片岡文重の発言 (本会議)
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○片岡文重君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました給与関係三法案に対する反対の討論を行なおうと存じます。
申し上げるまでもなく、国家公務員の給与の問題につきましては、その影響するところきわめて甚大であります。広範であります。従って、これが適正な措置を講ずるためには、あらゆる面から勘案し、検討していかなければならないのは当然でありまして、その第一には、何といっても公務員自体の生活と立場について考えなければなりません。第二には納税者としての国民の立場からであり、第三には雇用責任者としての政府の立場、次には国民の代表者として給与決定の責任にある立法者としての国会の立場から、第五には、国家財政との関係、民間給与との関係、あるいは国民経済全体との関係等々、それぞれの立場と関係とにおいて遺憾のないように、慎重な検討と適正な配慮がなされることが必要でありましょう。しかるに、ただいま上程されておりまする三法案についてこれを見ますれば、いずれの点においてもはなはだしく真劍な考慮の欠如していることが明らかであります。
すなわち、この法案に賛成いたしかねる最大の理由は、もちろんその内容についてでありますけれども、その以前に、公務員給与の改定にあたって政府が十分な検討を行なっていないのではないかという疑いを、私は強く抱かざるを得ないのであります。このこと、は、内閣委員会における数次の質疑を通して、迫水給与担当大臣と水田大蔵大臣との間に、実施期間に対する勧告無視の理由について、大きな食い違いのあることをもって見ても明らかであります。すでに伊藤議員からも指摘せられましたように、人事院制度は、公務員から争議権、団体交渉権等すべてを奪った代償として設けられたものでありますから、これが完全実施ということについては、何をおいてもなさるべき政府の責任であります。しかるに、給与担当大臣と大蔵大臣との間に、完全な連絡検討も行なわれずして簡単に五ヵ月も繰り下げるということは、勧告無視、人事院軽視もはなはだしいものであり、池田内閣が国民生活の向上にいかに冷淡であるかを雄弁に物語る一つの証左であると言えると思うのであります。
次に、わが党は、今回の人事院勧告の内容があまりにも上厚下薄、上に厚く下に薄いということを指摘し、政府が自主的にこれが適正な改定を行なうべきことをかねて要求いたして参りましたが、今回提出せられました法案には全然その考慮がされておりません。すなわち、勧告俸給表で明らかでありまするように、下級職員は一〇%内外しか引き上げておらない。にもかかわらず、局長級は三二彩近くも昇給するなど、すでに同僚伊藤君かち具体的な例をあけて御説明がありましたから、同じ例を引くまでもなく、私はこれを省略いたしますけれども、こういうやり方は、この上に厚く下に薄いというやり方は、どこをとってみても一目瞭然であり、明らかに職階制の強化による過重労働の押しつけであることはもちろん、まさに米と麦の階層格差をますます拡大しようとする池田総理の性格を露骨に現わしたものであるとさえ考えられるのであります。このことはまた、特別職の俸給表を見ましても明瞭であります。すなわち、総理大臣は一躍七〇%近い昇給でありますが、この七〇%近い昇給について何ら首肯するに足る理由を答弁しておりません。あるいは、ほかとの振り合いと言い、あるいは民間との振り合いと言いながら、その振り合いのどこに根拠を置いての振り合いであるかということについて全ぐ触れておらない。そのやり方は、前時代的な大福帳的なやり方であるとさえ考えられるのであります。これが反対の第三の理由であります。
この際、私は以下も諸点について、できるだけ近い機会に、給与改定をさらに行なうべきであることを政府に強く要請いたしたいと思うのであります。
すなわち、上に厚く下に薄いという、この上厚下薄を是正するために、当面、行政職(一)の初任給を一万円に引き上げ、以下これに準じて五等級以下の職員の給与を引き上げる措置を講ずること。他の俸給表についても、行政職(一)の改定に見合った改定を行なうべきことは当然であります。期末手当につきましては、人事院報告で明らかにされておりまするだけでも、民間期末手当は三・一九でありますから、最低、今回の改定の上に、さらに〇・一九分の増額措置を早急講ずべきである。また、定員外職員について、不当に痛めつけられておるこの定員外職員についても、定員内・職員の給与引き上げに準じて、すみやかにその引き上げの措置を講ずべきである。次に、行政職(一)、(二)、医療職(二)、(三)、海事職(一)、(二)等は、早急にこれを統合し、俸給表の一本化をはかると同時に、各俸給表間の不均衡を是正するために、行政職俸給表を基準として各俸給妻問の調整を行なうべきである。現行の昇級昇格の不合理を是正するため、通し号俸制をすみやかに採用すべきである。また、大使公使の任用は、外務官僚のみに独占させざるを得ないような仕組みになっておりますが、これを改めて、広く人材の交流と登用のできるように、まず俸給表を改むべきであります。
以上のほか、理由とするところは多多ありますが、重複することを避け、かつ時間の関係もありまするので、私はこの程度にとどめて反対討論を終わりたいと存じます。(拍手)