曾禰益の発言 (予算委員会)
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○曾祢益君 そういうどうもへ理屈を言って、この大きな問題をはぐらかすことは、これは不謹慎だと思います。もとより中国が核武装化するかしないか、これはわかりませんが、その中国が核武装する一つの、唯一ほとんど無二のそれを正当化する立場というものは、中国がアメリカの核兵器攻撃の対象にさらされている、これに対して自分もやらなきゃいけないという、こういういわゆる対米関係から来た核兵器を持つべきという議論があるわけであります。従って、総理が言うように、安保条約とは無関係だなどというのは、これはとんでもないうそであって、冗談じゃない。そういうことが、アメリカの核武装をしている第七艦隊あるいは在日空軍という問題が、しいるといったらいいかもしれませんが、これが最大の核武装化へのいざないだと思うのです。従って、関係のないどころじゃなくて、これが最大の口実であって、従って、今度の安保で、米軍の日本への核武装持ち込みの契機を失わせる——これは、私は内容の点で申し上げますが、そうなっていない、日本の相談、日本の意思によっては持ち込めるような条約になっているわけなんですから。しかし、いずれにしても、問題はそういったようなこと、中米関係の悪化をそのままにし、そうして安保改定をやる。しかも、今度の安保条約で、何といっても日本への核兵器持ち込みについていろいろな抜け穴がある。協議事項についてもその通り。また、兵器の方からいっても、出撃の方からいっても、そういう問題であるから、そういう観点から、この問題が無関係なんだということは不謹慎きわまりないことであって、ほんとうに中国の核武装化をとめる熱意がないと言われてもいたし方ないと思う。答弁は求めません。
次に、安保改定に関する今度は国内の情勢を考えてみたいと思うのであります。一体岸総理大臣は、安保改定をやるのにあたって、国論の帰一、統一をほんとうに求めたかどうか、こういう点であります。先ほども、またしばしば岸総理も言われるのですが、自主性を強めるために早く改定しろというのが世論である、事実はそうじゃない。この前も議論になりましたが、今回も、もう調印をした後の世論調査の結果は、総理の言っていることと全然反対の結果が出ているのです。たとえば、安保改定という問題を知っているかどうかという朝日新聞の調査によると、知っているという者が六六%、知らないという者が三四%、安保改定が問題になっていることを知っているのは六六%。しかも、さらに聞いてみて、内容まで知っているかといったら、現に内容を知っている人は一七%、内容を知っている者は。それから、東京新聞のやはり最近の世論調査によると、内容を知っているかということに対する答、知っているという者は五五・六%、知らないというのが四四・四%、しかも、内容を知っていると言った人をさらに聞いてみると、実際上知っている人はたった三四・二%、これが世論調査の結果として現われているのです。さらにまあ、何といいますか、皮肉なことでは、朝日の調査によると、改定賛成が二九%、反対が二五%答えなし四〇%、こうなっているのですが、さて改定賛成が二九%あるのに、別の質問の、日本の安全保障はどういうのがいいかという質問に対して、驚くべきことは、アメリカに頼るのがいいのが一四%、国連に頼るのがいいのが二四%、中立がいいのが三五%、これは、安保改定に賛成する二九%の人の中に、また別の角度で中立に賛成する人がいかに多いか。これは観念の混同ですけれども、しかほどさように問題がむずかしい。国民はわかっていない。別の言葉で言えばあなたが言われるような、自主性を強めるための改定ということを国民が望んでいるのではなくて、これは、岸内閣が一つの何か国民へのおみやげというか、キャンペインという意味で自主性を名とする改定に乗り出したということであって、国民が望んだものではない、こういうことを明らかに立証していると思うのであります。また、改定の賛否については、先ほど朝日の世論調査の結果を申しましたが、非常に賛成論が少ない。反対論がやや上回っておるけれども、わからない方が多い。東京新聞の調査によると、賛成論が二四・九%、反対は三六%、こういう結果が出ている。ですから、私が申し上げたいことは、改定は、国民が望んだのではなくて、岸さんが……、吉田首相がさっきも言ったように日本の独立平和条約を作り、鳩山氏は日ソ共同宣言によって、サンフランシスコ平和条約で残されたソ連との平和をもたらした。今度は、岸さんが何か一つ事績を残すとすれば、アメリカとの関係の新時代、対等なるパートナー、こういうキャッチ・フレーズのもとに、自主性に基づいた安保改定をやったというのが、これが一つのあなたの基本的な政治的なねらいだ、それで出発して、今日国民が望んでおらない、世論が熟しておらないにかかわらず、安保改定を強行されようとする、ここに世論調査に現われた、国民がわからないという結果が出ているのではないですか。その点はどうお考えですか。