予算委員会第一分科会

1960-02-27 衆議院 全357発言

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会議録情報#0
昭和三十五年二月二十七日(土曜日)
    午前十時二十八分開議
 出席分科員
   主査 早稻田柳右エ門君
      青木  正君    三浦 一雄君
      井手 以誠君    石村 英雄君
      河野  密君    中嶋 英夫君
      横路 節雄君    大貫 大八君
   兼務
     茜ケ久保重光君    田中織之進君
      山本 勝市君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 井野 碩哉君
        大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        総務監理官)  木村 三男君
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        長)      奧野 誠亮君
        総理府事務官
        (自治庁税務局
        長)      後藤田正晴君
        検     事
        (大臣官房経理
        部長)     大澤 一郎君
        法務事務官
        (矯正局長)  渡部 善信君
        法務事務官
        (人権擁護局
        長)      鈴木 才藏君
        大蔵事務官
        (大臣官房長) 宮川新一郎君
        大蔵事務官
        (大臣官房会計
        課長)     牧野 誠一君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      船後 正道君
        大蔵事務官
        (主税局長)  原  純夫君
        大蔵事務官
        (理財局長)  西原 直廉君
        大蔵事務官
        (管財局長)  賀屋 正雄君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  石野 信一君
        大蔵事務官
        (為替局長)  酒井 俊彦君
        国税庁長官   北島 武雄君
 分科員外の出席者
        衆議院参事
        (庶務部長)  知野 虎雄君
        衆議院参事
        (管理部長)  藤野 重信君
        大蔵事務官
        (大臣官房地方
        課長)     根本  守君
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    村上孝太郎君
        大蔵事務官
        (主税局調査課
        長)      川村博太郎君
        大蔵事務官
        (印刷局長)  亀岡 康夫君
        大蔵事務官
        (国税庁直税部
        長)      白石 正雄君
        大蔵事務官
        (国税庁間税部
        長)      泉 美之松君
        最高裁判所事務
        総長      横田 正俊君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局経理局
        長)      栗本 一夫君
    —————————————
二月二十七日
 分科員岡良一君及び河野密君委員辞任につき、
 その補欠として石村英雄君及び中嶋英夫君が委
 員長の指名で分科員に選任された。
同 日
 分科員石村英雄君及び中嶋英夫君委員辞任につ
 き、その補欠として岡良一君及び河野密君が委
 員長の指名で分科員に選任された。
同 日
 第二分科員茜ケ久保重光君、田中織之進君及び
 第三分科員山本勝市君が本分科兼務となつた。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和三十五年度一般会計予算中皇室費、国会、
 裁判所、会計検査院、内閣、総理府(経済企画
 庁を除く)、法務省及び大蔵省所管
 昭和三十五年度特別会計予算中総理府及び大蔵
 省所管
 昭和三十五年度政府関係機関予算中大蔵省所管
     ————◇—————
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早稻田柳右エ門#1
○早稻田主査 これより第一分科会を開会いたします。
 昭和三十五年度一般会計予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管、昭和三十五年度特別会計予算中、総理府及び大蔵省所管、昭和三十五年度政府関係機関予算中、大蔵省所管を議題といたします。これより質疑を行ないます。河野密君。
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河野密#2
○河野(密)分科員 簡単なことを二つほどお尋ねいたしたいと思います。一つは、大蔵省の印刷局特別会計の問題でありますが、この特別会計において、新しい印刷機械を購入することになっておるのでございますが、この新しい印刷機械を購入する目的と申しましょうか、そういう点はどういうところにあるのでございましょうか。
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佐藤榮作#3
○佐藤国務大臣 印刷局の機械は相当老朽化しており、また、最近の日銀券の発行が非常に枚数がふえております。そういう関係で、この要求にこたえるために、機械の整備をしよう、こういうことでございます。
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河野密#4
