予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十五年三月五日(土曜日)
午前十時二十八分開会
—————————————
委員の異動
本日委員高橋衛君、重政庸徳君、吉江
勝保君及び岩間正男君辞任につき、そ
の補欠として後藤義隆君、佐野廣君、
北畠教真君及び野坂参三君を議長にお
いて指名した。
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 小林 英三君
理事
大谷藤之助君
佐藤 芳男君
館 哲二君
西田 信一君
秋山 長造君
鈴木 強君
松浦 清一君
千田 正君
大竹平八郎君
委員
泉山 三六君
金丸 冨夫君
北畠 教真君
木暮武太夫君
小柳 牧衞君
後藤 義隆君
佐野 廣君
斎藤 昇君
苫米地英俊君
杉原 荒太君
手島 栄君
一松 定吉君
武藤 常介君
村松 久義君
村山 道雄君
湯澤三千男君
米田 正文君
荒木正三郎君
加瀬 完君
木村禧八郎君
小林 孝平君
佐多 忠隆君
永岡 光治君
平林 剛君
藤田 進君
松澤 兼人君
東 隆君
曾祢 益君
辻 政信君
原島 宏治君
森 八三一君
野坂 参三君
国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
法 務 大 臣 井野 碩哉君
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
農 林 大 臣 福田 赳夫君
通商産業大臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
労 働 大 臣 松野 頼三君
建 設 大 臣 村上 勇君
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 菅野和太郎君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
国 務 大 臣 益谷 秀次君
政府委員
法制局長官 林 修三君
外務省条約局長 高橋 通敏君
外務省国際連合
局長 鶴岡 千仭君
外務省移住局長 高木 広一君
大蔵政務次官 前田佳都男君
大蔵省主計局長 石原 周夫君
大蔵省主税局税
関部長 木村 秀弘君
厚生大臣官房長 森本 潔君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
—————————————
本日の会議に付した案件
○昭和三十五年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時二十八分開会
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委員の異動
本日委員高橋衛君、重政庸徳君、吉江
勝保君及び岩間正男君辞任につき、そ
の補欠として後藤義隆君、佐野廣君、
北畠教真君及び野坂参三君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小林 英三君
理事
大谷藤之助君
佐藤 芳男君
館 哲二君
西田 信一君
秋山 長造君
鈴木 強君
松浦 清一君
千田 正君
大竹平八郎君
委員
泉山 三六君
金丸 冨夫君
北畠 教真君
木暮武太夫君
小柳 牧衞君
後藤 義隆君
佐野 廣君
斎藤 昇君
苫米地英俊君
杉原 荒太君
手島 栄君
一松 定吉君
武藤 常介君
村松 久義君
村山 道雄君
湯澤三千男君
米田 正文君
荒木正三郎君
加瀬 完君
木村禧八郎君
小林 孝平君
佐多 忠隆君
永岡 光治君
平林 剛君
藤田 進君
松澤 兼人君
東 隆君
曾祢 益君
辻 政信君
原島 宏治君
森 八三一君
野坂 参三君
国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
法 務 大 臣 井野 碩哉君
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
農 林 大 臣 福田 赳夫君
通商産業大臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
労 働 大 臣 松野 頼三君
建 設 大 臣 村上 勇君
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 菅野和太郎君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
国 務 大 臣 益谷 秀次君
政府委員
法制局長官 林 修三君
外務省条約局長 高橋 通敏君
外務省国際連合
局長 鶴岡 千仭君
外務省移住局長 高木 広一君
大蔵政務次官 前田佳都男君
大蔵省主計局長 石原 周夫君
大蔵省主税局税
関部長 木村 秀弘君
厚生大臣官房長 森本 潔君
事務局側
常任委員会専門
員 正木 千冬君
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本日の会議に付した案件
○昭和三十五年度一般会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度特別会計予算(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和三十五年度政府関係機関予算
(内閣提出、衆議院送付)
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小
小林英三#1
○委員長(小林英三君) これより予算委員会を開会いたします。
委員に異動がありましたから御報告を申し上げます。岩間正男君が辞任せられ、野坂参三君が選任せられました。
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この発言だけを見る →委員に異動がありましたから御報告を申し上げます。岩間正男君が辞任せられ、野坂参三君が選任せられました。
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小
小林英三#2
○委員長(小林英三君) 昭和三十五年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
昨日に引き続きまして質疑を行ないます。曾祢益君。
この発言だけを見る →昨日に引き続きまして質疑を行ないます。曾祢益君。
曾
曾禰益#3
○曾祢益君 私は日米安全保障条約改定について特に総理、場合によりましては外務大臣、それからごく一部の問題は防衛庁長官に質問をいたしたいと思います。
私の質問いたしたいことは、過般政府が新安保条約を提案されてから今日までの両院における審議を通じてまだ国民が納得できない多くの点があるわけでありまするが、これを大体二つに分けまして、第一には、一体政府のやろうとする安保改定が、はたして今日この際、ああいう内容でやる緊急性、妥当性があるかどうか、こういう点についてのいわば総論的な質問であります。
第二は、もちろんきわめて詳細な点に触れるわけではありませんが、やや観点を変えまして、政府が今度の新安保によって、現在の安保をこういう点を改善している、こういう主張があります。それがはたして改善になっているかどうか、こういう観点からの質問であります。
最後、これらの質問を終わりましたあとで、政府が今国会において安保をどういうふうに審議していくのか、そういったような基本的な態度についてお伺いしたいと思うわけであります。
