植木庚子郎の発言 (本会議)

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○植木庚子郎君 ただいま議題となりました三法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
    〔議長退席、副議長着席〕
 まず、船主相互保険組合法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現行の船主相互保険組合法は昭和二十五年に制定せられたものでありますが、その年この法律に基づいて設立せられた日本船主責任相互保険組合の行ないまする保険事業におきまして、その保険に付し得る範囲は、現行法によりますれば、船舶の所有者または賃借人たる組合員が、その所有または賃借船舶の航海に伴って生ずる事故による費用と責任とに限られておるのであります。従いまして、組合員が他から用船して運送に従事する場合や、船舶の回航を請け負う場合の費用及び責任につきましては、保険に付すことができないのであります。しかるに、最近におけるわが国海運界の傾向としまして、運航船舶の相当部分を用船によっている実情や、新造船、解体船等の回航を請け負う事例も少なくないのに顧みまして、この際、外国の例等にもならい、これらの場合におきましてもそれぞれ保険を付し得るよう、現行法を改正しようとするものであります。
 本案につきましては、審議の結果、去る四月二十六日質疑を終了し、採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案の通り可決となりました。
 次に、厚生保険特別会計法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、第三十一回国会に提出せられ、自来、本院において継続審査となっていたものでありまして、厚生保険特別会計法及び船員保険特別会計法につきまして、それぞれ次のような改正を行なおうとするものであります。
 まず、厚生保険特別会計法の一部改正について申し上げます。
 政府は、第二十二回国会におきまして、厚生保険特別会計の健康勘定における保険給付費の支払い財源の不足を補てんするため、昭和三十年度以降七カ年度間、毎年度一般会計から十億円を限度としてこの会計へ繰り入れ得る措置を講じ、その第一年度たる昭和三十年度においてはこれを実行したのであります。しかるに、その後、本特別会計の健康勘定に別途国庫補助金を繰り入れることになった関係もありまして、昭和三十一、二、三の各年度においては、そのつど法律を改正しまして、この一般会計からの繰り入れはこれを昭和三十四年度以降に繰り延べてきておるのであります。しかして、本改正案は、同様の理由により、昭和三十四年度においても、さらにこれを昭和三十五年度以降に繰り延べようとするものであります。
 次に、船員保険特別会計法の一部改正について申し上げます。
 船員保険につきましても、政府は、第二十二回国会におきまして、療養給付等の支払い財源の一部に充てるため、昭和三十年度以降六カ年度間、毎年度一般会計から二千五百万円を限度としてこの会計へ繰り入れ得る措置を講じ、その第一年度たる昭和三十年度においてはこれを実行したのでありますが、昭和三十一、二、三の各年度においては、前述の健康保険の例に準じまして、この一般会計からの繰り入れを昭和三十四年度以降に繰り延べてきたのであります。しかして、本改正案は、前述の健康保険の場合と同様、昭和三十四年度においても、さらにこれを昭和三十五年度以降に繰り延べようとするものであります。
 本案に対しましては、各派共同提案にかかる修正案が提出せられました。すなわち、本案の成立を前提といたしまして、さらにこれに対する改正を行ないますため、別途、今国会に厚生保険特別会計法等の一部を改正する法律案が提出せられておりまして、その内容は、昭和三十五年度においても、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計に対する前述の財源補てんのための一般会計からの繰り入れば、さらにこれを昭和三十六年度以降に繰り延べようとしておるのであります。そこで、すなわち、この内容をそのまま継続審査中の本案に織り込むこととしようとするのが修正案の趣旨でございます。
 本案並びに修正案につきましては、審議の結果、去る四月二十八日質疑を終了し、採決を行ないましたところ、全会一致をもって修正議決となりました。
 最後に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案によるおもなる改正点は次の二点であります。
 まず、第一点は、御承知の通り、現在、国等と公庫等との間で人事の交流が行なわれておるのでありますが、現行の国家公務員等退職手当法によりますと、退職手当算定の基礎たる勤続期間の計算につきましては、引き続き公務員等としての身分を保有していた期間をもって在職期間とすることとしており、また、退職手当の支給割合につきましては、長期勤続者ほど優遇する建前をとっておりますため、国家公務員等であって、任命権者の要請により途中で一たん公庫等の職員となり、再び公務員等に復帰した者が退職する場合におきましては、退職手当の面で不利益をこうむる結果となっておるのであります。従いまして、今回、こうした場合における退職手当の計算について特例を設け、その不合理を是正しようとするものであります。すなわち、公庫等から復帰した職員が退職する場合においては、前後の公務員等の期間を通算した場合に受けることとなる退職手当の支給割合から前の公務員等の期間に対する退職手当の支給割合を差し引いた割合を当該退職者の最終俸給月額に乗じた額をもって退職手当として支給することにしようとするものであります。
 なお、この特例は本年四月一日以降の退職者について適用することといたしております。
 改正の第二点は、現在、国家公務員等が退職後失業している場合におきまして、すでに支給を受けた退職手当の額が失業保険法に定める給付相当額に達しておらないときは、その差額を当該失業者の退職手当として支給することとし、これが支給事務はすべて公共職業安定所の窓口において実施いたしておるのでありますが、季節的に多数の退職者が同一地域で発生するような場合におきましては、安定所本来の業務の運営が阻害される傾向がありますので、今同、この点について特例を設け、一定の職員につきましては、その者が退職の際所属いたしておりました官署または事務所等でこれを支給することができることとしようとするものであります。
 本案に対しましては、各派共同提案にかかる修正案が提出せられました。修正の趣旨は次の通りであります。
 すなわち、別途今国会で成立いたしました失業保険法及び職業安定法の一部を改正する法律によりまして、職業訓練施設に入所した者等、特定の失業者に対しまして、失業保険金の給付日数を特に延長してこれを支給し得ることとし、また、失業保険金を受ける資格のある者が就職した場合には就職支度金を支給し得ることとするなど、失業保険の給付内容が改正せられましたので、国家公務員等が失業している場合の退職手当の内容につきましても、右に準じて所要の改正を行なおうとするものであります。
 以上の修正案につきましては、国会法第五十七条の三の規定により内閣の意見を求めましたところ、やむを得ないと認める旨の意見が述べられました。
  本案並びに修正案につきましては、去る四月二十八日、質疑を終了し、採決を行ないましたところ、全会一致をもって修正議決となりました。
  なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付すべきものと決しました。附帯決議の内容は次の通りであります。
 すなわち、外地に在職し、引揚げ後再就職した公務員の退職手当算定の基礎となる在職期間の計算については、外地在職期間通算条件につきさらに検討を加えるべきである。というものであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 植木庚子郎

speaker_id: 11068

日付: 1960-05-06

院: 衆議院

会議名: 本会議