曾禰益の発言 (外務委員会)

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○曾祢益君 韓国人の気持としてはよくわかるのですが、三十六年間の圧政に対する気持は穏やかでない。であればこそ、こういう異例の措置をとっていると思うのです。これは、厳密な法律解釈からいって、賠償ではない、賠償に関する請求権じゃない。これは、やっぱりそういう点ははっきりしておかないといけない。ほかのことで二点ばかりお聞きいたします。
 一つは沖縄問題なんですけれども、これは、全般的の問題を取り上げるつもりはない。ただ、この沖縄の同胞の気持からいえば、それこそ新アドミニストレーションができて、相当日本関係あるいは極東関係についても、新政府のもう少し、より現実的なといいますか、より住民の意思を忖度するような政策を期待しておったと思うのですが、存外やはりコールド・ウオーの現実というか、冷戦の現実下においては、かえって沖縄は、この冷戦状態の続く限りは、むしろがっちりとアメリカが握る地域だといわぬばかりのことがだんだん明らかになって、かなり大きなショックを与えたと思う。加えて、中距離誘導弾のメース基地がどんどん事実上今度作られた等々の問題がございますときに、今ちょうど沖縄立法院の議員で、沖縄社会大衆党の委員長平良氏もきておられましたが、非常に沖縄の諸君の気持も大いに同情に値するものがある。そこで、この平和条約の解釈論から、いつまでも、不特定な期限で、長らく、アメリカが実際上できもしない戦略的信託統治にするという目的のために、いつまでも立法、司法、行政の三権の全部または一部を行政しているという状態が許されるものとは思わない。これは、冷戦の結果居すわっているだけで、平和条約の純粋の法律の解釈からいって許されないと思う。従って、そういう意味で、池田首相がアメリカに行かれるときも、当然に日本世論に沿うには本格的な施政権返還への強い交渉がされると思う。またそうでなければならぬ。同時に、それはそれとして、そう言うと、いかにも強い立場を弱めるように解釈する向きもあるかもしれませんが、それはそれとして、現実を見つめるならば、やはりこの施政権返還についても、なしくずし的な方法も、これは理屈の問題として考えなければならぬ。そういう意味で、いろいろ施政権の返還をなしくずすのであるという方法については、それこそ、新アドミニストレーションがどういうものかは知らぬけれども、何かここに弾力性を発見する努力は当然すべきである。こういうことを日ごろ思っていたのですが、ちょうど去る日曜日の、これはもちろん日本の新聞に出ていたと思いますが、私、偶然ジャパン・タイムスのちっぽけなUPI電報だったか、APでしたか、覚えておりませんが、結局こういうことが出ていた。従来沖縄の島民は、少なくとも星条旗とともに日の丸を掲揚したいという希望があったわけである、従来は、アメリカの軍政府は、アイゼンハワー政権の支持を、バックを得て、これはどうも、そんなことをすると、アメリカのいわゆる施政権に水増しして薄めるような感じがするというので、常にこれを拒否した。ところが、新アドミニストレーションは、公共の建物に、星条旗のそばにあわせて日の丸を掲揚することを考えていいという方向に向かっておる。また、そのことの一つのあれとして、実はパナマ運河地帯において、パナマのティテュラー・ソヴァレンティー、名目上の主権を持つ租借地であるパナマにも、パナマの国旗を星条旗とあわせて掲揚することを認めることになったという、そういうことも、これは小さいようであるけれども、やはり八十万の同胞から見れば、一つの進歩には違いない。われわれは決してこういうことを軽視してはならない。またこれは、外務大臣に御質問申し上げることよりも、院として、議会として考えなければならないと思うのは、ドイツの例にならって、いまだ返らざる沖縄のための、立法院である衆議院、参議院に議席をとにかくとったらどうですか。シンボルとしてリザーヴして、これは沖縄の議席だということで、空席にしておくというようなことも決して私は軽視しちゃならないと思う。さらに最近は、やっと琉球政府の主席は、選挙で最大の投票を得た、立法院で勝った、つまり与党の推薦する者を事実上は指名する。任命権は軍政府にあっても、実際上はそうなっておる。しかし、それだったら、もう一歩進んで、結局軍政が続く限り、軍政官が一種の拒否権を持つことは、これはかりにやむを得ないとしても、完全な民選主席、公選でいいじゃないかというような、いろいろな私はニュアンスがあっていいのじゃないかと思う。そういうことに関連して、とにかくまず第一は、国旗の問題について、政府はいかにお考えになっておるか、どういうことをお考えか、伺いたいと思います。

発言情報

speech_id: 103813968X00719610316_066

発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1961-03-16

院: 参議院

会議名: 外務委員会