まず第一に、私の申し上げる安保改定の緊急性、妥当性についての質問であります。実はこの点について、私は特に新しい見解なり意見を持っておるわけではございません。昨年十一月十七日の本委員会における質問の際にも、当時なお安保の案文はできておりませんでしたけれども、藤山外相の中間報告を柱としながら、大体同じような質問を行なったのであります。その答弁は、決して私のみならず国民を納得させるものではなかったと思います。私が今日まずお聞きしたいことは、この改定の緊急性、妥当性に関する最近の政府並びに野党の資疑を通じて政府が言うのは、いわゆる東西雪解けの傾向であるけれども、まだいずれの側も安全保障の体制をゆるめておらない、だから安全保障が要るんだと、こういう主張。また野党の側の代表的な意味で、社会党の諸君の主張の方は雪解けであるから安全保障をゆるめたらどうだと、こういういわば平行線になっておるのでありまするが、この点について政府の、特に総理大臣の主張というものは問題をすりかえておる。つまり現在の情勢のままでは、まだ、たとえば、今の安全保障条約みたいな何らかの支えが要るんだと、こういう主張ならばこれは一応の理屈が通ると思います。そうでなくって、今の情勢のもとに特に安保を改正して、しかもそれを内容的に強めなきゃならないという情勢であるかどうか、これについては一つも納得できるような説明はされておらない。そういう場合になると、今度は論点をすりかえて、自主性を回復するのはあたりまえだというようなことで改定論を何とかカバーしようとされている。それは問題の中心をわざとはずしている議論であって、国民の知らんとするところは、総理も認めておられるように、世界全局の情勢は何といってもキャンプ・デービッド以来の雪どけの傾向にある。この傾向は望ましいことであるし、なし得る限り助長しなければならない。そういう情勢のさなかに、一体日本だけが特に、一方の陣営の軍事的結びつきを特に強めるような方向で、いわゆる安全保障措置を講ずるということの緊急性はどこにあるか、この点についての説明は何らなされておらない。ただ一昨々年の岸首相の渡米以来、安保を何とかもう少し日本の自主性に沿うような形で改正してくれ、そのことが一昨年の九月の藤山外相ダレス会談となって、いわゆる自主性の回復という名による安保の交渉をして参った。その後に世界に大きな情勢の変化があって、今言ったような雪解けの全局的方向をたどっている。この観点からものを見直した場合に、自主性云々を名とする改定を、特にこの情勢の中で、もう一ぺん再検討すべきではないか、ここに問題の中心があると思います。こういう意味から、きわめて一般的のことでありまするが、まず第一に総理から今申し上げたように、このような情勢のさなかに、あのような、内容についてはあとではっきりいたしますが、とにもかくにも、現在の安保の軍事的結びつきを、安定化あるいは自主性の名によって強めるような方向に安保を改定するのがはたして世界情勢にマッチしそれを急いでやるべき緊急性が一体あるかどうか、この点を御説明願います。
この発言だけを見る →私の質問いたしたいことは、過般政府が新安保条約を提案されてから今日までの両院における審議を通じてまだ国民が納得できない多くの点があるわけでありまするが、これを大体二つに分けまして、第一には、一体政府のやろうとする安保改定が、はたして今日この際、ああいう内容でやる緊急性、妥当性があるかどうか、こういう点についてのいわば総論的な質問であります。
第二は、もちろんきわめて詳細な点に触れるわけではありませんが、やや観点を変えまして、政府が今度の新安保によって、現在の安保をこういう点を改善している、こういう主張があります。それがはたして改善になっているかどうか、こういう観点からの質問であります。
最後、これらの質問を終わりましたあとで、政府が今国会において安保をどういうふうに審議していくのか、そういったような基本的な態度についてお伺いしたいと思うわけであります。
まず第一に、私の申し上げる安保改定の緊急性、妥当性についての質問であります。実はこの点について、私は特に新しい見解なり意見を持っておるわけではございません。昨年十一月十七日の本委員会における質問の際にも、当時なお安保の案文はできておりませんでしたけれども、藤山外相の中間報告を柱としながら、大体同じような質問を行なったのであります。その答弁は、決して私のみならず国民を納得させるものではなかったと思います。私が今日まずお聞きしたいことは、この改定の緊急性、妥当性に関する最近の政府並びに野党の資疑を通じて政府が言うのは、いわゆる東西雪解けの傾向であるけれども、まだいずれの側も安全保障の体制をゆるめておらない、だから安全保障が要るんだと、こういう主張。また野党の側の代表的な意味で、社会党の諸君の主張の方は雪解けであるから安全保障をゆるめたらどうだと、こういういわば平行線になっておるのでありまするが、この点について政府の、特に総理大臣の主張というものは問題をすりかえておる。つまり現在の情勢のままでは、まだ、たとえば、今の安全保障条約みたいな何らかの支えが要るんだと、こういう主張ならばこれは一応の理屈が通ると思います。そうでなくって、今の情勢のもとに特に安保を改正して、しかもそれを内容的に強めなきゃならないという情勢であるかどうか、これについては一つも納得できるような説明はされておらない。そういう場合になると、今度は論点をすりかえて、自主性を回復するのはあたりまえだというようなことで改定論を何とかカバーしようとされている。それは問題の中心をわざとはずしている議論であって、国民の知らんとするところは、総理も認めておられるように、世界全局の情勢は何といってもキャンプ・デービッド以来の雪どけの傾向にある。この傾向は望ましいことであるし、なし得る限り助長しなければならない。そういう情勢のさなかに、一体日本だけが特に、一方の陣営の軍事的結びつきを特に強めるような方向で、いわゆる安全保障措置を講ずるということの緊急性はどこにあるか、この点についての説明は何らなされておらない。ただ一昨々年の岸首相の渡米以来、安保を何とかもう少し日本の自主性に沿うような形で改正してくれ、そのことが一昨年の九月の藤山外相ダレス会談となって、いわゆる自主性の回復という名による安保の交渉をして参った。その後に世界に大きな情勢の変化があって、今言ったような雪解けの全局的方向をたどっている。この観点からものを見直した場合に、自主性云々を名とする改定を、特にこの情勢の中で、もう一ぺん再検討すべきではないか、ここに問題の中心があると思います。こういう意味から、きわめて一般的のことでありまするが、まず第一に総理から今申し上げたように、このような情勢のさなかに、あのような、内容についてはあとではっきりいたしますが、とにもかくにも、現在の安保の軍事的結びつきを、安定化あるいは自主性の名によって強めるような方向に安保を改定するのがはたして世界情勢にマッチしそれを急いでやるべき緊急性が一体あるかどうか、この点を御説明願います。
岸
岸信介#4
○国務大臣(岸信介君) 世界の国際情勢をどういうふうに見るかという国際情勢の判断について曾祢委員のお気持とわれわれが考えていることとの間にはやや相違があるように思います。ということは、キャンプ・デービッドにおけるところの両巨頭の会談が、いわゆる雪解けというものをもたらしているというこの考え方自体に私は一つの両方の考え方の相違があるのではないかと思います。私はこのキャンプ・デービッドにおけるところの両巨頭の会談によりまして、従来力でもって両陣営の間の懸案であるとか、あるいは紛争を解決しようというような機運に対して一般が危惧を持っており、そうしてそういう見えないような態勢が進んでおるのに対して、今後これらの問題を話し合いで解決するという原則が認められたのでございます。しかしてことし春に行なわれようとしておる巨頭会談、あるいはアイゼンハワー大統領の訪ソというようなものを通じて話し合いが行なわれるわけでありますが、おそらく曾祢委員も十分御認識になっておると思いますが、この会談において問題になるドイツ問題、あるいは軍縮の問題等の解決もなかなか容易ではない、そうして容易であるかないかは別として、必ず話し合いでもって、どんなに困難があっても話し合いを続けて、そうして解決しなければいかぬ、力を用いての解決ということは、特に軍事科学の発達の現状から見て、これはどんなことがあっても阻止しなければならないというこのことが、私は雪解けの実質であり、従ってまた将来そういうふうなことによって解決されるということに対してわれわれが期待を持ち、望みをかけるということであると思うのであります。一方その話し合いに臨む両陣営の態勢というものについては、何ら従来やっておることをゆるめるとか、あるいは解消するとか、あるいはこれを弱化するとかという方向に一歩も進んでおらない事実も、これも曾祢委員も御承知の通りであります。私どもはこういう際において話し合いを成立せしめるためには、やはり両陣営が結束して、そうしておのおのの主張を率直に話し合って、互いに共存の道を見出すという以外にはこの問題の解決はないのである。この間において東西両陣営がそれぞれその間におけるところの力のバランスをとっていくという政策については、少しも変更は現在のところないというのが国際情勢の私たちの認識でございます。