藤巻吉生の発言 (農林水産委員会)

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○政府委員(藤巻吉生君) 臨海地域開発促進法案という法律案は、実は政府提案ではございませんで、議員提案でございますので、私どもから提案の理由等を御説明いたすのは筋が違うと思いますので、法案の内容で私どもが御説明でき得ます点につきまして、概略御説明いたしたいと存じます。ただ資料といたしましては、提案の理由を書きましたものがお配りいたしてございますようなので、これに基づいて御説明いたした方が便宜かと存じますので、そうさしていただきます。
 そこに書いてございますように、最近のわが国経済の伸長発展と人口の増加の勢いは大へん急激なものがございます。そこで工業用地、公共用地その他、いろいろ土地に対する利用が急にふえてきております。そこで、その結果といたしまして、適地がだんだんと減ってきておる。土地の価格はだんだんと上がってきております。土地を取得することも非常に困難になってきておる、こういうような状態でございますので、臨海地域における公有水面の埋め立て等によりまして新たに土地を造成いたしまして、そこに大いに産業を興し、その他土地を利用して参るということが必要ではないかというふうに考えられておるわけでございます。数字で申し上げますと、今後およそ十年間の土地の利用といたしましては、工業用地として約一億坪、住宅用地といたしまして約一億二千万坪、それから公共用地その他といたしまして一億四千万坪ばかりが必要になるものというふうに推定されるわけでございまして、合計いたしまして三億六千万坪程度の土地の需要が今後十年間に新たに起こって参るというふうに推定いたしております。で、そのうち臨海部に対しまして土地の需要があると思われますのが、工業用地として八千万坪、それからそれに伴いまして住宅、公共用地その他として三千五百万坪、合計いたしまして一億一千五百万坪程度が、海に面しました地域におきまして土地を造成いたさなければならないような関係になっておるわけでございます。で、この法案は、そういうような臨海部における土地の造成を計画的に行ないまして、現在行なわれているようにばらばらに、小刻みに埋め立てが行なわれ、せっかく埋立地ができましても、これに伴って必要な関連諸施設が整備されないで、せっかくの埋立地がなかなかうまく利用されないというような状態にならないように、しっかりした調査と計画のもとに臨海地域の土地造成を促進して参ろうと、こういうのがこの法案の趣旨でございます。
 それから法案の内容に入りますが、お配りしてございます資料の二枚目の紙に書いてございますように、第一に、政府は、臨海開発区域の指定及び基本計画の策定の円滑な実施をはかるため、必要な基礎調査を行なわなければならないものといたしまして、その結果については、これを尊重しなければならないということにいたしておるわけでございます。従来、いろいろな土地造成の事業が行なわれておりますが、どういうような土地の利用をはかるかというような問題やら、そのほかこれに関連いたしまして、どういうような施設が必要であるかというようなこと、あるいは、その他実際の埋め立てを行なう場合に地質の調査等も必要でございますが、そういうような基礎的な調査が行なわれておらないために、せっかく造成いたしました土地もうまく使われないというようなこともございますので、この法案では、臨海開発区域の指定あるいは基本計画の策定のために必要な基礎調査をしっかり行なうということを規定しておるわけでございます。
 それから第二に、この法案では臨海開発区域というものを指定いたしまして、その区域に土地を造成するということになっております。この区域の指定については、内閣総理大臣が臨海地域開発審議会の審議を経てこれを行なうこととなっておりまして、その審議会の審議の際には、あらかじめ関係都道府県知事の意見を聞き、これを尊重するとともに、最終的には閣議の決定を経るようになっておるわけでございます。
 それから第三に、さような手続によりまして、内閣総理大臣が臨海開発区域の指定をいたしました場合には、関係各大臣と協議いたしまして、臨海開発基本計画というものを作るわけでございます。で、この計画を立案いたしましたならば、臨海地域開発審議会の審議を経て、閣議の決定を求めることにいたしております。その審議会の審議にあたりましては、区域の指定の場合と同様に、関係都道府県知事の意見を聞き、これを尊重するということにいたしております。そこで、この基本計画はどういうものかということを法律にうたってございますが、土地の造成、利用及び関連諸施設の整備に関する総合的な計画の基本事項について定める、こういうことになっております。なお、これらの関連諸施設と密接不可分の関係にある、臨海開発区域以外の諸施設につきましても、必要に応じて基本計画にこれを含めることができるということにしておるわけでございます。
 それから第四に、基本計画の円滑な実施をはかるため、この法律と現行の関係法規との調整につきまして規定をいたしております。特に都道府県知事が行なっております公有水面の埋め立て免許につきましては、現在小面積の埋め立ては都道府県知事が独自で免許を行なっておりますが、これを所管大臣の認可を得て免許をいたす、こういうようなふうに規定をいたしておるわけでございます。そのほか国土総合開発計画、首都圏整備計画その他各種の法律に基づきます特定地域の計画と、この法律に基づく臨海開発基本計画との調整につきましては、内閣総理大臣がそれぞれ関係審議会等の意見を聞いて調整をいたすということにしておるわけでございます。
 それから第五に、損失補償等について規定いたしておりますが、埋め立て等の事業の実施によりまして損失を受けるものがあります場合においては、事業を実施をいたして損失を受ける者に対して公正な補償をしなければならないということにいたしております。なお、その補償と相待って行なうことを必要とする生活再建等の措置を講じなければならないということにしておるわけでございます。
 それから第六に、この法律の実施にあたって、関係行政機関の長等の方面におきましては、この法律の実施に協力しなければならないということを規定いたしておるとともに、政府は基本計画の実施に要する資金の確保をはかり、かつ、国の財政の許す範囲内において実施を促進することに努めなければならないという規定を置いてございます。
 それから第七に、総理府に臨海地域開発審議会を設置し、その所掌事務、組織その他所要の事項について規定をいたしております。特に組織につきましては、臨海地域開発審議会の重要性にかんがみまして、関係大臣、国会議員、都道府県知事、学識経験者等の方々をもって委員とすることにいたしております。
 その他附則におきまして、内閣総理大臣が都道府県知事の意見を聞く場合の経過措置の規定を設け、あるいは総理府設置法、経済企画庁設置法及び北海道開発法等につきまして必要な改正を行なうことといたしておるわけでございます。
 概略を申し上げますとさような内容になっておるものでございます。なお詳細は御質問に応じましてお答えいたしたいと存じます。

発言情報

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発言者: 藤巻吉生

speaker_id: 31004

日付: 1960-05-19

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会