池田勇人の発言 (予算委員会)

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○池田(勇)国務大臣 産業の地方分散と申しますと、あるのを分けるように聞こえますが、そうでなしに、今度ふえる産業、工場を地方に持っていくということは先ほど申し上げた通りでございます。従来わが国におきましても、たとえば電力の安いところ、福島県の郡山とかあるいは富山県等におきましては、動力が安いというので自然に工場が設けられたのであります。また労働問題にいたしましても都会地よりも安い。こういうところで産業の地方分散ということが経済的に行なわれておりましたが、今はそれがよほどなくなってきた。そういう好条件が地方になくなってきたから、これをやはり政府の手でいろいろ考えなければならぬというので、北海道開発法とかを初めといたしまして各地に地方振興の法律が出てきておるのであります。しかしこれをもってしてはなお足りません。お話の所得倍増計画案にいたしましても、太平洋地域のベルト地帯とか、あるいは現存の地帯をふやすというようなことにとどまっておりますが、私はそれでは今の格差の縮小するということに沿わないので、お話のような強力な手段をとらなければから念仏に終わるのではないかと私は思っております。イギリスにおきましては、以前に工場法を設けましてそういうことを意図しておったようでございます。私は地方分散につきましてのあなたの今の施策、たとえば地方税におきまして固定資産の軽減とか、あるいは基準財政需要にそれを入れるとか、あるいは国税におきましてもたとえば重要物産の免税措置を産業においてとるがごとく、こういう地方についての工場につきましては所得税を軽減するとか、特に重要なことは償却をうんと縮める。こういうふうにしてあらゆる面から税制において考えると同時に、金融におきましても、たとえば開発銀行からの貸付金利を軽くするとか、いろいろな方法で、あまりオーソドックスな考え方から出てこない今のお話のような点につきまして私はやっていきたい、こういう考えを持っておるのであります。これは経済的に申しますとなかなか困難であります。たとえば石油精製工場を設けますときには、電力——火力発電をどうするかとか、あるいは石油化学を一緒にしなければいかぬ、こういうところで、新しいところへ非常な大工場を設けるということは、経済的になかなか困難な点が多いようでございますが、それを政治的に財政的に金融的に見る措置を講じなければ、私の念願しておる、何と申しますか、農村の振興あるいは今の農民の方あるいは今後農家に生まれてくる二男、三男坊の方々のいい就職場所が手近に得られないことになる。私はオーソドックス的な考え方を変えまして、画期的な措置をとっていく所存でおるのであります。

発言情報

speech_id: 103705261X00319601214_015

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1960-12-14

院: 衆議院

会議名: 予算委員会