愛知揆一の発言 (予算委員会)
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○愛知委員 その次に、やはりこの経済審議会の答申と総理のお考えの間に若干のそごがあるのではなかろうかという問題があるのであります。これは今回の総理の所信表明の演説の中にも取り上げられておることでもあり、また、たまたま実は昨年の十月に、自由民主党といたしましては倍増計画の構想というものを策定をいたしたわけでございますが、その策定をされました倍増計画の構想の中では、何よりもまず第一の基本的なかまえ方として農業と非農業との間、大企業と中小企業との間、それから地域相互間に存在するところの生活上及び所得上の格差の是正に努めるということが、まず第一の考え方の基本として取り上げられておるわけでございます。この格差の是正によって、国民経済と国民生活の均衡ある発展が期せられる、これがこの倍増計画の一番の基本の構想になっておるわけでございます。そうしてこの考え方は、たまたま総理の今回の所信表明の御演説の中にも非常にはっきりと出ておるのであります。この点は私も意を強うするわけでございますが、これをもっと率直に申しますと、実は今後十年間のわが国の経済の動向を考えますのに、国際的にあるいは国内的によほどの大動乱でもない限り、またそういうことはあろうとも思わないわけでありますが、そういうことがない限りにおいて、国民の総生産あるいは総所得が十年間に倍になる、あるいは国民の平均の所得が倍になるということは、これは言葉が足りないかもしれませんが、当然これはできることである。しかし問題は、いわゆる均衡のある発展を期することが大事なことであって、これが私は政治の課題であると思うのであります。ところがこういうふうな考え方に対しまして、この経済審議会の国民所得倍増計画の中には、この最初の目次だけを見ましても、そういう点ははっきり現われておりません。それからこの前提となる考え方の基本的の態度の中にも、この点がどうもぼやけているような感じがするわけでございますが、先ほどの総理の御答弁で明らかでありますように、この審議会の計画そのものはあくまで参考の指針である、政府としては別個にこれを参考にして倍増計画の策定をされるということでございますから、この点を追及するわけではございませんが、しかし私がここに明確にしておきたいと思いまするのは、今の倍増計画というものの取り上げ方の基本的な態度、いわゆる格差なき倍増、均衡ある倍増、この点が非常に重大な点であるということについての総理のお考えというものをいま一度ここで明確にしていただきたいと思います。