佐藤榮作の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(佐藤榮作君) 農林予算はどんなにして組んだかというお尋ねでございます。ただいま福田大臣から詳細に基本的な考え方をお話でありました。その所要の経費を今回計上いたした次第であります。御指摘になりますように二百五十六億の増加でありますが、そのうちに食管会計の赤字補てんがずいぶんあるじゃないかというような点を御指摘になりまして、予算計上の方針がよくわからない、こういうようなお話であったかと思います。しかし、この食管会計の赤字と申しますのは、大事な農産物価格、米麦その他農産物価格安定法等に関連いたします農産物価格維持のために必要な会計でございます。そういうことを考えていただきますと、この赤字補てんということには非常に意味のあることでございます。この点を御理解をいただきたいと思います。
 その他農林省関係の予算は、ただいま申し上げますように、基本的考え方について私どももこれに協力いたしたつもりであります。その基本的な考え方は、申すまでもなく、農林事業のわが国に占むるその業態、また業者の実態等から考えまして、所要の経費を私ども計上いたしたつもりであります。従前と同様でありますが、今後におきましても、さらに自由化等をはかるに際しましては、一そうその所要の予算を確保することに努力して参るつもりであります。
 次に、治山治水対策についてのお尋ねがありました。今回はこの治山治水対策を特に強力に、かつ計画的にこれを実施したい、この点に力を置きまして、治山治水の特別会計を設けたのでありまして、その財源等におきましても、直轄事業に伴う地方分担金を現金で受け入れる分の財源をも加える、こういうことで財源の拡充をはかった次第であります。その意味におきまして、今回の治山治水特別会計は非常な意味のあるものだと、かように考えております。また治山治水長期計画は、経済的、財政的な面からいたしましても、これは慎重な検討を行なった後決定するものであります。この達成につきましては、財政の面からもできる限りの努力を払うことはもちろんであります。ところで、財政演説で説明いたしましたように、ただいま十カ年計画を立て、その中の緊要なものについて前期五カ年計画を立てております。ところで、財政の面から申しますならば、後年度に予算を計上することは、経済の成長等を考えると比較的容易でありますが、国土保全の計画そのものから見ますると、できるだけ早い時期に工事を遂行していく必要があるのであります。そういう意味で、前期五カ年計画というものを特に緊要なものについて策定をいたしておるのであります。これらの遂行等につきましても十分努力して参るつもりであります。ところで、防衛費その他の関係から、十分できないのじゃないかというような御意見があったのでありますが、自衛力そのものについては、毎回説明いたしておりますように、国力相応の、日本の経済力あるいは財政力あるいはその他の重要施策との均衡を十分考えて、これを実施して参るつもりであります。この意味から申しまして、治山治水事業であるとか、あるいは桂会保障の施設、これらのものを推進するのに支障を来たすような関係において防衛費関係を増額していくことは、これは十分私どもも考えていかなければならないことだと、かように考えております。次に、地方財政との関連についてのお尋ねがございました。三十五年度におきましては、国税三税の増収に伴う地方交付税の増加がありますし、さらにまた、地方税そのものも相当の自然増加が見込まれますので、今回の特別火付金の計上三十億と相待ちまして、在民税の減税につきましては地方の財源に不安を与えるようなことはないのではないかと、かように考えております。まず、これでやっていけるのじゃないか、かように考えております。
 また地方税制のあり方、及び国、地方の財源の配分につきましては、ただいま税制調査会におきましていろいろ検討を進めておりますので、その結論を待って、しかる後に処理していきたいと思います。また治山治水等の予算が増加することによりまして、地方団体の負担分が増加するということ、これは御指摘の通りでございます。当然増加して参ります。しかし、地方交付税や地方税の自然増、あるいは起債の重点化等によりましてこれに対処していく考え方であります。また、地方公共団体間の財源の調整についても言及されました。現在の制度のもとにおきましても、地方交付税の配分等の際には、この財源調整を十分考えて、ある程度の格差の調整が行なわれておると思います。しかし、御指摘の通り、まだまだこの点では不十分だと考えます。で、この不十分である主たる理由は一体何かと申せば、現行の地方税制のあり方にあるのではないか、かように考えますので、先ほど申しました税制調査会等における地方税制の検討と待ってこれまた考えて対策を立てるべきではないか、かように考えております。
 次に、直轄事業は全額国庫負担とせよというお話であったと思いますが、直轄事業は総合的計画に基づいて事業を行なうことが必要なために国が事業を主体としてこれをやっているということであります。その点から申しまするならば、直轄経費の負担の問題はこれは別でございます。直轄事業は全額国庫負担とすることになりますと、その実施をする当該地方公共団体が受益をするものでございますから、この当該地方公共団体が受益しているということを無視するという結果になりますし、直轄事業の遂行上非常な不公平を生ずるのではないか、かように考えますので、私どもは賛成いたしかねております。
 また、交付公債制度の廃止についての御意見もあったと思いますが、特別会計にかかるものにつきましてはこれを現金納付に改めて、これに見返るものとしては、特別な地方債の別ワクを設けるということにおいて、ことしから処理して参っております。(拍手)
   〔国務大臣石原幹市郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 103415254X00519600204_024

発言者: 佐藤榮作

speaker_id: 21117

日付: 1960-02-04

院: 参議院

会議名: 本会議