藤山愛一郎の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま御質問のありました第一点の、アメリカ軍が日本の基地から出る場合、あるいは国連軍の場合には、お話の通りでございますが、米韓、米台、米比条約等による問題につきましてお答えいたしたいと思うのでありますが、前提としまして、米韓、米台条約あるいは米比条約——韓国の場合はちょっと別でございますけれども、米比、米台条約において、ともに国連のメンバーでございますし、台湾は国連の安保理事会の理事をいたしております。従って、アメリカ・フィリピンの条約の関係におきましても、あるいはアメリカ・中華民国の関係におきましても、国連憲章五十一条の武力攻撃があった場合でなければこれが発動しないことは、これはもう前提として明らかなことでございます。その場合におきまして、現実にそれではフィリピンなり何なりに他国から武力攻撃があった、フィリピンが自衛権を発動する、またフィリピンの自衛権発動に伴いアメリカが集団的自衛権を行使する、こういう防御的な性質のものであることは、これまた申すまでもないのであります。同時に、国連憲章の規定、今回の日米安保条約と同じでございますが、そういう武力攻撃があったときには、直ちに安保理事会に通報いたしまして、そうして安保理事会もしくは総会の決定に従ってその後の処置をいたすわけでございます。それでありますから、前提として私どもはそれを考えますときに、たとえば米比条約において、フィリピンが武力攻撃を受けた場合に、アメリカがこれと共同防衛の立場をとりましても、直ちにとった措置か国連に通報されるのであります。従って、その後に起こりますアメリカとフィリピンの行動は、国連の決議に従って行なわれるわけであります。あるいはこれを取りやめることになり、あるいは国連の承認を得てこれを強化していくということになろうかと思います。でありますから、そういう前提から考えまして、日本におきますアメリカ軍が、日本の基地から何らかの形でもって直ちに不当に戦争に参加するということは、前提としてあり得ないことだと思います。しかし、そういうような、日本の基地から何か参加するというような場合があります場合において、日本とアメリカの今度の条約におきましては、御承知の通り、日本の基地を作戦行動に使います場合には、事前協議があるわけでありまして、その事前協議は、日本の平和と安全を主眼とし、そうしてそれを保持する、極東の平和と安全を考慮いたすことであります。日本が直接安全に影響の少ない場合等を考慮して、事前協議の活用をいたすわけであります。でありますから、そういう見地から考えましても、日本がいたずらに、何か極東に起こりますときに、直ちに戦争に参加するということは、いわゆる巻きこまれるというような形で行なわれることは全然ないのでございます。また韓国の場合は、現に国連の決議によりましてアメリカに委託をいたした、国連決議に基づく国連軍が存在をいたしておるのでございまして、何か不当な韓国に対する侵略がございますれば、武力攻撃がございますれば、米韓条約も発動いたすと思いますけれども、同時に国連軍としての活動が継続をすることになるわけであります。国連に対する協力につきましては、われわれできるだけ国連のメンバーとして、国連の平和維持に努力をして参らなければならぬことも申すまでもございません。ただ、その場合におきましても、日本におきますアメリカ軍というものが、それに直接参加するかしないかは、日本の事前協議によってきめることになるわけでありますから、日本がいたずらに戦争に何か巻き込まれるということは、全然考える必要のない、また問題にならぬ点でございます。

発言情報

speech_id: 103414961X00619600611_016

発言者: 藤山愛一郎

speaker_id: 10389

日付: 1960-06-11

院: 参議院

会議名: 日米安全保障条約等特別委員会