近藤晋一の発言 (商工委員会)
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○政府委員(近藤晋一君) 外務省は、もちろんその職務の上から申しまして、日本の内外の情勢を海外によく理解させ、啓蒙するという仕事を持っておるわけであります。御説明するまでもなく、日本の内外の情勢を知らせるということは、何分非常に広範な分野に及ぶわけであります。日本の政治、経済、産業あるいは外交、文化、非常に広い面に及ぶところであります。ただいま御指摘になりましたように、日本の産業あるいは商品等を知らせるということも、その前に相手国が日本全般につきましてよく理解し、日本に対する好意を持つということが一つの前提にもなろうかと思います。と申しましても、われわれが努力しております対外啓発、宣伝におきまして産業あるいは貿易の面を決してないがしろにしているわけでないわけでありまして、重点の一つとしてやっておるところであります。もちろん、外国におきます海外活動はいろいろの方法があるわけでございますが、何分在外におきましてそういう活動をいたしますためには、まず日本の中におきまして、たとえば外務省なりあるいは通産省その他の関係の官庁等の協力を得まして、在外においてそういう啓発活動を行なうための素材というものを十分に提供する必要がある次第でございます。もちろん、予算等の制約から、決してわれわれはそれが十分に在外公館に提供されているとは申しませんけれども、予算の範囲内におきまして、また外務省自体の予算だけではなくて、関係の官庁、たとえば通産省とかあるいは通産省と密接な関係にございますジェトロとか、こういうような各関係機関の予算に基づいて作成された素材を外務省に提供され、あるいは外務省に必要があれば、たとえばジェトロで作りました映画を買い上げて、そうしてさらには、そういう官庁関係のみならず、民間の各会社等がそれぞれの立場で自己の対外宣伝のために作っております映画等も提供を受けまして、できるだけ在外に適当な素材を与えることによって活動をやっているところでございます。
ただいま外務省としてどういうことをやっているかというお話でございますので、少し長くなりますが、御説明させていただきますと、まず、そういう意味の素材を与える面の活動におきましては、まず出版物による啓発ということが考えられるわけでございます。いろいろ出版物の種類もございますが、私の方としまして一つ重点を置いておりますのは、東京におります外国の各大使館も、すべて各国でやっていることでございますが、いわゆるインフォメーション・ブリティンと申しますか、定期的に出して海外に配付するものでございまして、現在、外務省におきましては、インフォメーション・ブリティンというものを本省におきまして、月二回作りまして、これを在外公館に送りまして、在外公館が、それぞれの国の実情に応じてこれを再編集いたしまして、それぞれの国の言葉に直しまして、これを配付しております。現在、このインフォメーション・ブリティンというのは、約十四カ国語に直されまして、一回の発行部数の総数が七万程度に及んでおります。これを作ります場合にも、単に日本の文化とかそういう面だけではなくて、日本の産業の新しい分野であるとか、あるいは日本の科学、日本の医学での新しい分野、そういうような問題につきましても、関係の官庁等から、適当な機関から資料を受けまして、編集をいたしまして、出しているわけであります。
さらに、いわゆるパンフレット類をいろいろ外務省でも作っておりまして、この外務省で出しますパンフレットは、一応日本全体の姿を知らせるということを重点に置いております。しかしながらこれだけでは不十分でございますので、産業経済等についての紹介のものは、各省が出されているものあるいは民間において出されている適当なものを寄贈を受け、あるいは買い上げて海外に配付しているところであります。一、二の見本を持ってきておりますので、後ほどお目にかけてもよろしいと思います。
また、そういうような出版物だけではなくして、やはり最近は、各国とも視聴覚と申しますか、目を通してその国を理解するというのが一番早手回しであり、かつ効果的でございますので、写真とか、スライドとか、あるいは特に映画による啓発という点も、外務省として重点を置いております。たとえば写真は、日本の国民生活とかあるいは産業の状況等の写真を作りまして、海外の新聞社その他等に配付する措置をとっております。これにつきましても見本を持って参りましたので、後ほどごらんいただきたいと存じます。映画でございますが、これはわれわれとしましても非常に重点を置いているところでありまして、単に映画を海外で映すのみならず、その国でテレビ等が発達している場合には、テレビを通じてこれを上映してやっていくということでございます。外務省におきましては、昭和三十二年に、初めて映画の関係の予算が約千五百万円つきまして、その後漸次ふえて参りまして、三十五年度予算では、ちょっと正確な数字はあとで申し上げたいと思いますが、六千四百万円ばかりの予算がついております。この映画につきましても、外務省自体で作っておる映画は年間二本ないし三本でございますが、外務省としましては、先ほど冒頭に御説明しましたように、日本の国情全般を知らせるということを一応考えておるわけでありまして、しかしながらそれだけでは日本の経済、産業等の紹介には不十分でございますので、ジェトロで作ります映画でございますとか、あるいは民間の会社等が作ります適当な産業映画等の寄贈を受けて、あるいは買い上げて、これを在外公館に配布しております。現在在外公館に対して配布しております総数は約二千六百本に上っております。これはまだまだ各国の例から比べますと非常にわずかな数であることは言うまでもないわけでありまして、われわれとしましては、今後ともこの映画の配布数を、関係方面の協力を得ましてふやしたいと考えております。そこで映画の六千四百万円。三十五年度の予算につきましてその内訳を申しますと、外務省自体が作るか、そのコピーを作るための予算が二千八百万円ございまして、それに対しまして映画の適当なものを買い上げるための予算は、それより多く、三千万円ございます。この区分けからも一応御想像願えますように、外務省だけでは産業経済だけの特定な部門について映画を作るだけの余裕はございませんので、こういうふうにして適当なものを買い上げて海外に出しているということをやっております。御参考までに申し上げますと、昨年度予算によりまして九百四十五本でございます。この中でさらに内訳を作りますと、外務省が作りましたものに基づいてコピーをとりまして送りました映画の本数は百二十本でありまして、購入をいたしました——適当な、ジェトロ、あるいは観光協会、あるいは民間のものを買い上げて送りました本数が総数六百四十八本でございます。さらに寄贈を受けました数は総数百四十本、そこで当委員会においておそらく興味をお持ちになると思いましたので、一応調べて参りましたことを申し上げますと、購入映画のうちでいわゆる純粋に産業紹介の映画というものは、六百八十四本のうち約百五十本でございまして、その百五十本の中にはジェトロから買い上げましたものが十種、八十四本ございます。さらに寄贈を受けました映画の百四十本の中で純粋に産業映画と考えられるものは六十八本ございまして、この中でジェトロから産業映画等の寄贈を受けましたのが九種、三十二本、こういう状況になっております。