○河野(密)分科員 印刷局の現在の予算によって見ますと、歳出の面において、職員の俸給というのは、昨年に比べて一億六千八百余万円ふえておるわけであります。これと見合って超過勤務手当が非常にふえておるのでありますが、四億七千万円ほどの超過勤務手当が計上されておりますが、この印刷局の機械の購入によって時間外労働をなくすというお考えでありますか、これをちょっと伺いたいと思います。
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佐藤榮作#5
○佐藤国務大臣 印刷局長からお答えいたさせます。
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亀岡康夫#6
○亀岡説明員 私からかわりましてお答え申し上げます。ただいまお尋ねのございました超過勤務手当につきましては、本年度とほぼ同額計上されておりまして、増額ということはございません。それから機械の購入に伴って超過勤務を少なくする考えかどうかという点でございますが、この機械の購入につきましては、先ほど大臣からお答え申しました通り、日銀券の生産の増加に伴います機械の購入と、従来古くなっております機械を更新する、こういう意味でございまして、それによって別段超過勤務が影響されるという性格のものでございませんので、超過勤務につきましては、従来通り考えております。
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河野密#7
○河野(密)分科員 従業員の方では、こういうように計算しておるようでございます。今度の印刷局でお買い求めになる機械は、非常に性能の高いものである。その性能の高いものでフルに運転するようになれば、現在の超過勤務というようなものはほとんどなくなっていくのではないか。そこでどういう年次計画によってこの超過勤務をなくしていくつもりであるか。現在は少し過重な超過勤務になっておるが、しかし、その超過勤務がどの程度に、たとえば超過勤務が二分の一に減るのはいつになるかというような、そういう年次計画というか、見通しを立てておられるに違いないが、それを一つはっきりしてほしい、こういう要求があるのですが、これはどうでしょうか。
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亀岡康夫#8
○亀岡説明員 お答え申し上げます。ただいま超過勤務を減らしていく計画があるかどうかというお尋ねでございますが、この点につきましては、もちろん機械の購入、人員の増加、こういう問題と関連して考えるべきであるとは存じますが、三十五年度におきましては、先ほど申しましたように、日本銀行券の生産増加に伴う分と、従来の古い機械の更新、こういうものでありまして、来年度におきましては、超過勤務の漸減ということは考えておりません。ただ、将来におきまして日本銀行券の生産数量がどうなるか、また印刷局の定員がどうなるか、これをにらみ合わせまして、超過勤務の問題も考えて参りたい、こういうように考えております。
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佐藤榮作#9
○佐藤国務大臣 ただいまのお尋ねは、今後の印刷機械の交替によって超勤をどうするかという、具体的な計画があるかというお尋ねでございましたが、印刷局長の答弁は不十分でございますが、おそらくまだそこまでの計画ができていないのだ、かように思います。
 ところで、超過勤務という問題は、いろいろ問題がございます。だから超過勤務が定例勤務にならない、いわゆる勤務時間を縮小するということ、これは一つの考え方で、同時に、現従業員の収入にも多分に影響があります。私どもは今日計画をいたしておりますのは、先ほど来申し上げますように、機械が非常に古いために、非能率といいますか、でき上がりの成績が非常に悪い、一ぺんで規格に合わないものが相当出てくるような現状なんであります。しかも、最近の通貨量は非常にふえておりますから、そういう意味から、その方の需要があり、しかも今の機械を使ってはどうもロスが非常に多い、両面で因っている。どうしてもこれは新しくしていかなければならぬ。しかして新しくしていきますと、ただいまお尋ねになりましたように、必ず超勤が順次減っていくだろうし、また当局もそう考えるだろう、これは当然でございますが、私どもただいまのところは、さしあたり機械をかえると申しましても、人員整理の方向ではもちろんございません。しかし、今のように超過勤務が定例になっていることは、労務管理の面から見まして、これが通常の状態だとは考えられない。しかし超勤による収入の増というものもございますから、その辺を十分にらみ合わせて処置して参りたい。ただ、今お尋ねになりましたように、今後どのくらいの期間に超勤をなくしていく計画かと言われますと、まだただいまそこまで持っておらない、こういう事情でございます。
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河野密#10
○河野(密)分科員 日本銀行券の発行がふえておるということは、よくわかっておるのでありますが、新しい機械を入れる趣旨の中に、政府としてデノミネーションの計画があるのではないか、こういうことも一般に考えられておるのでありますが、一時盛んにいわれましたデノミネーションの問題を、印刷機械の方から言うのも変なものですけれども、これはどういうふうにお考えになっているか、これを一つお尋ねいたします。
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佐藤榮作#11
○佐藤国務大臣 デノミネーションの考え方はただいまございません。一時、選挙の当時でしたか、一昨年だいぶん問題が起こりましたが、これに対して政府の態度をはっきり明確にいたしました。基本的に申しますと、使いなれている通貨をかえるということは、よくよくでないとしてはいかぬ、かように考えておりますので、政府の意見は非常にはっきりいたしております。
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河野密#12
○河野(密)分科員 そうすると、印刷機械を更新して、新しい性能の高い機械を入れる、しかも、債務負担行為の方にも機械の購入が入っておりますが、これは決してデノミネーションと関連を持っているものではない、こう考えてよろしいのですか。