こういう上に立って安保条約というものを考えてみると、国連の安全機構がまだできておらない状況にあり、また日本が置かれておる客観的な立場から見まして、日本の安全を保障するために、日米安全保障体制というものを存続するということについては、おそらく曾祢委員も御同感であろうと思います。ただ、問題は、それを今度新安保条約に改定するということがいわゆる軍事的な強化をになっておるというふうな御議論でございますが、私どもは、この安保条約の成立以来これまた非常な不合理な点を多々含んでおるという点において、これを合理化していく、安保条約の体制の存続する必要を認め、存続する以上は、これを合理化して、そして日本の自主性を回復していく、また、日本の国民なり日本の立場からわれわれの主張というものが条約の上において反映していくという方向にこれを改めていくことは私は当然であると。また、今までなされておらなかったことが実はむしろ日本の国力や国際的地位が十分でなかった結果で、今日の状態になってくれば、当然これが解消されるということであって、私どもは、その意味において、この内容の自主的な立場を回復していく。安保条約の体制が必要である、必要である以上上は、それを合理的に、また、日本の立場から見て自主性を持ったものにするということは当然なことであり、一日も早くやらなければならないことである、かように考えております。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#5
○曾祢益君 首相の国際情勢に対する認識と私の認識と、ニュアンスの相違はあるでしょうけれども、そう基本的には違っておらないように思います。と申しまするのは、安全保障体制が不要である、たとえば、現在の安保を即時無条件一方的に廃棄するというような主張を私はしておるのではない。問題は、今、安保というものがあります。これはあとでも論じたいと思うのでありますが、この安保をやはり改廃の方向に考えることはこれは当然だと思う。しかし、それはそれとして、今首相が言われた、この情勢ではいずれの国も防衛体制あるいは安全保障体制をゆるめたり解消はしておらない。それはその通り。そうじゃなくて、自主性を名とし、この現在一応ある安保体制なるものを、これはあとで議論すればわかるのですが、さらに強化する。そういう軍事的な強化の方向をたどっておる国が一体どこにあるか。もとより、まだ雪解けの徴候があっても、雪解けが完全に、ベルリン問題を中心としても、軍縮問題等でも、完全にそれが実現している過程ではありませんから、安全保障体制をゆるめたくともゆるめられないという現状はあるでしょう。問題は、政府のように、だからといってこの際やりかけてしまったんたがら是が非でも安保強化のような改定を行なうという必要性と妥当性と緊急性が第一ないではないか。問題はこういう点でありまして、この点に対するお答えになっていない。なぜ強化をしていく必要があるのか。また、そういう強化をしている国があるのか。これはあとで論じまするが、安保強化が今度はむしろ緊張激化の方向すらたどっているということを考えたときに、このような外交路線をとっている国が東西いずれにどこにあるか。こういう点もからめて、あなたのおっしゃるようなただ自主性を回復するための手直しではなくて、内容的にこれははっきりと強化の方向をたどっている。これは行き過ぎではないか、こういう点でございますので、従って、この議論からいくならば、政府の主張は成り立たない。少なくとも現在安保というものはございます。これを即時無条件廃棄ということは理屈になりません。それならば、改定を特に急がなければならない理由はないではないか。自主性に基づく改定とかあるいは解消論、いろいろあるでしょう。そのどれの改安の方向がいいかについては、もう少し国論をよく聞いて世界情勢を見てからやってもおそくはない。簡単に申し上げるならば、せめて東西巨頭会談の結果を見ることまでなぜ待てないのか。この御説明はなされてないと思う。従って、私は的確に一つ質問しますが、こういう私の論点は、決してこれは独断ではなく、これは世界情勢の当然の結果であって、国民もこれを支持していると思うので、せめて東西巨頭会談を見守る、それまで安保は審議強行を急がない、こういうお考えはないかどうか。この点に関するお答えを願いたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#6
○国務大臣(岸信介君) さきほども申し上げましたように、これは条項に入って質疑をしていくことが必要だと思いますが、いったい国際の情勢に反しておるような軍事的な内容を強化するという抽象論を申したのではこれは答えられないのでありまして、改定の各項目は、多年国会におきましても論議され、自主性のない現行安保条約として改定を要する点として論議された点をわれわれはとり上げて、日本の立場を強化するような改定をしておるわけであります。したがって、これは各項目についておそらくこれから御質問があろうと思いますから、明確にお答えを申し上げますが、そういうことであるからして、われわれとしては、すでに現行安保条約がいわば成立したときからこれにつきまとうておるところの不合理性というものを改めるということは一日も早くこれを実現するというのが私は国民の要望であり、また、従来の国会の論議に徴しても明瞭であると、かように考えております。これをアメリカ側と相当長い間の折衝において日本側の主張を入れしめてこの自主性を回復したところの改定にするということでありますから、これは一日も早く実現することが適当である、これは日本の立場から当然考えて差しつかえないと、かように考えております。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#7
○曾祢益君 そういう改定を一日も早くやってくれといって国民が要望しているかどうかについてはあとで論じます。今お答えがありませんでしたから、東西巨頭会談まで待てるのか待てないのか、その点をお答え願いたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#8
○国務大臣(岸信介君) すでに調印も終わっておりますし、国会の承認を求める手続をいたしておるのでありまして、そういう他のことにこれを引っかけて待つということは適当でないと政府は考えております。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#9
○曾祢益君 国際情勢を全般的に見ても、このような内容に今すぐやらなきゃならない緊急性はない。
いま一つ考えなければならないのは、いわゆる安保改定が日本の隣の国である中ソ、これにどうはね返ってくるか、これはやはり非常に大きな問題でありまして、ただ自主性云々を名とし、また、アメリカとの軍事的な関係が必要だというような論点だけで安保改定をやるわけには参らないことは当然であります。もとより、日本の安全の問題でございまするから、他国がどう言うからどうだというそういう自主性のない態度をとるべきではありません。しかし、自主性のある態度ということは、言い換えるならば、日米関係がこうなる、冷戦のさなかでありまするから、その日米関係がこうなれば今度は日本と中ソとの関係にどうはね返るかということを初めから測定なしに一つの外交行動なり方針がとられるはずはないわけであります。したがって、安保改定をこの際強行することによって中ソにどういうはね返りがあるか、それがはね返ってもいいのか悪いのか、全般的にそれが日本の平和と安全にプラスであるかどうか、こういう総合的判断の上に立って安保改定が進められておるのかどうかと思いますると遺憾ながらこれは、単なるアメリカと話し合いをしてしまったからやるんだ、あるいはアメリカとの関係さえ強まればいいんだという、中ソに対する判断が非常に甘かったのではないか。これは岸外交の大きな失敗であって、さきほども私が申し上げたように、むしろ世界における極東の緊張を岸内閣の安保改定が強めておるというきざしすらあるわけであります。従って、こういう意味で岸外交は非常な失敗であったと、私はこう考えるのですが、はたして中ソに対する十分なる施策と検討が行なわれたか、この点に関する総理の答弁を伺います。
