池田勇人の発言 (予算委員会)

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○池田(勇)国務大臣 先ほどお答えするのをちょっと忘れておりましたけれども、各国の、ことに西欧諸国のドル防衛についての協力でございまするが、低開発国のみがまだきまっておりません。ドイツは相当真剣に考えております。ドル防衛の問題といたしましては金利の問題がある。イギリスはこのドルの状況を見まして、十月二十七日に中央銀行の金利を六%から五・五%に下げた。またフランスも四%から三・五%に下げておる。ドイツは十一月に五%から四%に一%下げた。イギリスは八日に五分五厘から五分に再度下げております。この下げた理由を聞きましても、これは下げるような状況じゃないのだけれども、今度金利政策を弾力的にやっていこうと表明しておりまするが、アメリかの金利とヨーロッパの金利との差をここである程度是正して、ドル防衛に協力する態度でこういう措置をとったと私は考えております。私は日本の金利については申し上げませんが、とにかく西欧諸国はこういうふうに協力関係になっておる。私は、こういうのはやはり他山の石としてわれわれが外交あるいは経済政策に考えなければならぬ問題だと思っております。
 次に外資の問題です。アメリカからドルの流出があるからこれをとめるのじゃないかという考え方を持っておる人もありますが、私の聞くところでは、そこまでいってはいないのじゃないか。これは専門家から申しますと、たとえばフォードの会社がイギリスにおける自動車製造会社の株を過半数くらい持っておったけれども、今度全株を引き受ける。そういうことになると、三億ドルくらい出ていく。こういうようなものにつきましてそれが行なわれておることを見ますと、外資の導入に対してどれだけの影響があるかということはまだ即断できない。願わくはあまり影響のないことを私は願いたい。しかし、アメリカ側の導入がいかなければ、われわれとしても今度はヨーロッパ諸国からの導入を考えるべき事態にきておるのじゃないか。しかし私は御質問について答えるのは、日本の外資導入について大した影響はないのではないか。今のイギリスの例等を見ましてそう考えております。
 それからガリオアにつきましては、どちらかの本会議でお答えしたように、私は以前から債務と心得ております。総理大臣に直接のお話はまだございません、今後の問題として検討いたしたいと思います。
 それから低開発国への出資、これは私はせんだってもフィリピンとの通商航海条約を締結し、また昨日もパキスタンの大統領に、パキスタンの経済五カ年計画に対して日本の援助をほしい、こういう申し出がありましたから、それならばパキスタンと早く通商航海条約を結びましょう。日本人が自由に出入りできないし、行ったって短日月しか滞在できないというのでは経済交流もできないから、早く通商航海条約を結びましょう。また先般インドネシアの大統領が来ましたときも、私は、通商航海条約を結ぶことが日本が低開発国に対して力を入れるもとなんだから、この通商航海条約を結ぶべく話をいたしまして、賛成を得まして、近日中条約を結べることと思いますが、私は、低開発国に対する援助はドル防衛があるなしにかかわらず、われわれはできるだけやっていくことが日本の東南アジアにおける立場から申しまして、日本自体を伸ばしていく上におきましても非常に必要なことでございます。従いまして、御審議を願っております輸出入銀行に対する出資も、やはり低開発国、中南米に対しましての経済援助ということが加わっておるのであります。そうしてまた御審議願っております五十億の開発基金につきましても、わが国の事情が許すならば、これをできるだけふやしていきたいという気持を持っております。しかし、何分にも相手のあることであります。また日本もお話しの通り外資を導入しておるような状況でありますから、その点の関係をはかりながら私はできる限り低開発国への協力を進めていきたいと考えております。
 なお、ドル防衛につきまして防衛計画という問題、防衛計画というのはアメリカの軍事援助による日本の防衛の問題と思いますが、私は、アメリカの軍事援助は先ほど申しましたごとくそう大して影響はないのじゃないか。しかし、技術的にいろいろな変化もありますので、一がいには申せませんが、日本の防衛に対しましてのアメリカの物的援助の問題につきましては、われわれは今まで通り行くことを望んでおるのでございます。また日本自体の防衛計画につきましては、ドル防衛の問題とは別個の問題でございます。これは十分国情に沿った計画を立てたいと思っております。

発言情報

speech_id: 103705261X00319601214_023

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1960-12-14

院: 衆議院

会議名: 予算委員会