古井喜實の発言 (社会労働委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(古井喜實君) 今回第二次池田内閣の成立にあたりまして厚生大臣を拝命いたしました。かねてこの方面について御造詣の深い皆さん方の御協力を得まして責任を果たしたいと考えております。この機会に一言ごあいさつを申し上げ、あわせて厚生省所管の諸行政に関して所信の一端を申し述べたいと存じます。
 あらためて申し上げるまでもなく、社会保障の充実をはかり、国民生活の安定と福祉の向上をはかりますことは、福祉国家の実現を期する上にきわめて重要な意義を有するものでありまして、現内閣の基本的な施策の一つとしておるところであります。厚地行政は、これら諸施策を推進するにあたりまして、その中核をなすものとして重要な役割を有するものでありますので、微力ながら全力を尽くしまして、社会保障制度の整備充実に重点を置きつつ、厚生行政諸施策の推進に努めて参りたいと考えております。
 まず第一に、医療保障の問題でありますが、国民健康保険につきましては、未実施の大都市におきましても、事業開始の準備を進めまして、予定通り今年度中には皆保険が達成される見込みであります。一方、給付内容の向上につきましては、結核及び精神病に関する国民の医療負担がきわめて重い現状にかんがみまして、まずこの点に重点を置いて対策を講ずるように検討いたしております。
 また、医療保障の実効をあげますための問題といたしまして、まず医療施設の整備充実の問題がございますが、これにつきましては、本年八月から業務を始めております医療金融公庫の資金ワクの増大等に努力をいたしましていきます一方、また、医療施設運営の合理化につきましては、この方面につきましては、特に最近における世上のいろいろの状況にもかんがみ、その指導に十分の工夫と努力を注ぎたいと考え、目下鋭意検討をじておる次第であります。
 なお、この春発足いたしました医療制度調査会は、その後順調に調査審議が進められておりますが、何分審議内容が重要な問題でありますので、十分な審議を尽くし得るよう、場合によっては審議期間を延長するための必要な措置をとらねばならぬかと考えております。
 第二に、国民年金の円滑な実施であります。国民年金制度は、福祉年金の支給に引き続きまして、明年四月からいよいよ拠出制年金が発足いたすこととなりまして、この十月一日から全国一斉に加入者の届出受付が開始されたのでありますが、特に大都市等の都市部の進捗状況に若干問題がありますほかは、まずまず予期された進捗状況で進んでおります。申すまでもなく、国民年金は、国民皆保険とともに社会保障制度確立の二大支柱をなすとも言うべきものでありまして、将来、国民の所得保障の分野に重要な役割を果たすべきものでありまして、この健全な発展いかんは、今後国民生活の安定に重大な影響を及ぼすものと考えられますので、死亡一時金の創設、六十才からの減額支給など、改善すべき点は、これは通常国会に諮りまして、早急に改善をすることにいたしまして、円滑な実施をはかっていきたい考えでおります。
 また、厚生年金保険等各種公的年金制度との通算調整につきましては、国民皆年金の基礎を固める意味において、その実現がぜひとも必要でありますので、目下この問題については具体案を検討いたしておる次第であります。
 以上のほか、生活保護につきましては、その基準の引き上げ等によってその改善をはかり、また、母子、老人、身体障害者等に対する施策に特段の配慮を加えまして、いわゆる日の当たらない階層にも、その生活の向上等にできる限りの努力を払う所存でございます。
 さらに、健康な国民生活の基本となる生活環境の改善につきましては、これが関連施策の内容が国の他の施策の内容と比較して、あまりにもつり合いがとれていない現状にかんがみ、また、一九六四年のオリンピック開催も一つの契機となって、生活環境の整備を要望する世論もありますことにもかんがみまして、上下水道、屎尿処理施設等、環境衛生施設の整備をはかりたいものと念願をいたしております。
 そのほか、母子衛生の向上、児童の健全育成施策を強化し、国民の資質向上の基礎を固める一方、国立公園及び国定公園の整備、同和対策の推進等、国民福祉の向上に努力をいたしたいものと思います。
 以上るる申し述べましたが、いずれにいたしましても、今後推進すべき厚化行政の具体的な諸施策につきましては、できる限り皆さん方の御意見を尊重いたしまして、その具体的実現につきまして皆さん方の御協力、御援助を得まして、厚生行政の発展をはかっていきたい考えでおりますので、重ねて皆さん方の御協力をお願い申し上げる次第であります。よろしくお願いいたします。

発言情報

speech_id: 103714410X00219601215_004

発言者: 古井喜實

speaker_id: 4326

日付: 1960-12-15

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会