この発言だけを見る →いま一つ考えなければならないのは、いわゆる安保改定が日本の隣の国である中ソ、これにどうはね返ってくるか、これはやはり非常に大きな問題でありまして、ただ自主性云々を名とし、また、アメリカとの軍事的な関係が必要だというような論点だけで安保改定をやるわけには参らないことは当然であります。もとより、日本の安全の問題でございまするから、他国がどう言うからどうだというそういう自主性のない態度をとるべきではありません。しかし、自主性のある態度ということは、言い換えるならば、日米関係がこうなる、冷戦のさなかでありまするから、その日米関係がこうなれば今度は日本と中ソとの関係にどうはね返るかということを初めから測定なしに一つの外交行動なり方針がとられるはずはないわけであります。したがって、安保改定をこの際強行することによって中ソにどういうはね返りがあるか、それがはね返ってもいいのか悪いのか、全般的にそれが日本の平和と安全にプラスであるかどうか、こういう総合的判断の上に立って安保改定が進められておるのかどうかと思いますると遺憾ながらこれは、単なるアメリカと話し合いをしてしまったからやるんだ、あるいはアメリカとの関係さえ強まればいいんだという、中ソに対する判断が非常に甘かったのではないか。これは岸外交の大きな失敗であって、さきほども私が申し上げたように、むしろ世界における極東の緊張を岸内閣の安保改定が強めておるというきざしすらあるわけであります。従って、こういう意味で岸外交は非常な失敗であったと、私はこう考えるのですが、はたして中ソに対する十分なる施策と検討が行なわれたか、この点に関する総理の答弁を伺います。
岸
岸信介#10
○国務大臣(岸信介君) 私は最近における、中ソから安保条約の改定に対していろいろな申し入れやあるいは覚書等が寄せられておりますが、その内容を検討してみまするというと、誤解であるか、あるいは意味あって曲解しておるのか、はなはだ解釈に苦しむところが少なくないのであります。たとえば現在安保条約というものがある、安保条約の体制のもとにいろいろな日ソの共同宣言も出されております。そうして現在の安保条約においては、一、二の点を申し上げますというと、たとえば日本が核武装しゃしないか、これは核武装するというよりか、日本が核武装をしなくても、米軍が核兵器を持ち込みやしないかということは、これは中共やソ連に対して非常な一つの脅威を与える問題でございます。あるいはそれによって、外交上におきましてもいろいろな問題が生ずるおそれもある。しかして、従来われわれは核装備しない、核装備を持ち込ませないということを言っておるけれども、現行安保条約において、一体、核武装を、兵器を持ち込まないということを日本が言うておるけれども、日本の意思というものがどこに現われるかというような点において、現行の安保条約においては一つの不安がある。しかしながら、それを今度事前協議の対象とし、われわれの意思に反してアメリカがこれを持ち込まないということが明瞭になったということは、少なくとも中共やソ連に対して、従来あるところの、安保体制が与えておるところの不安をなくした、あるいは米軍の行動も、従来では日本の意思というものを全然認めずに、この極東の安全と平和のために行動できるということに対して、制約ができておる、こういうふうな点を考えてみましても、安保条約の改定というものが、中共やソ連に対して従来あるところの安保条約よりもより一そうの脅威を与え、もしくはこれによって、これらに対する友好の外交政策をそこなうというような性格のものではないとわれわれは考えております。これに対して、いろいろな両国方面からの言明やその他というものに対しては、私どもはこれは誤解に基づくものである、これを冷静に判断してもらうならば、そういうなんではないということを、あらゆる機会に明らかにしていって、そうしていくということが当然であり、これを、しいて今申したように、曲解し、あるいは誤解するというような事実からそういうことが起こっておるわけで、内容そのものは、決して私は中共やソ連に対して悪影響を持つような改定をしておるとは考えておりません。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#11
○曾祢益君 十一月十七日の当委員会における質問の際にも、私はこの点を質問したのでありまするが、中ソ両国は、日本が日米安全保障条約を持っており、そのもとにおいて日本にアメリカ軍が駐留しておるというこの事態については、いろいろの経緯はありましたが、簡単に申し上げるならば、たとえば日ソ共同宣言において、戦争状態を終結し、国交を回復するという段階においても、これは一応現状として認める、同時にまあ日本側も中ソ友好同盟、相互援助条約があるこの事態も一応認め合った上で、現状の上に立った国交回復という措置をとったわけである。また、中国側も、中共のことでありまするが、これまた安保条約を直ちに、即時に無条件で廃棄しろというような非現実的な主張はしておらない。従って問題は、この安保条約がある体制のもとに、しかし、お互いに、アメリカ陣営に加わった日本と中ソとの間の国交回復なり調整の道を講じていこうという方向でやってきたのであって、そこへ持っていって安保の改定をやるということは、今岸総理から言われたようないろいろな弁明はあるでしょうが、私はそれは現在よりも中ソが安心する内容とは必ずしも思えません。その内容の問題は別ですが、大きな方向、体制として、やはり彼らとしては、なるべく日本とアメリカとの軍事的関係が薄まってくることを希望していることは事実でございます。そういう面から見ると、軍事体制を強化するということについては、彼らがこれを好まないことも事実である。そういう情勢を承知の上で、特にこの際彼らが絶対に反対するような方向に安保改定を強行するのが、はたして賢明であるかどうか、そこが私は問題の中心であると思う。もちろん、民主社会党としては、たとえばソ連があの日ソ共同宣言にはっきりと歯舞、色丹の返還の唯一無二の条件は平和条約の締結である、その裏には国後択捉を捨てろということはあるでしょう、それだけの条件で、言いかえるならば、日米関係条約があること、またアメリカ軍が日本に駐留しているということ自体は問題にせぬという建前にかかわらず、今回、いかに岸内閣がわれわれからいっても望まない安保条約に調印したというその事態をとらえて、その理由で今度は、当時もう承知済みであった米軍の日本駐留そのものをけしからぬ、この米軍が日本から撤退しなければ歯舞、色丹は返さないという新たな条件を出したことは、全く不合理な大田主義であって、われわれはこのソ連の態度に対して強く抗議するのは当然であります。問題は中ソがああ言ったからこうだというよろめき外交を言っているのじゃない。初めから安保改定を、この際中ソとの関係がどうなっても、ただ口で言う弁明だけで、安保改定をあの内容でこの際強行するのが、日本の外交として賢明であるか。私はこれは決して賢明であるとは言えないと思う。特に一部の人が、少し先走った心配であるかもしれませんが、ソ連の出方はなかなかこれは端倪すべからざる、想像を絶するものがあると思うのです。言ってくることが非常にごつい。そういう意味で、ただ単に歯舞、色丹の返還について今や岸外交は、日本を非常な苦境に追い込んだ。かてて加えて、万が一にもソ連が、一体日ソ共同宣言まで、条件が変わったからこれは御破算だというような態度に出たとするならば、これはとんでもないことではないか。せっかくサンフランシスコ平和条約で独立を回復し、さらに平和が残っているソ連との間にも一応・国交を回復した、戦争終結宣言をやって、その積み上げてやってきた日本の外交に、もしそういうことがあったら大へんだということを心配する人がある。しかも、これは相当尊敬すべき傾聴すべき意見を持っている人の意見であります。そういう点を考えて、一体岸総理は、ただ安保の内容から考えて、核武装がどうの、極東に対する出動がどうの……、これはあとで論じますが、そういう言い逃れで日本とソ連、中国との関係が悪化してもかまわない、こういうお考えであるかどうかをはっきりお聞かせ願いたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#12