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佐藤榮作#13
○佐藤国務大臣 その通りでございます。
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河野密#14
○河野(密)分科員 次に、私は管財局の方にお尋ねしたいと思うのですが、これは管財局長よく御承知のように、一昨年のこの分科会でもお尋ねをし、それから大蔵委員会で両度にわたってお尋ねをした問題でありますが、赤羽の駐留軍のおりました兵器廠の跡のがけくずれ、一昨年の台風で、がけくずれによって死者八名、被害者相当数を出したという問題について、この国有財産の所有主である国家において賠償責任があるのじゃないかということを、たびたび私はここで申し上げたのでありますが、その最後の別れと申しますか、最後の結論は、判例にそういう事実があるならば、国家としても考えるべきものである、管財局長のそういう答弁があった。判例を調べたのでありますが、判例にそれと同じようなのがあるわけであります。賠償責任ありという判例があるわけでありますので、一つ大蔵省の見解を承りたいと思うのであります。これは古いのでありますけれども、大審院の時代の判決でありますが、土地の工作物とその所有者の賠償責任、こういうので昭和三年六月七日の大審院の判決にあるわけであります。「土地ノ工作物ノ設置又ハ保存ニ瑕疵アルニ因リテ他人ニ損害ヲ生シタルトキハ其ノ工作物ノ所有者ハ過失ナキ場合ト錐之カ賠償ノ責ニ任スヘキモノトス」こういうのが大審院の判決の要旨であります。そのあれは、「土地ニ接着シテ人工的作業ヲ為シタルニ依リテ成立セル物」は、すなわち工作物であって、その工作物の瑕疵によって損害を生じたる場合においては、これはその所有者は賠償の責任がある、過失なき場合といえども賠償の責任がある、こういう判例があるわけであります。これに対して、おそらく大蔵当局においてもこういうことは御存じのはずだと思うのでありますが、判例があったならば考慮しようということでありますので、調べました結果、判例があったわけでありますが、これは大蔵当局としてはどういうふうにお考えでありますか。
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賀屋正雄#15
○賀屋政府委員 御指摘の法律的な賠償責任の問題は、民法七百十七条によるいわゆる無過失責任の規定によって、国が公的に損害賠償の責任があるのではないかという点でございますが、その点の判例は、実は私の方でも調査をいたしたのでございますが、今回の事件にぴったり当てはまるような判例は実は見つからなかったのでございます。ただいま御指摘の判例をもう少し私の方で勉強させていただきまして、結論を出したいと思うのでございますが、ただいままで私ども法務省と打ち合わせました結果によりますと、一昨年の赤羽のがけくずれにおきましては、いわゆる工作物の瑕疵によるものではない、こういう結論になっております。がけ地そのものは工作物でないことは、これはまあ常識的に考えましても、当然そういうふうに考えられるのでございます。しからば土どめはどうかということでございますが、もともとこの条文によります工作物といいますのは、土地に接着して人工的な作業をなしたことによって成立したものかということでございます。土どめはその点に該当するわけでございますが、土どめ自体は、もともと危険防止のためにいたすものでございまして、ここに本条でいっております工作物は、他人に対して特に危険を及ぼすような可能性の大きいもの、そういう工作物を持っておった、あるいは所有しておったか、ないしは占有しておった場合に、過失の有無を問わず責任を負わせるという規定でございまして、この土どめ自体は、もともとそういった危険性を防止するために設けたものでございまして、そういった意味合いからいたしましても、ここにいう工作物には該当しないと、法務省とも打ち合わせました結果、そういう結論になっておりまして、ただいまの判例とは、そういった点において多少違うのではないかというふうに解釈しておるわけでございます。
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河野密#16
○河野(密)分科員 どこまでが土どめで、どれからが工作物かというその程度の問題は、非常にデリケートであると思うのでありますが、たとえば、ここに写真がありますが、レールを入れてあるという事実が証明されているし、それからコンクリートの一部が証明されておる、それからその上に排水溝のようなものがそこに設けられておった。その排水溝の残骸も残っておる。こういうような事態で、はだしてこれは工作物でないかどうかということは、検討の余地があると思うのであります。上どめであるから工作物でないとは私は言えないと思うのですが、これはその限界の問題になるのかもしれませんが、私は、これはことさらに大蔵省がこういう点を強弁されることは、少し不本意だと思うのでありまして、人命を損傷した以上は、相当の責任を負わるべきはずのものである。しかも、その保存、それから補修等において非常に遺憾の点があったことは、駐留軍がそこに駐留しておったのでありますから、これはわれわれとしては、非常に遺憾の点が多かったと思うのでありまして、ここに写真もありますから、一つごらんいただいて、この点について十分お考えをいただきたいと思うのですが、いかがでありましょうか。
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佐藤榮作#17
