市川房枝の発言 (予算委員会)

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○市川房枝君 けさ自民党の選挙調査会の案を拝見いたしましたが、選挙制度調査会の答申並びにこの間発表のありました自治庁の案の以外に、新しいことも加わっておりますようですし、自治庁の案よりも少し進んだような点もあるように拝見を実はしております。その中で、私拝見いたしまして、新しいこととして、立候補に推薦を必要とされておりますが、ただ、要綱を詳しく拝見いたしますと、現在の公職選挙法にありまするのと比べまして、従来の推薦選挙制はそのままで、これを七名ないし十名の推薦が必要となっております。普通今まで候補者個人の一人の名前で立候補の届出ができましたのが、今度は七名ないし十名の推薦を必要とすることとなっております。これでも私はないよりも幾らかいいと思いますが、全部を推薦選挙制に切りかえられることの方がむしろ望ましい。おそらく青木調査会会長は、先般イギリスの選挙をごらんにお出になりましたので、これはイギリスの選挙からおとりになった一つの考え方ではないかと思うのでありますが、イギリスの選挙でありますと、いわゆる候補者個人の届出というものは認めないのでありまして、十名以上の推薦者が届け出る。それに対して候補者が立候補の承諾書に署名するという制度になっておるわけであります。もちろんイギリスでも現在は形式的になっておりますけれども、しかし、私はやはり候補者が推薦されて立候補する、推されて出るのだというような考え方が非常に大事でありまして、そうすれば、選挙費用はだれが出すか、推した人たちが出すのだというイギリスのようなやり方になってくると思いますので、この点は自治庁でさらにこの成案をおまとめになりますときに一つお考えを願いたいと思います。それから、トラックが使えないことになっているのは、私は大賛成でございます。それから、選挙違反者の票数を削減するということでございますが、これもけっこうだと思いますが、ただ技術的にどうかと思います。この点に関連しては、あとでまた私も選挙費用の点でちょっと言及したいと思っておりますが、それを自治庁に特にお願いをしておきます。
 選挙制度調査会の答申案の前文を見ますると、選挙の公明化をはかるためには、衆議院議員の選挙について小選挙区制を採用すると、選挙区制度の根本を改める、こういうことになっておりますが、政府はこれをどういうふうに御解釈になっておりますか。小選挙区制というものはもう既定の事実で、もう決定しているというふうに御解釈になっておりますかどうか、それを伺いたいと思いますが、私はまあ小選挙区制必ずしも反対ではございません。イギリスの小選挙区制のよいところも見て参りましたが、現在の日本の選挙界の実情、有権者の政治意識から見まして、かえって不公明になる心配が多分にございます。また多数党がさらに増加し、少数党が減少するという状態は、日本の現在の政治にとっては望ましくないと考えておりますので、日本ではむしろ西ドイツで行なわれている小選挙区制と比例代表とを併用する、議員の半数は小選挙区制で選挙する、半数は名簿式比例代表によって党に投票する、有権者は二票持っている、こういうやり方でございますが、その方が私は日本の現在には適当しているのではないかと思っております。自治庁ではこの制度についての調査をお進めになっておりますかどうか、長官はこの制度に対してどういうふうにお考えになっておられますか、御意見を伺いたい。

発言情報

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発言者: 市川房枝

speaker_id: 31919

日付: 1960-03-19

院: 参議院

会議名: 予算委員会