愛知揆一の発言 (予算委員会)

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○愛知委員 総理のオーソドックスな従来の考え方にとらわれずに画期的な努力をしていくつもりであるというお言葉は私も敬意を表しますが、同時にそのお言葉が現実に関係の各省その他にも徹底いたしまして、今のお言葉通り、すみやかにこれがいろいろの措置の上に現われることを私は特にお願いをいたしておきたいのであります。なおただいまのお言葉の中に、ベルト地帯の構想のことがちょっと出たわけでございますが、実はこの点も、先ほど問題にいたしました審議会の答申との間に私どもの考えが食い違っておるところでありまして、後進地帯の開発は、ベルト地帯の開発が済んでから、その後の、つまり十年の計画が済んだその後に積極的に取り上げるというような考え方が審議会の答申では出ておったのでありますが、それでは総理のおっしゃるような農村問題との関連において問題を解決することにはならない。少なくともなりにくいという点をここには指摘いたしまして、ただいまの総理の御答弁通りに、後進地域に対する施策が伸びることを私は期待をいたしまして、この点についての質疑は一応この程度にいたしておきます。
 さらにその次の格差の問題は、大企業と中小企業との関係の問題でございます。この点につきましては、特にるる申し上げる必要もないのでございますが、一言にして申しまするならば、最近のわが国の経済が示した異常な成長の過程を顧みて見ますると、大企業は非常に高い投資水準を続けておる。欧米の先進国の先鋭企業にもまさるような近代設備をなし遂げております。そうしてたとえば重化学工業は急速に進展して産業構造がいわゆる高度化したわけでございます。ところが総体的におくれた生産設備あるいは安い労働力で形成されておる中小零細企業との間には、それだけに二重構造的な様相がきわめて顕著になってきたというのが偽らざる今日の実情であるわけでございます。従って、私はこうしたこの最近における二重構造が顕著になった点を可及的に解消するという立場から、中小企業対策については、従来のように、ただ一般的な金融を円滑にするとか、あるいは税において若干の軽減をするとかいうような、この中小企業全般についてまあこれならばというようなふうなところではなくて、各業態別にいわゆるきめのこまかい対策を法律的にも行政的にもぜひとっていく必要があるということを私は指摘しておきたいと思うのでございます。ことにまた、大企業が今後ますます発展する、そうして相当の高賃金でそこにおいて雇用が増大してくる。これに対して反射的に中小の企業はその面からも人を得ることが困難になってくる。また、人を得るためには高賃金にしなければならない。それがまたそれらの生産や商いの上のコストに響いてくる。そこに目をつけたいろいろの政治的、社会的な運動の芽ばえやいろいろのトラブルが起ってくる。こういう点についてもあわせて総合的な立場からのきめのこまかい対策というものを一つぜひ心がけていただかなければならないと思います。これらの点については関係するところが各省多岐にわたりまして、各大臣からそれぞれ御所見を伺いたいところでありますが、時間の関係もございまするので、総体的な考え方について総理の御所見を今日は伺うにとどめたいと思いますが、どうか今申しましたような点についての総理の率直なお考えと御決意のほどを一つお漏らし願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 103705261X00319601214_016

発言者: 愛知揆一

speaker_id: 34728

日付: 1960-12-14

院: 衆議院

会議名: 予算委員会