○国務大臣(岸信介君) 日本の進むべき根本の私は外交路線として、自由主義の立場をとり、自由主義の国々と協力していく、またアメリカとの従来あるところの関係をますます緊密ならしめていく、これが平和の上にも安全の上にも、また繁栄の上にも必要であるという私は考えを持っている。しからばというて、共滝主義国との間に、いたずらにわれわれが事をかまえる、敵視するとかいうような考え方は毛頭持っておりません。従来ともその点は日本の外交に現われているように、われわれがこの共産国との間においても、おのおのがおのおのの立場、政治体制を理解し、尊重し、その上にあらゆる面におけるところのお互いの交流を盛んにしていくという立場を堅持して今日まで来ております。この意味において私は、今お話がありましたが、日ソ共同宣言に盛られていることは、両国が忠実にこれを守るということの原則の上に立って、日ソの関係もこれを改善していくという考え方でありまして、私自身は、ソ連がこのことによって日ソ共同宣言そのものを取り消してくるというような、そういう国際法上もほとんど考えられない、また、日ソの友好関係の上からいっても考えられないようなことは、実は想像いたしておりません。歯舞、色丹につきましても、ああいう私どもは当然安保条約の体制のもとに認められたところの両国が誠実をもって履行するという前提に立っている条項が、一方的に変更されるということは、私どもは想像をいたしておらないのでありまして、私はあくまでも日本の進むべき道ははっきりとする、しかしながらソ連の進むべき道もまたはっきりしているだろうと思います。これを両方が理解し合って、尊重し合って、そうしていろいろな問題を、国際連合の精神に基づいて解決していくというのが、私は真に世界の平和を願い、雪解けを願っている両国の当然の道である、これを今お話しのような方向によって悪化してくるというようなことは、実は私は想像いたしておりません。
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曾禰益#13
○曾祢益君 先ほど私が抽象的に言ったのは、前英国大使をやった西氏の意見でありますが、さて今総理は、そういうふうに楽観的に言われるけれども、中ソに対する外交の失敗から、実はここに国論がますます帰一し得ない状態になった。自民党の中においても、石橋前首相のごときは、領土権を捨ててもというような主張をする。また中国との関係においても、いろいろ自民党内にも、なかなか厄介な状態が出ている。これは何といっても岸総理大臣の外交の失敗であって、安保改定に関する、あるいは安保強行に走る前に、党内の立て直しと言うと、大へん他党のことで、内政干渉のようで恐縮のようですが、党内すらがたがたしている。そういう状態で、一体安保改定後の日本と中ソとの関係をどうするかというようなことは、とうてい望み得ない。国論の分裂ということを非常に避けなければならない外交でありまするから、むしろこの際従来の経緯にかかわらず、安保改定はこれをしばらく棚上げにしても、世論の統一、国論の統一でまず立て直しをやるべきではないか、こう考えまするが、総理大臣の御所見を伺いたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#14
○国務大臣(岸信介君) わが自由民主党としては、御承知の通り、党議をはっきりときめて、そして安保の改定に臨んでおります。従って、わが党の関係におきましては、私は十分な党としての党議に従ってこの問題の解決をはかるべきものだと考えております。また、一般国論につきましても、十分国民にこの安保条約の改定の意義や内容等が周知されておらない部分もございますから、こういう点につきましては、国会を通じて、国会の審議を通じて国民の前にわれわれの所信を明らかにして、国民の支持を得るように努力していくつもりであります。従って、これを一時でも棚上げしていくというような考えは持っておりません。
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曾禰益#15
○曾祢益君 中国関係につきましても、この前私がるる申し上げたので、簡単に申し上げたいのでありますが、特にわれわれがこの前も心配したように、中国関係をこのままにして、日中関係、中米関係をこのままにして、そうしてただ安保改定をやってしまう。しかもその場合に、極東の平和と安全のための日本からの米軍の出動の問題がある。金門、馬祖をめぐる米中の緊張とういものは、決してこれは緩和されていない。そういうことが日本の安全になるのかどうかという点が、根本的な疑念であります。さらに、この前も指摘いたしましたように、中国の核武装ということは、これは非常に大きな世界の問題になろうとしている。これはまあ一つの可能性でありまするが、この大きな問題に対して、日本としてはどう対処するか、この問題がある。これを全然無視して、ただ日米の軍事同盟という形でいくのが日本の安全だということは、根本的に誤っている。万一核武装した米軍と核武装した中共とが戦うというような不幸な事態があったとするならば、これは日本の安全は根本から吹っ飛んでしまうのではないか、こういうことになるが、しかも、その後、フランスの核クラブ入会といいまするか、核実験を強行いたしまして、この次はどこだ、非常にいやなことであるけれども、フランスに続くものがありはせぬか、そういう意味がら中国の核武装化の可能性、実現性ということが非常に大きな国際的な問題としてクローズ・アップされてきた。日本の安全にとっても非常に重大な問題だ。こういう点からいっても、われわれは日本としてなし得る限り中国の核武装をとどめるように、少なくともその口実なり契機を与えないようにする、これは当然の、日本の安全のためであり、世界平和のためでしょう、そういう見地からいうならば、いろいろ弁明されるけれども、安保改定がやはり一つの大きな核武装化へのきっかけなり、契機になるおそれがあるというわれわれの判断は、これは否定できない。そういう意味からいって、安保改定強行は、やはりこういう意味から思いとどまるべきではないかと考えるのですが、御意見をあらためて伺います。
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岸信介#16
○国務大臣(岸信介君) 中国が核武装するかしないかという問題、あるいはその可能性があるというふうなことに関しまして、これをとどめなければならないということは、私どもも中国だけじゃなしに、現在持っている、この核武装を持っている国々の核武装に対しても、われわれが従来主張してきている。従って、新しいそういう核武装をする国に対して、それを押えていかなくちゃならぬということは、これは当然のことであります。私は、しかし中国が核武装するかしないかという問題に関しては、ただ単に安保条約を改定しなければ核武装しない、そういうふうな簡単な問題ではないと思います。これは、するかしないかは、やはり一つのいろいろな見通しがありましょうし、また、今後におけるところの世界の動向から、われわれはどうしてもそれを押えていかなければなりませんけれども、これは私は関係ない。あるいは先ほども申し上げましたように、安保条約の改定によって、日本自身が、自衛隊を核武装しないことは、すでに明らかにされている通りであります。これは日本が自主的にできることでありますから、われわれの言明通り実行されることは当然でありますが、アメリカの核武装を、核兵器を持ち込ませないという日本の声明というものが、今度は裏づけられるような改定ができている。日本は核武装しないのですから、日本自体としても、また日本に駐留する米軍も……。従って、この改定が、中共に対して核武装をせしめる私は口実にも何らなるものではなく、むしろ中国が核武装するかしないかということは、これは世界の大問題であり、それは別の問題として当然われわれはこれに対処する道を考えていかなければならないのでありますが、この安保条約の改定がそういうことの口実には、むしろ反対に、そういう危険がないということのような改定をするわけでございますから、私は口実にはならぬと、かように考えます。
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曾禰益#17
