西村榮一の発言 (本会議)
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○西村榮一君 本院議員従四位勲二等小西寅松君は、去る四月十四日早暁、東京の自宅において、にわかに逝去せられました。私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、つつしんで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)
私は、小西君と、第二十二回総選挙以来、同じ選挙区から毎回出馬して今日に至り、政治的立場を異にはいたしておりましたが、平素から何かと親交を重ねて参ったものであります。前日まできわめて元気に活躍しておられた君が、突如として御逝去になったとの報に接し、驚愕おくところを知らなかった次第であります。
小西君は、明治三十五年九月、泉大津市に出生せられました。君は、幼時より貧家に育ち、小学校さえ中途で退学しなければならないほどでありましたが、独立独行、進んで自由労働者の中に身を投じ、実社会を通じて幾多の貴重な体験を重ねられたのであります。
終戦後、君は、政治家となって広く社会民衆に奉仕せんことを志し、昭和二十一年四月の第二十二回衆議院議員総選挙に出馬し、みごと本院議員の栄冠を得られたのであります。自来、現在まで、連続して当選すること七回、在職十四年の長きに及んでおります。
その間、君は、かつては海外同胞引揚に関する特別委員として、当時なお海外に残留していた多数同胞の引き揚げの促進に力をいたし、最近は、大蔵委員として、国民の税負担の軽減に努力したのを初め、国政上の諸般の問題について、多年の経験を生かして熱心に審議を続けられたのであります。よく国会議員の職務に精励された君の功績は、まことに顕著であると信じます。
君は、また、昭和二十五年には、第三次吉田内閣の賠償政務次官に抜擢せられ、戦後の困難な賠償問題の処理に参画せられました。昨年十月にはアメリカに渡り、土木事業を視察し、また、わが国の繊維品輸出市場の実態を調査するなど、政治・経済上の見聞を大いに広めて帰朝されたのであります。
党内にあっては、総務または相談役となって党務に尽瘁し、また、自由民主党の大阪府連合会長として、府下の党勢の拡大に大きな成果をおさめられたのであります
君は、また、郷土大阪において、府民の要望を中央に反映せしむるため、常時、格段の努力を続けて参られました。同時に、大阪府漁港協会会長、大阪府土木建築協同組合理事長等、多くの要職につき、その発展のために党派を超越して目ざましい活躍を示し、各方面の厚い信望を受けておられたのであります。中でも、昭和二十七年に大阪府消防協会が結成されまして以来、今日まで引き続いてその会長の職にあって、消防施設の強化拡充に、消防士の福祉増進に貢献せられたのであります。これは、府民の決して忘れることのできない、君の偉大な功績であると信じます。
小西君は、生来、強固な意思の持ち主であり、常に自己の信ずる道を堂々と邁進するという性格でありました。また、若くして世の辛酸をつぶさになめてとられた君は、すこぶる人情に厚く、逆境にある人に、いつも変わらぬ、あたたかい手を差し伸べておられました。中でも、受刑者並びに刑余者の保護更生には終始力を尽くし、刑事政策の推進に協力されたことは、君の大きな功績と申すべきであります。
君は、また、誠意の人でありました。しかも、度量はきわめて広く、人を信ずること、はなはだ厚かったのであります。近来、とみに円熟味を増してきたその人柄は、温情と相待って、接する人に深い敬愛の念を呼び起こさずにはおかなかったのであります。
小西君は、若いころからほとんど病気を知らぬ健康の持ち主であり、今国会においても相変わらず国政審議に尽瘁しておられました。この君が、病のために突然他界されようとは、私どもの夢にも思わなかったことでありまして、まことに惜しみても余りあるところであります。
顧みるに、小西君は、恵まれない家庭に生まれ、困苦の中におい立ち、ただ自己の努力のみによって人生苦難の道を開拓し、ついに名誉ある衆議院議員となり、多くの人々にその徳を慕われ、その功を仰がれて、最後を飾られたのであります。まさに立志伝中の人物と申さねばなりません。
今日の日本は、内治に、外交に、なお幾多の懸案を擁して、政局の前途はますます多事多難であります。このときにあたり、小西君のごときよわいはまだ六十に満たず、政治家としていよいよその本領を発揮すべき練達の士がにわかに長逝せられましたことは、邦家のため一大損失でありまして、まことに痛恨きわまりない次第であります。
ここに、小西君生前の風格をしのび、その業績をたたえ、もって追悼の言葉といたします。(拍手)
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原子力委員会設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)