池田勇人の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 今回の為替・貿易の自由化は、日本経済の運営を正常化し、また経済基盤を拡大して競争力を強め、国際貿易を拡大するための手段でございまして自由化自体が目的ではございません。日本経済をより高め、国内の消費に、もっといいものを安く、たくさん生産するということの手段でございます。従いまして、具体的に御質問のありました点につきましてお答え申し上げまするが、総理大臣あるいは菅野経済企画庁長官のおっしゃるごとく、決して無計画ではやっておりません。対ドル地域に対しまする十品目の制限撤廃も計画的にやっておるのであります。また、経済の育成のための手段でございますから、無理をして経済をこわしてもいかぬことは理の当然でございます。従いましてお話の石炭、石油、非鉄金属、工作機械につきまして簡単に申し上げますると、御承知の通り、石炭の合理化法は三十八年度を目標にしておるのであります。重油ボイラー規制法も三十八年の十一月でございます。これは三年以内では石炭の状況は自由化できません。原料炭は、外国のそれと日本のそれとはトン当り二千五百円違っておるのであります。千二百円下げたってこれが競争できるはずがございませんから、これは三年以内ではできませんということをはっきり申し上げます。石油につきましては事情が違いまするが、石炭との関係がございますから、今いつとは申し上げられません。これはお考えを願いたいと思います。次に、非鉄金属、いろいろな種類がございますが、今年の一月から銅合金くずは自由化いたしました。しかし、故銅、いわゆる銅につきましては、六、七万の鉱山に働いておる人々のことを考えなければなりません。しかも、また日本の銅粗鉱は外国よりも相当高うございます。従いまして、これは一番おそい部類に入るのじゃないかと思います。三年間ではとてもできないと思います。また、自動車その他の工作機械につきましても、これは日本の工作機械の体質改善が十分できて、外国との競争力が来年できれば来年やってもよろしゅうございますが、二、三年のうちは大体、全体としてできないと思います。競争力のできたものから随時やっていこうと考えておるのであります。その次の、消費財の輸入につきまして、国産奨励はわれわれの常に考えておるところでございまするが、外国の消費財で非常にいいものはある程度日本に入れまして、国産品の品質改良の刺激にすることも、経済の拡大の一つの手段でございます。従いましてお話の通り、先般消費物資につきまして、輸入の許可申請を許しましたところ、予定の五百万ドルの十倍をこえる六千数百万ドルの輸入申請がございましたが、これは予算上相当切って国内製品の品質の改良に役立つようなものからある程度認めていく、今後もその方針は続けていきたいと考えております。
 また不当な利益をあげるもの、たとえばバナナとか腕時計等につきましての輸入は、御承知の特定物資輸入臨時措置法がございます。この特定物資輸人臨時措置法は今後も続けていく考えでございます。また最後に、輸入カルテルの問題でございまするが、これは安い物が輸入できるときに何もカルテルを作る必要はございません。特定の品物につきまして先方が独占的に非常に高く売ろうとする、その場合に輸入業者が競争で高い物を買うということはよくございません、従いまして、こういう場合につきましては、生産業者の協定を認めて、適当な値で輸入するようにする措置でございます。安い物につきましてこういう措置をとろうという考えは毛頭ないのでございます。なお、関税制度につきましては大蔵大臣よりお答えになると思います。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 103415254X02119600513_016

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1960-05-13

院: 参議院

会議名: 本会議