○佐藤国務大臣 去る三十三年九月二十六日だったと思いますが、ただいま御指摘のような事故を不幸にして惹起し、十六戸の民家を破損し、八名の方のとうとい生命を失った。私も大へん御同情申し上げております。ところで、国自身に責任があるかどうかという問題になって参りますと、私どもは、災害をこうむられた方に対しての御同情という問題とは別に、やはり筋のある方法で処理して参らなければならないのであります。先ほど判例もあるじゃないかというお話でございます。無過失責任によるその種の判例があることは存じておりますが、問題は、三十三年に起きたあの災害事故、これにぴったり合うようないわゆる条件が十分整備されているかどうかということが、実は問題ではないかと思います。今、土どめとか排水溝の話が出て、それは工作物であるとかどうとかという問題もさることですが、これが通常考えられるような豪雨において発生したのか、そこに責任があるかないかという問題に、重点があるのではないか、実はかように思います。もちろん、当時の異常豪雨がかかる災害を惹起したということが言えるでありましょうし、かような異常豪雨でも、十分に堅牢な工作物というか、土どめ方法が講ぜられたら、かような災害も起こらなかったであろう、かようなこともいわれるだろうと思いますが、普通民法で申しておりますのは、通常予見し得る範囲のことかどうかというところに、問題があるのじゃないかと思います。私どもも、事柄の性質上、被災者の方に非常に御同情申し上げましたので、何か処置すべき責務ありやいなやということで、学識経験者等を招致して、現地について実情をよく調べたわけであります。結局それらの結論では、異常豪雨に対する設備としては不十分だと思うが、普通考えられる状況の設備としては十分であった、こういうような判定を実は受けておるわけであります。御承知のように、国が賠償をいたします場合においては、国自身やはり国の債務は、それぞれの国民の負担において実はできるものでございますので、ただ気持、感じだけで処理のできないものもございます。そういう意味では、やはり正確を期していかないと、私ども財政支出上の責任もあるわけでございますから、そういう意味で、大へんきゅうくつな話のようなことを申し上げて、いかにも御同情の点において薄いのではないかというような非難もあるのではないかと思いますが、決してそういうものではないことを御了承いただきたいと思います。国におきましては、一応の処理をいたしました。きわめて少額のお見舞いだけをいたしましたが、これは普通考えられる程度のものでございます。責任があるとすれば、もちろんそういうことでは済まないわけであります。ところで、十分責任の有無を最終的に判定するのには一体どうなのだということになれば、これはもう裁判以外に方法はない。そういう場合に、大蔵省自身が訴訟の当事者には今日はならないといいますか、国の代表者というものをはっきりきめまして、そうして訴訟手続をするわけですが、それをいたしますには、ただいま申し上げた、国の歳出が国民負担につながっておるのだ、そういう意味で、いやしくも国の支出に関する限り、はっきりした根拠に基づかなければならない、疑わしき場合に適当にという処置ができない、こういうきゅうくつさのあることを、ぜひ御了承いただきたいと思います。
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河野密#18
○河野(密)分科員 学者の意見を徴したというのですが、学者は、このごろはどうも必ずしも公平な意見ばかりも吐かないのですし、もう少し一つ実情についてちょっと調べていただきたいと思うのであります。これは地元の人たちの非常に強い要望でもあるし、国がこれだけ明確なこと——しかも駐留軍が占有しておったのですから、駐留軍に過失があったことだけは、地元の人は十分認めているのです。そこに排水溝が全く埋まっておったとか、あるいは石炭がらをやたらに捨てたとかいうような問題がはっきりしておるので、ただ土どめであるとか工作物であるとかいうような、抽象的な議論ばかりではなしに、ぜひとも一つもう一ぺん御検討願いたい、こう思うのであります。材料は差し上げますから、これを一つ御検討願いたいと思うのであります。
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佐藤榮作#19
○佐藤国務大臣 ただいまさらに検討しろということでございますから、この点は検討いたします。また、前回、河野議員から、自後の対策について強く御要望されました。そのときにも、私はお約束いたしまして、現地について直接実情を調べ、所要の処置をとるということを申しましたが、その方の工事は順調に進んだ、かように私は考えております。
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早稻田柳右エ門#20
○早稻田主査 引き続きまして、石村英雄君。
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石村英雄#21
○石村分科員 三十五年度の税収見積もりに対して、少しお尋ねしてみたいと思います。これは大臣に御答弁いただければそれに越したことはありませんが、事務当局でけっこうであります。実はこの税収見通しというものは、われわれ野党のしろうとには手のつかないもので、幾らつついてみたってわけがわからないので、従来私はさじを投げておったのです。昨年も少し調べてみたいと思って、いろいろやったところが、やはり経済企画庁が出す国民所得の見通しについても、暦年度、あるいは四半期ごとの三十五年度の予想というようなものでも出していただかないと、われわれには手がつかない、こう考えて、たしか宮川さんが企画庁の官房長でおられたと思うのですが、当時のことですから、三十四年の暦年の見通しを企画庁は立てておるかと、非公式ですが、こう聞きましたら、いやそんなことはしておりませんという話で、それじゃ処置なしだというので、やめてしまったこともあるわけなんです。しかし今年は、そうはいっても調べてみなければならぬと思って、いろいろやってみましたが、やはりわかりません。結論は、ちょうどいいようにも思われるし、過少のような数字も出てくるし、一方では過大な見積もりだというような数字も、数字のとり方によっては出てくるわけなんです。それで私は、今後政府は、来年度からでも、もっとこういう統計について、予測についても、あんな企画庁の三十五年度の見通しという一本でなしに、四半期ごとの見通しというようなものを、また今でいえば、三十四年度の四半期ごとの実績あるいは見込みというようなものを、やはり国会にお出しになる必要があるのではないか、こう考えまして、それはぜひ出しましょうという大臣の御答弁をいただく意味で、お尋ねしたいと思います。