芳賀貢の発言 (内閣委員会農林水産委員会連合審査会)

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○芳賀委員 ただいまのような政府の態度であるとすれば、この調査会法案というものは、単に調査だけを目的とした調査会に終わるということになるのです。調査会を設けるということは、やはり一つの事態というものを想定して、この調査を通じて問題の処理に当たるとか、実現に当たるという意図がなければ、ただ単にその調査会の設置だけを目的にした法案を作るということは、全く無意味だと思う。しかも戦後における農地改革というものは全く適法に行なわれておる。ですから、農地に対する補償を行なうという今後の政府の態度というものは、これは毛頭ないのだということが明らかになっておるわけなんですからして、そうなると、政府が示された被買収者に対する社会的問題の調査ということになるわけでありまするが、そういうことになればこれは単に被買収者だけを対象にした調査ということはできないと思うのです。たとえば農地改革後の農村における社会構造の変革というものは、単に農村におけるかつての旧地主だけを摘出して調査しても、何らの意味はないわけです。こういう点は農林大臣もおわかりになると思うのです。改革以前の農村の社会構造というものは、地主あるいは小作人のこのような階層がずっと長く対立の形で続いたのですが、今日においてはそういう自作、小作のような階級対立というものは全然ないわけです。しかし現在の農村の内部の事情というものは、変わった形で階層分化というものが生じておることは、農林大臣も御認識の通りなんです。ですから、今日のたとえば農村内部の社会環境の中において、かつての旧地主がどのような状態に置かれておるかということをもし調査するという場合においては、農村全体の社会的な問題とか構造を対象にして調査しなければ、調査というものは適正に行なわれないと思うのです。ただ単に限られた問題だけの調査ということになれば、これは農林省あるいは厚生省、労働省等の所管、あるいは総理府等が持っておる調査機関を動員すれば、それぞれの分野における局限された問題の調査というものは当然できるわけです。そういうことを考えた場合に、このような法律を作るということは全く意味がないとわれわれは考えておる。しかも農地の賠償は今後行なわないということが鉄則としてきめられておる場合、被買収者に対する補償を行なわないということであって、それでは何のためにこの調査を行なうのです。

発言情報

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発言者: 芳賀貢

speaker_id: 28868

日付: 1960-04-01

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会農林水産委員会連合審査会