杉原荒太の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○杉原荒太君 ただいま総理の言われるように、対外施策の面はしばらく別にしても、国内施策の面だけでも、たとえば情報及び啓発、すなわち広報関係対策、治安対策、防衛に関する間接侵略防止対策、文教政策、公務員制度その他占領下諸制度の問題、むろん民生の安定、社会不安の防止のための各施策、その他国政の各般にわたって深刻に考えていかなければならぬ面が少なくないと思う。政府の深甚な考慮を要望して先に進みます。次に新条約締結と対ソ外交との関係についてお尋ねいたします。全般外交の上から見まして、日米新条約の締結に伴う最も大きな外交課題の一つは、対ソ関係を今後どう持っていくかということであると思う。
それにつけても、まず第一にただしておきたい点は、新条約と日ソ共同宣言との関係であります。日ソ共同宣言においては、両国関係を規律する指導原則として、国際紛争を平和的手段によって解決すること、武力の使用及び武力による威嚇を慎しむことを掲げておる。また両国はそれぞれ個別的及び集団的自衛権の権利を有することを確認し合っておる。もともと日ソ共同宣言は、日米間に安保条約が存在することを前提として、ソ連側も明らかにこれを認めた上ででき上がったものである。しかも新条約は旧条約の不合理の点を改めて、独立国としてのわが国にふさわしいものに引き直すということを主眼としておるものである。ソ連側が旧条約の存在はこれを認めず、新条約の締結には反対するというが、その特別の理由は一体どこにあると政府は見ておられるのであるか。また、日米新条約の内容のうちで、日ソ共同宣言に掲げられた諸原則と両立しないようなものがあるのであるか。また、新条約の運営について、日ソ共同宣言に定められた原則に違反するようなものがないということをはっきり言い切れないのか。さらに、およそ対ソ関係を危うくしてわが国の対外的安全はあり得ないと思う。さらにまた、共産主義的破壊工作に対する国内政策とソ連に対する外交政策とを混同して、大局の破綻を来たすようなことがあってはならぬと思う。日露戦争後において、わが国の安全を維持するために、われわれの大先輩たちは、一方において日英同盟を根幹としながら、他方においてロシアとの関係を破綻に導かないために、周密なる外交施策について苦心惨たんいたしました。国の大事を思う者の当然なすべきところであります。日米安保条約の締結にあたって、政府は、今後対ソ外交についていかなる方針をもって当たらんとせられるのか。その点をはっきりとお示し願いたいと思う。