まず、適当であると見られる数字から申し上げますと、三十四年度の当初予算編成当時の、三十四年度の国民所得は八兆九千二百八十億円、これに対する一般会計関係の税収、つまり、印紙収入及び専売益金を含めての話ですが、それは一兆二千四百十三億です。そこでこの負担率を見ますと、一三・九%、これに対して三十五年度予算は、国民所得を十兆四千六百億見て、今の専売益金を含めた一般会計の税収と一口に申し上げますと、それは一兆四千七百三十億、負担率は一四・〇八%、わずかながら負担率が高く、〇・一八程度増加いたしております。世間では、この負担率が少し高くなっておるというので、いろいろ論議があるようですが、これは税制を改正しない、減税をやらない以上、所得がふえれば、今まで税金がかからぬ部面にかかってくるというようなこともあって、この程度の増加ということは、減税しないのがいいとか悪いとかという点は別として、当然生まれる増加ではないか、こうしろうととしては考えられる。そうすると、この三十四年度の当初予算編成当時の租税負担率と、三十五年度の予算を今編成されての租税負担率とは、まあ大体似たようなもので、ある程度の増加は、税制改正をやって減税しない以上当然のことで、あまり見積もりに急激な変化はないというように受け取れるのです。そうすると、これは大へん政府の見通しはごもっともでございますという結論になるわけですが、まずこの点どうお考えですか。私のあげた数字から見て、そういう判断が許されるかどうか。所得がふえれば当然税金はかかってくるから、負担率が高くなるのは当然だという解釈が妥当かどうか、お尋ねいたします。
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佐藤榮作#22
○佐藤国務大臣 端的に表現すれば、御説の通りだと思います。先ほど来伺っておりまして、しろうとだとおっしゃいますけれども、とんでもないしろうとで、私自身非常にわからないことが多いのでありますから、御勉強していらっしゃると思います。ただいま御指摘の通りです。税率がそのままであって、所得がふえたといえば、負担率がふえる、こういうことになるのは当然です。
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石村英雄#23
○石村分科員 ところが、これだけでは当然だという結論が出ますが、次の数字から見ると、今度は税収は過小であるという結論が生まれるのです。それはどういう点の数字をあげるかというと、限界租税負担率というような言葉があるかないか、私は知りませんが、つまり、三十四年度の当初予算のときの国民所得の推定が八兆九千二百八十億、それに対する税収が一兆二千四百十三億、一方三十三年度の当初予算の国民所得の見積もりが八兆四千七百五十億、税収が一兆一千四百二十九億、そこで国民所得の増加額を見ると四千五百三十億、一方税収の増加額は九百八十四億、これもそろばん違いがあるかもしれません。その点自信を持って、責任を持ってこうだときめつける考えはありませんが、違っておれば違っておるとおっしゃっていただきたいのですが、そうすると、この四千五百三十億の国民所得の増加に対する税収の増加九百八十四億を割ってみると——それを私は便宜上、限界租税負担率という言葉で言っておるのですが、これもそういう言葉が適当な言葉であるかどうか知りません。そうすると、これは二一・七二%強、約二二%の負担率になるわけなんです。ところが、三十五年度の当初予算に対して、同じように国民所得の当初見積もりというものと、三十四年度の分とを比較してみますと、昭和三十五年度は、国民所得は一兆五千三百二十億増加で、税収は二千二百十七億増加、そこで負担率を見ると一五・一二四%、まあ一五%程度、三十四年度のときには限界租税負担率を二二%弱と見、今度は一五%わずかの強ですが、一五%程度しか見ないということになりますと、三十四年度の当初見積もりのときの見通しが正しいと考えると、二二%が一五%に下がるというのは、三十五年度の税収見通しが過小ではないかという疑問が生まれてくるわけなんです。この点はいかがでございますか。
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佐藤榮作#24
○佐藤国務大臣 だんだんくろうとのお尋ねになりますので、しろうとの私に十分答えられないかと思います。従いまして、詳細は当局から説明させますが、ただいまおあげになりました限界負担率、さらにまた、私ども税でよく使っております弾力性係数、こういうようなものは、ただいま言われますように、国民所得と税との関係で、限界負担率というような言葉を使っておりますが、いわゆる国民所得が出た、課税所得が出たときと、実際に課税をするそのときの時期的なズレ、その他内容的な相違が相当あるわけでございますから、これを一律に申し上げるわけにはいかない。言いかえますと、その単年度だけについてそういう比較をすることは不適当じゃないか。この限界負担率が持ちます内容等から見まして、相当のズレのあることをやはり考えていただかなければならぬのじゃないか、実はかように私しろうとなりに考えております。
 なお、この点は専門家に説明させますから、お聞き取りいただきたいと思います。
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原純夫#25
○原政府委員 補足して申し上げます。限界租税性向とか租税係数といいますものは、非常に興味の多い、また検討しなければならぬ問題でありますが、ある年度から次の年度へという短い期間に使うものとしては、非常に不確かなものであります。これは石村委員も御存じだろうと思いますが、景気の波によりまして、国民所得の伸び、国民総生産の伸びに比較しての税収の伸びというものが、やはり相当大きく変動いたします。その中心は、法人税、申告所得税であって、その税収は生産物価の伸びと違う伸び方をする。われわれこれを所得率と呼んでおりますが、景気の上昇期、下降期における超過的な利潤、その他悪いときにおけるマイナスの現象というものが出て参ります。そういうようなわけで、限界租税係数というものも、長い期間をとりますと、まあ大体一・五前後に参りますけれども、短い期間ではかなりに動く。今も二二という数字がお話があったようでありますが、これはおそらく売買益金をお入れになっておらないと思いますけれども、いずれにいたしましても、二二ですと——大体国税の負担率は、専売益金を入れまして一四%ぐらいでありますから、一・五くらいということになって参りますが、いずれにいたしましても、そういうものを一年の比較、また一年の中での当初予算と補正予算の比較というふうに使ってお尋ねありますと、実はこれは私どもとして、こまかい期間の目盛りを読む者としては、それはちょっと使えないというふうに思っておりますので、大へん重要なことではありますが、むしろ実際に三十四年度の課税原因といいますか、課税対象がどういうふうになっきているかということから読んでいかざるを得ないというふうに思って、やっておるわけであります。
