岸信介の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(岸信介君) 御指摘のように、今日、東西両陣営の対立、特に共産陣営が強力なる軍事力を持って、本来の無防備である世界を共産化そうという一貫した方針のもとに、あらゆる施策がとられておる際におきまして、日本の国内に対して、これらの国々からいろいろな働きかけが起こるということは、当然の予期しなければならぬことであります。そうして日本自体がそういうことに対して十分なそういうことを阻止するような国内の体制ができておるかと考えてみまするというと、まことに遺憾の点が少なくないと思います。先ほども御質問にお答え申し上げましたように、第一は、やはり国際情勢、ことに東西両陣営の対立の現状、その世界政策としてとっておるところの手段、いろんな戦略なりというものに対して、十分な認識を国民に与えることがまず基本として考えられなければならぬと考えます。さらに今御指摘のありましたように、今回のこの新しい安保条約におきましては、経済条項とともに政治条項もございまして、われわれは、あくまでも人間の自由と尊厳を基調としておる自由民主主義の立場を堅持して、これは日米両国ともそうでありますが、そういう意味において、さらに両国の福祉を増進していくために協力するということを明らかにいたしております。この点において、いろいろなお互いが情報を交換し、またこれに対する措置等に関しまして時々話し合いをして、この冷戦下における国内撹乱的な事態に対処して参るということが必要であろうと思います。従来も御承知のように、日米の間におきましてはそういう点に関するある程度の協力も行なわれてきております。しかし、さらにこの問題は国際的な規模においてそういういろいろな働きかけがあり、東西の間の冷戦関係におけるいろいろな戦術が行なわれるわけでありますから、国際的な規模において日米の協力すべきことも少なくないと思います。これらについては一そう協力関係を深めていくと同時に、他面におきましては、やはり国政の指導の基本方針というものをはっきりと政府としても樹立して、これに基づいて内政上その他諸般の施策を行なって、今まで指摘されたような事態を未然に防いでいき、また国民自身が十分な認識を持って対処するように諸施策を進めていく必要があると、かように考えております。