 衆議院

会議名: 運輸委員会