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石村英雄#26
○石村分科員 まあ私の数字に間違いがあるかもしれませんが、実は自分としては、専売益金を入れたつもりです。もっとも、国税である入場税とかなんとかいうものは、一般会計に関係ありませんから、これを除いて、普通の税収と印紙収入と専売益金を入れて私は計算してみたのですが、しろうとのひまひまにやることですから、数字の間違いはもちろんあるかもしれません。なるほど、こういう係数を使う場合には、長期的に見た大勢を見なければならぬということはわかりますが、それにしても、二二と一五とはあまり開き過ぎるという感じがするわけなんです。あなた方の御説明の国民所得というものは、四月から三月まで、税収は、法人税なんか、三月期のものは翌年度にならなければ入らないという、税収のズレがあるということは、もちろん私も今までお教えを願って知っておるわけですが、それにしても、一般的な国民所得との関係というものを見たときに、このように開きがあるのはどうであろうかと、こう考える。私は今、これは過小であるという数字として出てくるのだと申し上げたのですが、実は次の数字は、今度は過大であるという判断が生まれる数字なんです。従って、私は今、これだから過小だとあなたへきめつけておるわけではありません。とにかくわからないのだから、もっとわかるような資料を今後出してもらいたいという趣旨で、お尋ねしておるわけなんです。実は、過大であるという数字の方を調べてみますと、三十四年度の補正予算、また国民所得の推定の改訂、それは九兆六千七百八十億、それに対して税収が一兆三千十一億、これに対して三十三年度の実績を見ますと、国民所得は八兆四千四百八十七億で、税収は一兆一千五百八十一億、そこで国民所得の伸びは一兆二千二百九十三億、税収の伸びが千四百三十億、租税限界係数という言葉で御説明になったのですが、この限界係数を見ますと一一・六%強、これに対して三十五年度の予算及び国民所得を見ると、先ほども申しましたように、国民所得が十兆四千六百億で、税収が一兆四千七百三十億、これに対照する三十四年度の改訂の補正予算並びに改訂の国民所得を見ますと、国民所得は三十四年度の改定は九兆六千七百八十億、補正予算の税収は一兆三千十一億、そこで国民所得の伸びが七千八百二十億、税収入の伸びが千七百十九億で、この限界係数は約二二%、三十五年度は二二%強となり、三十四年度の補正に対して実績との係数は一一・六%、あまりにもこれは高過ぎるのではないか、こういう数字に一応なってくるわけなんです。今度は逆になるわけですね。
 そこでさらに、個人と法人の分配所得と、所得税と法人税とについてそれぞれ見ますと、三十四年度の改訂と三十三年度の実績個人所得、これは勤労、業者、利子所得あるいは賃貸料所得を含めたものですが、三十四年度の改定分と三十三年度の実績との開きは八千六百三十二億、一方税収の伸びは百五十五億二千万円、これは係数は約一・八%、三十五年度の個人の分について、同様政府の資料で見ますと、三十五年度の見通しと三十四年度の改定との伸びは、国民所得は六千七百三十億の伸びに対して税収の伸びは五百六十億四千四百万円、その率は八・三%、三十四年度の場合は一・八%、三十五年度は八%強、法人関係で見ますと、三十四年度が一八%の伸びで、三十五年度は驚くなかれ六〇・七五%と約六一%、非常によけい率が上がってくるわけなんです。何としても片方は、短期間の比較は無理だと申しましても、法人について前年度は一八%、三十五年度は六〇%、まあ六一%と言った方がいいくらいだと思います。こんなにふえるのはどうだろうかという疑問が、短期間とはいえ、出てくるわけなんです。
 それで、あまりこんな論議で時間を長くとってもしようがありませんから、申し上げますが、いろいろこういう矛盾した数字を検討して考えてみたのは、三十四年度の補正予算のときの税収見積もりが少な過ぎるのではないか。それが少ないから、こういう結果になるのじゃないかという結論が一応出てきたわけです。正しいかどうか、それは知りません。そうして、これはおそらく法人税が最も大きいわけですから、法人の三十四年度の所得が伸びるというのは、九月以降が大きい。こう考えると、三月期のものは三十五年度に入ってしまう。だから三十四年度の国民所得で見た法人所得の伸びというものの税収に影響するのは、三十五年度になってしまって、三十四年度には幾らもないから、このように少なく見られたのじゃないか。これはなるべく政府は間違ったことをおやりにならぬという前提で、理由をくっつけてみたわけです。そういうことになってきたのですが、これはどうですか。
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原純夫#27
