苫米地英俊の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)
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○苫米地英俊君 私は参議院でこの修正権の問題についてどういう結論に達するか存じませんが、今法制局長官の言われた言葉に従って条約を取り扱っていくのが正当じゃないかと考える次第であります。これに関連いたしまして、条約の第十条に、条約の有効期間がきめられております。条約の有効期間十年は長過ぎる、こんな危険な条約で十年も縛られるのは国民としてたえられない、こういう議論が今でもあります。一年の予告で解消し得るように修正すべきだ、そのくらいの修正は重大な問題じゃないから当然できることだというような議論があります。そしてこれに同調する人々が保守系の人々の間にも相当あるように考えるものであります。で、一年の予告を正当化するために、これまですでに野党によって引用せられたのは、米比、米緯、米華、アンザス等の諸条約であります。これらはすべて一年の予告で解消することができるようになっておる、こういうふうに申しておりますが、私は、これらの条約と新安保条約との間には非常な差異がある、根本的に違っておる、このことがまだ明確に打ち出されて国民に徹底されておらないように感ずるのであります。その根本的の相違というのはどこにあるかと申しますと、先ほど申しましたような条約は、すべて永久条約である。無期限である。永久条約であって無期限であるがゆえに、一年の予告ということが、一つの条約を終了させる上において必要になってくるのである。日本のは十年と切ってあるのであるから、そういう必要はまずないと私は考えるのが一つであります。もう一つは、米国と日本との間には会計年度のズレがあります。従って、お互いに協力し、運営していくために、このズレのためにより多くの時間がかかる、次の年度にかかるというようなことがありますので、また、この安保条約が翌年どうなるかというようような危惧を持っておりましては、民間人がいろいろの企業的な計画を立てる上にも非常な困難を生ずるだろうと思うのであります。国と国との間においても、民間人の間においても、一年予告ということでは非常な不便がある。さらにまた、安保改正絶対反対を唱えております共産党員と名乗らない共産党員のすこぶる多い日本におきましては、一年の予告ということになっておれば、年がら年じゅう、毎年々々安保条約反対闘争を繰り返して、政局の混乱は絶え間ないと考えられるのであります。私はこの意味から申しまして、十年は適当だと思うのでありますが、外務大臣から、このアメリカの極東における諸外国との締結の条約と日本の条約との間に相違があることを、私の考えが間違っておるかどうか、その点をはっきりしていただきたいと思うのであります。