賀屋正雄の発言 (予算委員会第一分科会)
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○賀屋政府委員 御指摘の法律的な賠償責任の問題は、民法七百十七条によるいわゆる無過失責任の規定によって、国が公的に損害賠償の責任があるのではないかという点でございますが、その点の判例は、実は私の方でも調査をいたしたのでございますが、今回の事件にぴったり当てはまるような判例は実は見つからなかったのでございます。ただいま御指摘の判例をもう少し私の方で勉強させていただきまして、結論を出したいと思うのでございますが、ただいままで私ども法務省と打ち合わせました結果によりますと、一昨年の赤羽のがけくずれにおきましては、いわゆる工作物の瑕疵によるものではない、こういう結論になっております。がけ地そのものは工作物でないことは、これはまあ常識的に考えましても、当然そういうふうに考えられるのでございます。しからば土どめはどうかということでございますが、もともとこの条文によります工作物といいますのは、土地に接着して人工的な作業をなしたことによって成立したものかということでございます。土どめはその点に該当するわけでございますが、土どめ自体は、もともと危険防止のためにいたすものでございまして、ここに本条でいっております工作物は、他人に対して特に危険を及ぼすような可能性の大きいもの、そういう工作物を持っておった、あるいは所有しておったか、ないしは占有しておった場合に、過失の有無を問わず責任を負わせるという規定でございまして、この土どめ自体は、もともとそういった危険性を防止するために設けたものでございまして、そういった意味合いからいたしましても、ここにいう工作物には該当しないと、法務省とも打ち合わせました結果、そういう結論になっておりまして、ただいまの判例とは、そういった点において多少違うのではないかというふうに解釈しておるわけでございます。