○原政府委員 いろいろ御勉強いただきまして、私どもも大へんありがたいと思うのであります。一番歳入見積もりの中で大事なところであります。それは租税係数、今のような比率ではじくのが大事だということでなしに、景気の変動に応じて、法人税、それから申告所得税、特に法人税ですが、これが大きく波を打つところを読み取るのが、一番むずかしいという意味において、私どもも年来ずいぶん勉強しておりますが、ぜひ一つ御研究を願いたいと思います。そういう意味で、今第一に、三十四年度の補正の伸び、五年度の伸びのあたりを御指摘になり、さらに第二に、各個人所得税、それから法人税というものを分けての御検討のお話がございましたが、前者について申しますと、やはりそういう比率で私どもは必ずしも見ておりません。そういう比率といいますか、景気の波に応じてどういうふうに所得が動くだろうということは、これは全体的な客観としてチェックいたしますけれども、反面やはりそのものずばり、つまり、九月期の法人の利益がどうなるだろうかということは、千社くらいのものを調べるということにいたしますと、大体法人税の半分くらいは勝負がつくわけです。あと中小のものは数が多いですからできませんが、そういう場合には、千社くらいの大きなものが仕上がりますれば、中小のものについての推定は、よりやりやすくなる。大法人と中小法人との間には、所得の伸びというものがあるので、中小法人には全然データがとれないわけではありませんが、ある程度のチェックをやって推計するというようなことで、つまり、全体的なおっしゃるような検討と、それから個々に積み上げた検討とを表裏させて、見積もりを立てていくわけであります。実際問題としては、九月の決算の実績を見当をつけます場合に、この三月期、四月期、あるいはさらにできれば九月期まであたりの見込みというようなものを、担当の者にはいろいろ聞いてみるわけです。その場合には、三月、四月は、大体暮れくらいまでのところになりますと、会社の経営当局に聞きますと、大体の勝負はわかる。現に御案内のような上場法人についての収益率のなにが、各新聞に出るというような状況でありますから、つまり、積み上げ計算では相当しっかりしたものができるわけです。来年度の税の四分の一以上は、三月期で勝負がつくわけです。その他の月も大体トレンドというものがわかりますので、積み上げ計算が相当確かなものであり得る。そうして、過去の実績に徴しての景気の波と所得の変動の趨勢というようなものをにらみながら、表裏してきめて参るというのが私どものやり方でありますので、いろいろ今のような係数でごらんになりますと、違うなにが出て参りますが、御参考に、過去十年くらいの間で今申された係数を年度別に調べますと、平均は一・五くらいになりますが、高いところは実に二・二になる。低いところはO・一くらいというような変動があるわけです。それだけに限界性向、今の係数でやられるというのは、非常に危険であるというふうに考えております。
 なお、各税について御検討の結果、最後にお話しになりました三十四年度の補正が少な過ぎるというお話、これはまさに御明算の一つのファクターであります。私どもも、三十四年度の収入が、第三次補正でぎりぎり一ぱい見ておるという気持ではございません。昨年の秋の伊勢湾台風のときは、もう一生懸命見たつもりでありますが、その後・九月期の実績が案外よかったというようなこと、その他ずっと来まして、災害の方の減自体は立っているにしても、一方復旧費等でかなり経済活動が、別な意味で活発になったというようなことがございまして、ネットではそう大きく減らないというようなこともあると思いますが、三十四年度第三次補正の額でこれでぴったりであるとは思っておりません。これは、最終のときに財源のあるだけはたいて予算を組むという筋合いのものでなくて、三十四年度に出すべきものを出したということでございます。従って、当然のことでありますが、今いろいろごらんになって、そういう傾向がありはせぬかとおっしゃるのもごもっともと思います。たとえば所得税にすれば、配当その他の源泉関係がいいというような状況が入っておりますから、やはり三十四年度のいわば土台が、もう少し高くなる。従って、三十四年度の率がふえて、三十五年度の率の動きがなだらかになるということはありますが、お願いしたいのは、過去のある実績値をもって、すぐ次の期間はそれで計算するということは、あらましの御見当としてはよろしいのですけれども、それで歳入見積もりの当否を御判断になるという筋合いには、直ちにはならないと思うのです。やはり実際の課税の対象について、その動きをもっとほかでつかみ得るということがあれば、それもお考えになる。今のように法人の収支の実績が明らかにわかるということになれば、そういうような点も十分含んで私どもやっているということを、お考えいただきたいというふうに思うわけでございます。
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石村英雄#28
○石村分科員 そうすると、結局私どもは、大蔵省当局がいろいろ実際を調べられた、それを信用しろということになるわけなんですね。おれの方では一々実績を調べて、来年度の見通しなり、また三月期、あるいは二月の決算のものもあるだろうし、そんなものを一々調べて、積み重ねておるのだから、国民所得で比率を出してどうじゃこうじゃと言うなと、こういうことになるわけなんで、それじゃわれわれは手がつかぬのです。おれはこういうふうに調べて出したのだから間違いありませんぞ、その通りに承認しなさいじゃ困ると思う。それは私たちも、そんな調査機構を持って一々調べれば、それに対してそれは間違いだということはできます。ところがそんなものはこっちにあるわけはありません。やはり国会に出した経済の見通しとかなんとかいうものを、過去の分を拾い集めて、そして対照して見ていって、政府のそういう実績、見通しなりなんなりのお調べになったものと矛盾しないかどうかを見て、論議するよりほかに、かりに論議するとすれば、それよりほかに手がないのです。それは間違いだ、そんなものやっちゃいかぬ、だめだ、こうおっしゃたら、もう国会で税収見通しなんというものは論議する必要はないということになる。それじゃ困りますから、こういう三十五年度の経済見通し——去年は三十四年度の経済見通しというものをお出しになっておる。そしてこの中に、そういう税収と国民所得の時期のズレがあるとすれば、やはりこの見通しも、四半期別とかなんとかいうものを出して、ある程度われわれの方でそういうズレを考えて計算してみるとか、そして政府の見通しが客観的にいいか悪いか、——一銭一厘も違わぬとはだれも言うわけではありません、われわれが要求するわけでもありませんので、大勢においていいか悪いかという判断だけです。かりに国会で税収の是非を論じるとすれば……。もう一つは、明年度の景気がどうだこうだということの論議、それしかありません。