岸信介の発言 (本会議)

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○国務大臣(岸信介君) 民主政治の正しい発達のために、民主的に設けられた法律秩序を守っていくということが根底でなければならぬということをかねて申し上げておるのでございます。しかして、そういう場合において、この日本の民主主義を基本としておる憲法を守っていくということが絶対に必要であるということは、これは言うを待たないことであります。私自身もそういう強い決意のもとに政治を行なっていく考えでございます。
 社会的な不安について、いろいろ最近における大衆運動や、その他の行き過ぎについて私が警告したことに対して、やはりその背後におけるところの社会不安を取り除かなければいかぬじゃないか、政治に対する不信を除き、また生活上の不安を除くようにしなければならないのじゃないかという高田議員のお話は、私もそう思います。われわれがこの三十五年度の予算におきまして、一方、国土の保全に重点を置くと同時に、社会保障制度の拡充に特に重点を置いて予算を編成しております理由もそこにあるのであります。
 さらに、政治に対する信頼を確保するためには、公職選挙法に関するもろもろの問題についていろいろ御意見もございましたし、また御質問があったのでございますが、私は、やはり民主政治ということの基本として、政治の公明を期し、国民の信頼を得るためには、選挙自体についてわれわれは常に意を用いていかなければならぬと思います。従って、公職選挙法の建前や、あるいはその運営につきましては、常に選挙が行われますに関連して平素から公明選挙が行われるような運動を進めるとともに、選挙についての違反やその他についは、公正な立場でもって公明選挙が行なわれるように努力をして参っております。また、最近の情勢にかんがみて昨年十一月に、選挙制度調査会に対して、公明選挙の確保についての意見を諮問し、その答申を得ておりますので、その趣旨を尊重して、法の改正を立案いたしております。自治庁長官より詳しくお答えを申し上げます。
 また、この問題について、選挙違反の恩赦についての御意見でありましたか、もちろん恩赦ということは、御承知の通り裁判によって言い渡された刑を赦免するとかあるいは軽減することか刑事政策上妥当であるという場合に、これが行なわれるのでありますか、この問題に関して、特に公職選挙法違反のものをこれから除くという御意見もあるようでありますが、私は、やはり一般の犯罪の場合に、そういう刑事政策上妥当であり適当であるという考えから、これは行なわるべきものであって特に選挙違反のものだけを除くことは適当でないのではないかと、かように考えております。また、公職選挙法に関する裁判を早くやるとか、あるいは連座制の問題を公正に適用していくということは、これは当然考えなければならぬことだと思います。
 教育制度の問題について御質問でございましたが、言うまでもなく、教育基本法や、あるいは憲法の精神にのっとって民主的な教育を行なって、将来、青少年が成人して、民主的な、また平和福祉国家を作る構成員として適当な教養を学校において与えるように、また、社会において与えるように、学校の教育や、あるいは社会教育というものを、内容においても運営においても考えていくということが根本の考え方でございます。
 さらに、老齢及び母子の問題に関する御質問でございます。私も施政演説にも特にそういう点に触れて一言いたしておるのでございますが、三十五年度の予算におきましても、特にその点についてはわれわれ留意いたしまして、社会保障全体の費用を大幅に増額一すると同時に、国民年金についてのいわゆる老齢福祉年金や、あるいは母子年金、あるいは障害福祉年金というようなものが、本年四月から全年度にこれが拡大されることになりますし、また、明年よりは拠出制の国民年金制度を実行するというような、社会保障制度の拡充によりまして、こういう恵まれない人々に対する一そうの国家的な援助を進めていかなければならないと、かように思っております。(拍手)
   〔国務大臣石原幹市郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 103415254X00519600204_004

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1960-02-04

院: 参議院

会議名: 本会議