曾禰益の発言 (予算委員会)
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○曾祢益君 私は日米安全保障条約改定について特に総理、場合によりましては外務大臣、それからごく一部の問題は防衛庁長官に質問をいたしたいと思います。
私の質問いたしたいことは、過般政府が新安保条約を提案されてから今日までの両院における審議を通じてまだ国民が納得できない多くの点があるわけでありまするが、これを大体二つに分けまして、第一には、一体政府のやろうとする安保改定が、はたして今日この際、ああいう内容でやる緊急性、妥当性があるかどうか、こういう点についてのいわば総論的な質問であります。
第二は、もちろんきわめて詳細な点に触れるわけではありませんが、やや観点を変えまして、政府が今度の新安保によって、現在の安保をこういう点を改善している、こういう主張があります。それがはたして改善になっているかどうか、こういう観点からの質問であります。
最後、これらの質問を終わりましたあとで、政府が今国会において安保をどういうふうに審議していくのか、そういったような基本的な態度についてお伺いしたいと思うわけであります。
まず第一に、私の申し上げる安保改定の緊急性、妥当性についての質問であります。実はこの点について、私は特に新しい見解なり意見を持っておるわけではございません。昨年十一月十七日の本委員会における質問の際にも、当時なお安保の案文はできておりませんでしたけれども、藤山外相の中間報告を柱としながら、大体同じような質問を行なったのであります。その答弁は、決して私のみならず国民を納得させるものではなかったと思います。私が今日まずお聞きしたいことは、この改定の緊急性、妥当性に関する最近の政府並びに野党の資疑を通じて政府が言うのは、いわゆる東西雪解けの傾向であるけれども、まだいずれの側も安全保障の体制をゆるめておらない、だから安全保障が要るんだと、こういう主張。また野党の側の代表的な意味で、社会党の諸君の主張の方は雪解けであるから安全保障をゆるめたらどうだと、こういういわば平行線になっておるのでありまするが、この点について政府の、特に総理大臣の主張というものは問題をすりかえておる。つまり現在の情勢のままでは、まだ、たとえば、今の安全保障条約みたいな何らかの支えが要るんだと、こういう主張ならばこれは一応の理屈が通ると思います。そうでなくって、今の情勢のもとに特に安保を改正して、しかもそれを内容的に強めなきゃならないという情勢であるかどうか、これについては一つも納得できるような説明はされておらない。そういう場合になると、今度は論点をすりかえて、自主性を回復するのはあたりまえだというようなことで改定論を何とかカバーしようとされている。それは問題の中心をわざとはずしている議論であって、国民の知らんとするところは、総理も認めておられるように、世界全局の情勢は何といってもキャンプ・デービッド以来の雪どけの傾向にある。この傾向は望ましいことであるし、なし得る限り助長しなければならない。そういう情勢のさなかに、一体日本だけが特に、一方の陣営の軍事的結びつきを特に強めるような方向で、いわゆる安全保障措置を講ずるということの緊急性はどこにあるか、この点についての説明は何らなされておらない。ただ一昨々年の岸首相の渡米以来、安保を何とかもう少し日本の自主性に沿うような形で改正してくれ、そのことが一昨年の九月の藤山外相ダレス会談となって、いわゆる自主性の回復という名による安保の交渉をして参った。その後に世界に大きな情勢の変化があって、今言ったような雪解けの全局的方向をたどっている。この観点からものを見直した場合に、自主性云々を名とする改定を、特にこの情勢の中で、もう一ぺん再検討すべきではないか、ここに問題の中心があると思います。こういう意味から、きわめて一般的のことでありまするが、まず第一に総理から今申し上げたように、このような情勢のさなかに、あのような、内容についてはあとではっきりいたしますが、とにもかくにも、現在の安保の軍事的結びつきを、安定化あるいは自主性の名によって強めるような方向に安保を改定するのがはたして世界情勢にマッチしそれを急いでやるべき緊急性が一体あるかどうか、この点を御説明願います。