明年度の景気というものをいっても、それは今大恐慌でもきておれば、こんな恐慌がきておるのに、お前のは恐慌の前の見通しだから、間違いじゃないかと言えば言えますが、それでなしに、明年は八%ぐらい伸びるだろうと言われたら、そうかもしれぬし、そうでないかもしれぬ、よくはわかりませんというような論議しかできない。過去の実績との対照で論議する。一応政府の三十五年度なら三十五年度の見通しをもとにして、過去の実績等から論議をするという手しか残らないわけです。それが税収のズレがあるから、そんなものをやってもだめだということになると、三十四年度の税収が少ないという前提に立って、それはずれるだろう、こう私も考えたのですが、やはり三十五年度も三十六年度も、同じようにずれ込むわけですね。だから、ズレがあるといっても、それは似たようなものじゃないかという結論、むしろズレは、三十五年度は経済が成長するのだから、よけいずれ込む、こう見なければならない。そうすると、三十四年度分のずれ込みというものは、三十三年度から三十四年度にずれ込んだよりもはるかに大きい、比較にならぬほど大きいのだという数字が出てこないと、なるほど三十四年度の見通しが少ないのもやむを得ぬという判断は生まれない。そこの資料が出てこない。三十四年度の国民所得の関係で、三十五年度に税収がずれるというずれ方は、政府の見通しのように、三十五年度はやはり順調に発展するとすると、ずれ込みは、むしろ三十四年度が三十五年度にずれ込むよりも、三十五年度が三十六年度にずれ込む方が大きいはずなんです。従って、三十四年度が少ないのは、ずれ込みが大きいからだといえば、三十三年度のずれ込みはほとんどない、三十四年度のずれ込みはうんと大きかったのだという判断を下さなければ、政府のおっしゃることがなるほどその通りだという同感はできないわけです。無条件で、黙って無批判に承認しろと言われればそれっきりだ。もちろん手はないのです。もう資料が出ないのだから……。だから私は、今後こういう点の資料を出していただいて、われわれが判断できるようにしていただきたいということをお願いするわけなんです。この点は大蔵大臣どうお考えですか。
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佐藤榮作#29
○佐藤国務大臣 先ほど来のお話を伺っておりまして、大へんよく御研究になっていらっしゃると思います。私どもも、そういう意味では、いろいろの御意見、今後の問題にも非常に参考になる、かように厚く御礼を申し上げます。ところで、問題になりますのは、税の収入は、先ほど来申されたような資料、これが根本になることは当然でありますが、それに景気のズレと申しますか、税収と課税対象の所得との時期的ズレ、そういうもの、これが一番むずかしいところなんでございましょうが、やはり経験が母体になって出てくるだろうと思いますが、そういうものがある。ことに最近の経済は、この三十三、三十四、ことに三十四年に非常な成長率を示しておる。そういうところに大きなズレがきているというのでございまして、それを単年度で云々ができないというのが、そういうところに実はあるわけであります。私考えますのに、先ほど来、適当だという議論も立つし、あるいは多いということも言えるだろうし、また少ないということも言えるというようなお話でありましたが、問題は数字でございますから、意欲を持たないでその数字を積算していただくと、一通りその規模が出てくる。たとえば、先ほど来の石村さんのお話のうちに、三十四年度の税収見積もりは相当まだ余裕があるのではないかという御指摘がありましたが、第三次補正をいたしますまでは、あるいは第二次以後どういうことになるのだろうかというので、ずいぶん心配いたして、もし歳入の見積もりができぬなら、第二次補正に計上すべきものも、実は少し手控える。しかし今日になりますと、第三次補正をいたしましても、十分歳入を確保できるという見当がついておりますが、なお、ただいま言われますように、さらにもう少し三十四年の歳入があるだろう、こういうようなことも言えるだろうと思います。何にいたしましても、一兆三千億というような大きな数字でございますから、それはきわめてぴったり合わすということはなかなか困難なことだと思います。ある程度変動のあることはお許しを得たいと思います。三十三年の決算では、たしか二十一億程度の赤字が出たと思います。こういうことがあってはまことに困りますが、それにしても、一兆一千億以上のそのときの税収でございますから、その二十一億とか二十二億とかいう金額、これはパーセンテージにすればきわめて小さいわけです。比較的この税の見積もりというものは、そういう意味で正確なものが生まれつつある、かように私どもは考えております。問題は、私どもが何か意欲的に税収の見積もりを手かげんするというようなことがあれば、それこそいろいろ大きな波紋を描き、影響をもたらしますから、これは厳に慎まなければならぬ、かように考えますが、意欲的でなしに、ただいま言われますような基本的な数字、さらに最近の経済の変動というものを加味して考えていく。最後のところは、ある程度経験がものをいう、こういうものもございます。しかし、先ほど来御議論なさいました点は、それぞれ私は十分傾聴すべきポイントだ、かように考えております。私どもが予算の歳入の御審議をいただきまして決定いたしますと、今度歳入状況を、月々にどういうように入ってくるか、それを実は絶えず注意いたしておるわけであります。将来の三十五年度の歳入を第一、第二、第三、第四と四半期くらいに分けて、そういう資料は出せないかというお話でございますが、ただいま申し上げる会社の決算その他の問題等がございまして、なかなか第一、第二、第三、第四と四期に分けることは困難かもわかりませんけれども、大まかに今予算ができ上がってしまうと、今度は月々にどういうような予定になるだろうかということは考えられることでございますから、全然できない数字ではございません。しかし今日ただいま、そういう資料を出せと言われましても、それまでの用意はないと思います。そういうような今後税収の適否を判断する上に必要な基礎的資料については、私どもの方もできるだけ努めて御審議に便するように協力したい、かように考えております。
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