小坂善太郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私に対する御質問は二点あったと思いますが、順次お答えを申し上げます。
まず第一問は、わが国の外交方針は、国の繁栄と世界平和をはかるための新安保体制を堅持していくことであり、中立主義はわが国の安全について不適当であると思うがどうか、こういうことでございます。われわれは、国連中心主義ということを言っておりまして国連を強化して参りたいということを大きな外交方針にいたしておるのでありまするが、御承知のごとく現在の国連におきまして、安保理事会において大国の拒否権というものがありまして、一九五〇年に第五回総会で、その場合は平和結集決議というものに基づきまして緊急特別総会を開くことになっておるのであります。しかしながら、そうして特別総会の議決を経るということになりましても、その間にやはり補完的なものが要るわけでありまして、その意味におきまして日米間に安保条約が結ばれていることは、すでに御承知の通りでございます。そうしたこの安保条約というものを中心といたしまして、自由主義諸国との間に緊密に協力することによりまして、わが国の平和と安全を従来確保して参りましたのでありまするが、その間におきまして非常に少ない国防費をもってその間の補完の役割を果たしてきたということが言えると思うのであります。この年の予算におきましても、総予算の九・六%というものが防衛費でございまして、一方、社会保障費は一七・四%ということになっておりまして、これは世界の文明国の例を見まして、非常に少ない国防費で、しかも社会保障費がその倍になっておるということは、特筆すべきことかと考えるのでございます。こうしたことがやはり今日の経済の繁栄と国民生活の安定向上に大きな役割を尽くしておると思うのであります。従いまして、こうした環境をわれわれは維持、堅持して、さらに発展をさして参りたい、かように考えておるのであります。いわゆる中立論は、こうしたわが国の平和と繁栄の基礎をくずすおそれのあることを思いまして、われわれはこれに同意し得ないのであります。また、わが国の位置いたしまする国際環境を見ましても、政治的、軍事的にもなお不安定な極東におきまして、高度の工業国といたし、また九千万の人口をこの狭い国土に擁して、しかもその経済的な、あるいはまた文化的な水準というものがすでに高い、この高い水準をさらに発展せしめていくということが必要とされておりまするわが国にとりまして、現在の態勢というものは、そうした状況から最も適切なものであると考えておるのでありまして、こうした環境を現実にくずすおそれのある中立主義というものは、われわれはこれをとることはできないと考えておるのであります。わが国におきましては、中立主義の要件というものは現実に存在しない、かように考えておる次第であります。
次に、国連中心の外交というが、わが国は国連をしてその機能を十二分に発揮させ、かつこれを強化していくベきであると考える、そのためのわが国の果たす役割をどう考えるか、またAA諸国との協力関係についての所信を、ということでございました。この点につきましては、すでに総理大臣から御答弁があった通りでございまするが、若干補足させていただきますると、国連は、今日わが国において、世界平和を維持するための唯一最高の機関と考えております。従って、これを達成しまするために地道な努力を構成国民はしなければならぬと思うのであります。これは国連の場を利用して派手な自己宣伝をしたりするということよりも、その構成員がまじめに、実質的に話し合いをするような雰囲気を作っていく努力が必要であると思うのであります。そうした意味から、実質的な決議の尊重あるいは人的な資金的な奇与をするというようなことをして必要な国連強化のための措置をとって、日本はその間において尊敬される立場をとって参りたいと考えておるのであります。AAグループは、総理大臣からお答えの通りでございまして、この諸国に属するわが国といたしましアジアの繁栄のために、またアジア・アフリカ・グループ全体の希望というものを強く国連に反映せしめるという態度をとると同時に、その繁栄に寄与するということについて積極的な寄与をいたしたいと考えておる次第でございます。(拍手)
━━━━━━━━━━━━━