○曾祢益君 そういうどうもへ理屈を言って、この大きな問題をはぐらかすことは、これは不謹慎だと思います。もとより中国が核武装化するかしないか、これはわかりませんが、その中国が核武装する一つの、唯一ほとんど無二のそれを正当化する立場というものは、中国がアメリカの核兵器攻撃の対象にさらされている、これに対して自分もやらなきゃいけないという、こういういわゆる対米関係から来た核兵器を持つべきという議論があるわけであります。従って、総理が言うように、安保条約とは無関係だなどというのは、これはとんでもないうそであって、冗談じゃない。そういうことが、アメリカの核武装をしている第七艦隊あるいは在日空軍という問題が、しいるといったらいいかもしれませんが、これが最大の核武装化へのいざないだと思うのです。従って、関係のないどころじゃなくて、これが最大の口実であって、従って、今度の安保で、米軍の日本への核武装持ち込みの契機を失わせる——これは、私は内容の点で申し上げますが、そうなっていない、日本の相談、日本の意思によっては持ち込めるような条約になっているわけなんですから。しかし、いずれにしても、問題はそういったようなこと、中米関係の悪化をそのままにし、そうして安保改定をやる。しかも、今度の安保条約で、何といっても日本への核兵器持ち込みについていろいろな抜け穴がある。協議事項についてもその通り。また、兵器の方からいっても、出撃の方からいっても、そういう問題であるから、そういう観点から、この問題が無関係なんだということは不謹慎きわまりないことであって、ほんとうに中国の核武装化をとめる熱意がないと言われてもいたし方ないと思う。答弁は求めません。
次に、安保改定に関する今度は国内の情勢を考えてみたいと思うのであります。一体岸総理大臣は、安保改定をやるのにあたって、国論の帰一、統一をほんとうに求めたかどうか、こういう点であります。先ほども、またしばしば岸総理も言われるのですが、自主性を強めるために早く改定しろというのが世論である、事実はそうじゃない。この前も議論になりましたが、今回も、もう調印をした後の世論調査の結果は、総理の言っていることと全然反対の結果が出ているのです。たとえば、安保改定という問題を知っているかどうかという朝日新聞の調査によると、知っているという者が六六%、知らないという者が三四%、安保改定が問題になっていることを知っているのは六六%。しかも、さらに聞いてみて、内容まで知っているかといったら、現に内容を知っている人は一七%、内容を知っている者は。それから、東京新聞のやはり最近の世論調査によると、内容を知っているかということに対する答、知っているという者は五五・六%、知らないというのが四四・四%、しかも、内容を知っていると言った人をさらに聞いてみると、実際上知っている人はたった三四・二%、これが世論調査の結果として現われているのです。さらにまあ、何といいますか、皮肉なことでは、朝日の調査によると、改定賛成が二九%、反対が二五%答えなし四〇%、こうなっているのですが、さて改定賛成が二九%あるのに、別の質問の、日本の安全保障はどういうのがいいかという質問に対して、驚くべきことは、アメリカに頼るのがいいのが一四%、国連に頼るのがいいのが二四%、中立がいいのが三五%、これは、安保改定に賛成する二九%の人の中に、また別の角度で中立に賛成する人がいかに多いか。これは観念の混同ですけれども、しかほどさように問題がむずかしい。国民はわかっていない。別の言葉で言えばあなたが言われるような、自主性を強めるための改定ということを国民が望んでいるのではなくて、これは、岸内閣が一つの何か国民へのおみやげというか、キャンペインという意味で自主性を名とする改定に乗り出したということであって、国民が望んだものではない、こういうことを明らかに立証していると思うのであります。また、改定の賛否については、先ほど朝日の世論調査の結果を申しましたが、非常に賛成論が少ない。反対論がやや上回っておるけれども、わからない方が多い。東京新聞の調査によると、賛成論が二四・九%、反対は三六%、こういう結果が出ている。ですから、私が申し上げたいことは、改定は、国民が望んだのではなくて、岸さんが……、吉田首相がさっきも言ったように日本の独立平和条約を作り、鳩山氏は日ソ共同宣言によって、サンフランシスコ平和条約で残されたソ連との平和をもたらした。今度は、岸さんが何か一つ事績を残すとすれば、アメリカとの関係の新時代、対等なるパートナー、こういうキャッチ・フレーズのもとに、自主性に基づいた安保改定をやったというのが、これが一つのあなたの基本的な政治的なねらいだ、それで出発して、今日国民が望んでおらない、世論が熟しておらないにかかわらず、安保改定を強行されようとする、ここに世論調査に現われた、国民がわからないという結果が出ているのではないですか。その点はどうお考えですか。
この発言だけを見る →次に、安保改定に関する今度は国内の情勢を考えてみたいと思うのであります。一体岸総理大臣は、安保改定をやるのにあたって、国論の帰一、統一をほんとうに求めたかどうか、こういう点であります。先ほども、またしばしば岸総理も言われるのですが、自主性を強めるために早く改定しろというのが世論である、事実はそうじゃない。この前も議論になりましたが、今回も、もう調印をした後の世論調査の結果は、総理の言っていることと全然反対の結果が出ているのです。たとえば、安保改定という問題を知っているかどうかという朝日新聞の調査によると、知っているという者が六六%、知らないという者が三四%、安保改定が問題になっていることを知っているのは六六%。しかも、さらに聞いてみて、内容まで知っているかといったら、現に内容を知っている人は一七%、内容を知っている者は。それから、東京新聞のやはり最近の世論調査によると、内容を知っているかということに対する答、知っているという者は五五・六%、知らないというのが四四・四%、しかも、内容を知っていると言った人をさらに聞いてみると、実際上知っている人はたった三四・二%、これが世論調査の結果として現われているのです。さらにまあ、何といいますか、皮肉なことでは、朝日の調査によると、改定賛成が二九%、反対が二五%答えなし四〇%、こうなっているのですが、さて改定賛成が二九%あるのに、別の質問の、日本の安全保障はどういうのがいいかという質問に対して、驚くべきことは、アメリカに頼るのがいいのが一四%、国連に頼るのがいいのが二四%、中立がいいのが三五%、これは、安保改定に賛成する二九%の人の中に、また別の角度で中立に賛成する人がいかに多いか。これは観念の混同ですけれども、しかほどさように問題がむずかしい。国民はわかっていない。別の言葉で言えばあなたが言われるような、自主性を強めるための改定ということを国民が望んでいるのではなくて、これは、岸内閣が一つの何か国民へのおみやげというか、キャンペインという意味で自主性を名とする改定に乗り出したということであって、国民が望んだものではない、こういうことを明らかに立証していると思うのであります。また、改定の賛否については、先ほど朝日の世論調査の結果を申しましたが、非常に賛成論が少ない。反対論がやや上回っておるけれども、わからない方が多い。東京新聞の調査によると、賛成論が二四・九%、反対は三六%、こういう結果が出ている。ですから、私が申し上げたいことは、改定は、国民が望んだのではなくて、岸さんが……、吉田首相がさっきも言ったように日本の独立平和条約を作り、鳩山氏は日ソ共同宣言によって、サンフランシスコ平和条約で残されたソ連との平和をもたらした。今度は、岸さんが何か一つ事績を残すとすれば、アメリカとの関係の新時代、対等なるパートナー、こういうキャッチ・フレーズのもとに、自主性に基づいた安保改定をやったというのが、これが一つのあなたの基本的な政治的なねらいだ、それで出発して、今日国民が望んでおらない、世論が熟しておらないにかかわらず、安保改定を強行されようとする、ここに世論調査に現われた、国民がわからないという結果が出ているのではないですか。その点はどうお考えですか。
岸
岸信介#18
○国務大臣(岸信介君) 安保条約のこの問題は、お話の通り、国民が内容を知らない者がまだ相当におるということは、私は事実であると思います。従って、これに対して十分なPRをして、理解を進めていかなければならない。政府及び与党におきましても、その方針のもとにいろいろと努力をいたしております。さらに私は、大事なことは、この安保条約に関連しての国会におけるところの審議を十分に尽くして、その審議の過程において、政府の考えておる、またこれに対して野党方面から疑問とされておることを、国民の前に国会の審議を通じて明らかにすることによって理解を進め、今までまだ知らないというような人々がこれに対して正しい判断ができるような審議を尽くしていくということが必要である。かように考えております。
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曾禰益#19
