藤山愛一郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(藤山愛一郎君) 対共産圏外交をどういうふうにして進めるかというようなお話があったと思います。私どもは、信条の異なる国といえども、むろん共存の道を平和的にたどりますことは必要だと考えておるのでありまして、その立場から申しまして、共産圏の国々といえども国交を回復すべきものには回復をする手続をとっておるのでありまして、御承知の通り、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー等とは昨年の秋に国交の回復をいたしたような状態でございます。なお、ソ連との外交の関係につきましても、われわれは貿易の拡大というような問題については、できるだけ両国のために進めて参らなければならぬのでありまするから、今回の貿易協定の改定にあたりましても、ソ連側が長期な貿易協定を望んでおりましたので、われわれも今回は従来の一年の協定をやめまして、三年の期間に継続するような協定にいたし、なお、延べ払い等の問題についても、できるだけ日本の金融事情の許す限りにおいてその方途を開いていくことで、ただいま協議をいたしておりましておよそ一、二週間のうちに円満にこれらの協定が締結されることになろうと思うのでありまして、われわれは、ことさらに共産圏であるからといって特に何らかの前提観念を持って扱ってはおらないのでございます。
中共との関係につきましては、われわれといたしましては、できるだけ今後とも友好関係をお互いの立場を持ちながら進めて参りますことは、これは当然のことだと思うのであります。ただ、この関係におきましては、歴史的ないろいろな状況もございますし、また国際情勢の中におけるいろいろな環境もございます。また、先般申し上げましたように、中共側におきますいろいろな誤解、あるいはそういうような点もあるようにわれわれは思うのでありましてわれわれとしては、そういうことを十分考えながら、将来にわたっては、中国大陸における中華人民共和国の持っている位置というものを認めながら問題を展開していくという立場にあるわけでございます。
次に、朝鮮戦争の場合における御質問でございました。現に吉田・アチソン交換公文がございまして、国連の決議によりまして国連軍を日本が支持することになっております。今後とも国連加盟国の一員として、国連の決議に従って参りますことは当然であると思うのでありまして、それらの点についてはできるだけ支持と協力を惜しまないようにいたして参るわけでありますが、しかし、日本におります国連軍としての米軍も、新しい安保条約の規定の適用を受けることは、これは当然今回の条約改定でそういうふうになっている次第でございます。
次に、事前協議の問題でございますが、協議が成立するためには意見が一致ずるということは当然のことだと思うのであります。特に今回特定の問題に関しまして事前協議という言葉を使いましたのは、この事前協議そのものが、事前に協議をするということは、その協議がととのって一つの意思が決定されなければならないことなんでありまして、そういう意味においてわれわれは事前協議という言葉を使っておるわけであります。従って、意思の決定の際には日本側のイエスもノーも十分に入るわけなんであります。そういうことで、日本がノーと言いますれば、そういう協議がととのわないことになるので、その意味におきまして、はっきりこれは事前協議という言葉でもって条約上にも明らかにされておるのでありますが、同時に、その交渉の立場から申したその点につきまして、今回の共同声明においてさらに明らかにされておるのでございます。
次に、今後の十年間の国際情勢の見通しということでございますが、この点については、ただいま総理も御返答のありましたように、なかなか十年の今後の国際情勢を見通して参りますことはむずかしいことであります。しかしながら、本年が雪解けの出発点になるような気持でみんなが努力して参ることは必要なことでありまして、われわれとしては、平和な社会が一日も早く来るような時代を待望しながら努力をしていくというのでありまして、今後現実にそれらの問題が十年後にどうなっていくかという問題は、予測しがたい問題だと思います。(拍手)
〔国務大臣赤城宗徳君登壇、拍手〕