○曾祢益君 国論の帰一を求める場合に考えなければならないのは、安保の解体が、先ほども言ったように、いずれかの時期にやられなければならないということについては、これは私は国論が一致していると、ただ、その場合に、アメリカとの関係をどうするのか、アメリカとの関係を強めるのか、それともそれを薄めていくのかという点についての、これは確かに意見が分かれておるところだと思います。思いますが、しかし、少なくともこの十年ばかりの既成事実を一挙に即時にくつがえす、アメリカと共産圏との軍事バランスを一挙にくつがえすということは、これは、ごく一部の議論を別とすれば、これは決して平和にプラスしない。そこで問題は、アメリカとの関係を強める方向ではなくて、逐次薄めていくような方向で安保の改定を考えるということならば、そこに大まかな国論の帰一ということは決して求められないものでは私はないと思うのであります。わが党のいう段階的解消というのは、まさにそういう意味でります。これを逆に保守党の立場からいっても、アメリカとの関係を断ち切るのは反対だという立場に立っても、しかし、少なくとも国民が望んでいるように、アメリカにあまりに深入りせぬ方向に逐次やっていったらどうだ、こういう改定の内容が初めからもっと真剣に考えられたらよかったのではないか。当然考え得たはずだ。こういう意味で、政府の安保改定に対する取っ組み方、基本的方向というものについて、単なる自主性の云々ということで、国論帰一への真の努力がなされていなかった。そういう意味から、政府が一体アメリカ軍の駐留という問題をどう考えるか。はたして常時駐留ということが絶対必要であるのかどうか。これは、国際情勢の関係からいっても、兵器の関係からいっても、国民の気持からいっても、まず好ましくないということが世論は一致していると思うのです、アメリカの都合は別ですけれども。そういう意味で、常時駐留ということをやめるような方向で一体それを土交渉したのかどうか。こういう点と、一体、アメリカとの間に安全保障の何らかの約束が要るという立場に立つ人が私は多いと思うのですが、そういう場合に、一体国際的な例から見て、安全保障条約というものは、いわゆる締約国の、つまり友好国といいますか、軍隊が必ず駐留するというのが井通のパターンなのかどうか、これらの点について、政府はもうアメリカ軍の駐留というのはあたりまえなんだという態度でこの改定に臨んでおる。もう国民に対しても、アメリカ軍がいるのはあたりまえなんだと、こういうふうに押しつけようとしておりますけれども、一体集団安全保障——国連憲章五十二条等に基づく地域的集団安全保障の普通の形においては、決して締約国軍、友好国軍の軍隊の駐留ということが、これは原則ではない、むしろそれは例外だということが明らかではないのですか。この点についての総理の説明を求めます。
この発言だけを見る →岸
岸信介#20
○国務大臣(岸信介君) 集団安全保障の形として、常時駐留が一般のパターンであるか、あるいは有事駐留がパターンであるかというような御質問でありますが、私は、そういうことは、別にどちらが原則であり、どちらが例外であるというふうに言うことは適当でなかろう。両方があるのでありますから、それぞれの事態に応じて、また、その国の情勢に応じて適当な方法がとられる、こう考えるべきものでありまして、どっちが原則であるというふうには考えておりません。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#21
○曾祢益君 それは答弁になっておりません。例外であるというよりも、むしろこれは異質のものだ。安全保障の体系として、外国軍が駐留するなんというのは、全くこれは異例である。それを国民に明らかにしないところに、この不明朗なものがあるわけです。
そこで、次に移りますが、そういう意味で、常時駐留ということをやめるという態度で問題をとらえたならば、国論に対する大きな一つの帰一への可能性を少なくとも展開したと思うのです。はなはだ遺憾です。そこで、常時駐留が直ちにやまらない場合においても、一体駐留の目的を日本防衛に限り、極東の平和と安全という駐留を頭からこれをのかしてしまうと、こういうことは、これは、日本の側からいうならば、当然の要求じゃないですか。この点についても国論は、まあ駐留がやむを得ないという立場をとるならば、せめて日本防衛のための駐留であって、極東の平和と安全という、日本に直接何といっても関係のない問題で、そういう今の条約体制をそのまま残さないでくれというのが、これは国民の一致した希望ではないのですか。その点はどうですか。
この発言だけを見る →そこで、次に移りますが、そういう意味で、常時駐留ということをやめるという態度で問題をとらえたならば、国論に対する大きな一つの帰一への可能性を少なくとも展開したと思うのです。はなはだ遺憾です。そこで、常時駐留が直ちにやまらない場合においても、一体駐留の目的を日本防衛に限り、極東の平和と安全という駐留を頭からこれをのかしてしまうと、こういうことは、これは、日本の側からいうならば、当然の要求じゃないですか。この点についても国論は、まあ駐留がやむを得ないという立場をとるならば、せめて日本防衛のための駐留であって、極東の平和と安全という、日本に直接何といっても関係のない問題で、そういう今の条約体制をそのまま残さないでくれというのが、これは国民の一致した希望ではないのですか。その点はどうですか。
岸
岸信介#22
○国務大臣(岸信介君) 極東の安全と平和というものは、現行の何にもありますし、条約、安保体制にもある形であります。これはやはり日本の平和と安全ということときわめて密接な関係があるのでありまして、今日の情勢から考えてみまして、この極東の平和と安全が著しく脅かされ害されるということがあって、そうして日本だけは安全であるというふうな、切り離して考えることのできない面が私はたくさんあると思います。従って、これを存することは、やはりわが日本の平和と安全を守る安全保障体制からいうというと、日本の立場からも必要である。ただ、この場合において、極東の平和と安全というものが侵害されたか、脅かされたかということをアメリカが一方的にきめるということは、日本にとってこれは適当でないと思います。現行の安保条約がその点において非常に不備である。今回の問題におきまして、協議の対象あるいは一般的協議の対象とし、また、これに対して武力攻撃があった場合に米軍が出動する場合においては、事前協議の対象とするということによって、日本の立場から、われわれは、不必要な米軍の行動というものを制約していく、こういう立場を明らかにしたわけでありまして、極東の安全と平和と日本の平和と安全とを全然切り離して考えるような考え方は、私どもはとっておりません。
この発言だけを見る →曾
曾禰益#23
○曾祢益君 これも私は詭弁だと思うのであります。アメリカの方が要求する建前とするならば、これはわかります、現状の安保条約がそうであるのですから。日本の方から日本の安全のためにアメリカ軍にいてもらう。日本の安全と極東の平和と安全というものが真に不可分一体であるならば、それは協議条項なんか要らないはずである。そういう意味で、これは日本国民の希望ではなくて、アメリカの希望に従った。そのために、極東の平和と安全のための駐留ということが削除できなかった。削除できないから、その行使にあたって、つまり駐留権を行使して、日本からの出撃にあたっては、せめて日本との相談ということで辛うじて押えたというのが実情ではないですか。私どもは、外交折衝の過程において、そういうことがあったかもしれませんが、これは何といっても国民が望んでいないのですから、極東の平和と安全のための駐留は、これは削ってもらいたい。こういうことをもう一ぺんアメリカと交渉するお気持はないか。この点を伺いたい。
この発言だけを見る →岸
岸信介#24
○国務大臣(岸信介君) 今お答えを申し上げましたように、極東の安全と平和というものと、日本の平和と安全というものと、非常な密接な関係があるという見解に私どもは立っております。しかし、常にこれが重なるというわけではございませんから、一致するというわけではありませんから、ある場合においては、そのために、その事由で出動することに対して日本が拒否するということもでき得るように、事前協議の対象としたわけであります。これを全面的に削るということは、日本の平和と安全を維持する上からいっても適当でない、かように考えます。
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曾禰益#25
○曾祢益君 意見が合わないのですが、そこでもう一つ、国論の帰一を求める意味の改正ということを考えたときに、非常に遺憾なことは、かりに今首相の言われるように、米軍の常時駐留も削れない、また、極東の平和と安全のための駐留という目的も削れない、すなわち、現在の基地貸与協定の性格のままでやむを得ないということを一応前提としても、そうなればこそ、その基地貸与協定的な性格の現在の条約を、何ゆえに新条約の第三条、第五条のような、バンデンバーグ決議を軸とするところの、何と政府が陳弁しても、全く基地貸与協定の性格とは違った新しい相互防衛条約のこのパターンの方に行ってしまったのか。これこそ全くよけいなことではないか。問題は、先ほど申し上げたように、基地貸与協定の性格をやめて、基地のない安全保障の体系を求めるのか。それとも、基地貸与協定の性格はやむを得ないとして、せめて三条、五条のような、よけいな、この日本の国民の意思や憲法の精神に反するようなこういう相互防衛方式をなぜとらなきやならなかったか、これについても国民は全然納得していない。なぜ三条、五条を入れるようなことをされたのか、この点を伺います。
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岸信介#26
○国務大臣(岸信介君) 三条は、言うまでもなく、これはアメリカがいろいろな意味において援助する立場においては、その国が自分の力に応じて自主的に自分の国を守るという努力をしておる国に対してだけ相互的な援助をするという、このアメリカの考え方があることは御承知の通りであります。いわゆるバンデンバーグの決議の趣旨はそこにあると思うのであります。しこうして、日本が独立国として日本の自衛力を国情に応じて漸増するという方針が自主的にきめられるべき問題であって、このことを三条において声明しただけでありまして、私はこれによって新たな自主的な義務を加重するものだとは考えておりません。
また五条において、われわれが、この五条の改正は、要するに日本領土に対する武力攻撃が行なわれた場合において、日米が共同してその武力攻撃を排除するに必要な措置をとるということを明らかにしたものでありまして、決していわゆるこの集団的、一般の集団安全保障体制のように、日本が日本の領土外に出てアメリカに対する侵略を、武力攻撃をわれわれが防衛する義務を負うわけではございませんがら、日本の本来の領土に対する武力攻撃があった場合にこれを排除するということでありますから、これまた今お話しになりますけれども、われわれが一部で言っているように、海外派兵の危険があるというようなことは絶対にないのでありまして従って、これまた自主的な新しい何か義務を負担するというような性質のものではないと、こう考えております。
この発言だけを見る →また五条において、われわれが、この五条の改正は、要するに日本領土に対する武力攻撃が行なわれた場合において、日米が共同してその武力攻撃を排除するに必要な措置をとるということを明らかにしたものでありまして、決していわゆるこの集団的、一般の集団安全保障体制のように、日本が日本の領土外に出てアメリカに対する侵略を、武力攻撃をわれわれが防衛する義務を負うわけではございませんがら、日本の本来の領土に対する武力攻撃があった場合にこれを排除するということでありますから、これまた今お話しになりますけれども、われわれが一部で言っているように、海外派兵の危険があるというようなことは絶対にないのでありまして従って、これまた自主的な新しい何か義務を負担するというような性質のものではないと、こう考えております。
曾
曾禰益#27
○曾祢益君 この第三条、第五条が何とおっしゃっても、これはアメリカと各国が加わった二国間、あるいは多数国間の条約にあるバンデンバーグ決議を軸とするいわゆる相互防衛条約のパターンである、これは明瞭です。今、私はこの三条、五条から日本軍の海外派兵が直ちに出てくるなどという、そういう何といいますか飛び離れた議論をしているのじゃない。これは相互防衛条約の本質であるということを言っておるわけです。
そこで、これもこの前の参議院の予算委員会において私が伺ったのですが、それじゃ第三条に入りましょう。第三条において、「それぞれの能力」つまり日米両国は「継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力」を維持、強化する、こういう約束ができておるわけですね。そこで、その「それぞれの能力」とはどういう能力を言うのか。すなわち、これの最もひな形であるNATO第三条には、この「それぞれの能力」というところに該当する場所には「個別的の及び集団的の能力」ということを書いてあるんですね。そこで、新条約は、なるべくそういう点をまあ簡単に言えばごまかそうとして、「それぞれの」という適当な言葉を使っているようだが、そのときからもう使うと言っているんですから、藤山外相が……。そこで、その「それぞれの能力」というのは、集団的な防衛力ということは入ってないのかどうかということを伺ったわけです。それに対して外相の答弁と首相も同様だと思うんですが、入っておらない。つまり日本の場合は日本の防衛力に限るんだ、こういうことを言っておられましたが、条約を作った立場から言って、正式にできたのですから、その点は間違いないですか。外相からお答え願いましょう。
この発言だけを見る →そこで、これもこの前の参議院の予算委員会において私が伺ったのですが、それじゃ第三条に入りましょう。第三条において、「それぞれの能力」つまり日米両国は「継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力」を維持、強化する、こういう約束ができておるわけですね。そこで、その「それぞれの能力」とはどういう能力を言うのか。すなわち、これの最もひな形であるNATO第三条には、この「それぞれの能力」というところに該当する場所には「個別的の及び集団的の能力」ということを書いてあるんですね。そこで、新条約は、なるべくそういう点をまあ簡単に言えばごまかそうとして、「それぞれの」という適当な言葉を使っているようだが、そのときからもう使うと言っているんですから、藤山外相が……。そこで、その「それぞれの能力」というのは、集団的な防衛力ということは入ってないのかどうかということを伺ったわけです。それに対して外相の答弁と首相も同様だと思うんですが、入っておらない。つまり日本の場合は日本の防衛力に限るんだ、こういうことを言っておられましたが、条約を作った立場から言って、正式にできたのですから、その点は間違いないですか。外相からお答え願いましょう。
藤
曾
曾禰益#29
○曾祢益君 こういう意味でございますとおっしゃいますけれども、一向に「それぞれ」という味は出てないですね。まあこれは非常に細目で恐縮のようですが、重要な点ですから、特にお許しを願って英文で見れば、言うまでもなく「それぞれの」というのが「ゼア」、彼らの能力、ゼア・キャパシティ、こうなっているのですね。従って、この「ゼア」ということは彼らのということであって、日米両国が個別的に持つ能力もあろうし、あるいは集団的能力を持っても、彼らが共通で持つというときにも、彼らというこれは形容詞は使われるわけですね。どこに日米両国「それぞれの能力」を維持、強化するというは、日本としてはこれはもう絶対にはっきりしなきゃならぬのに、出てない。それを日本語に訳するときには、みごとに「それぞれ」といって、いかにも各個各別の能力を持つというがごとき言葉を使っておられますよ。もしそういうことを明らかにするなら、まあ英語で言えば、ゼア・オウン・コレクティブ・キャパシティズ、またはゼアシスペクティブ・キャパシティズ、彼ら自身の彼らのそれぞれの各自という言葉を使われてそうして日本語で「それぞれ」ということになっているならば、これは国民も納得するでしょう。英語では「ゼア」つまり日米両国の個別的集団的の能力を維持しというのは、これはバンデンバーグの精神なんです。それを日本の場合は憲法の建前でそれができないというのなら、なぜそういうことをはっきり書いていないのですか。どうしてその「ゼア」ということが日本、アメリカ個々に持つ能力で、集団的防衛力を排除しているという証拠がありますか、見せて下さい。
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