外務委員会

1961-03-16 参議院 全88発言

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会議録情報#0
昭和三十六年三月十六日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           井上 清一君
           鹿島守之助君
           森 元治郎君
   委員
           笹森 順造君
           野村吉三郎君
           堀木 鎌三君
           加藤シヅエ君
           松澤 兼人君
           佐多 忠隆君
           羽生 三七君
           曾祢  益君
           佐藤 尚武君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   外務省アメリカ
   局長      安藤 吉光君
   外務省国際連合
   局長      鶴岡 千仭君
   運輸省航空局長 今井 榮文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡辺 信雄君
  説明員
   外務省アジア局
   外務参事官   宇山  厚君
   外務省経済局次
   長       高野 藤吉君
   外務省条約局外
   務参事官    東郷 文彦君
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  本日の会議に付した案件
○通商に関する日本国とキューバ共和
 国との間の協定の締結について承認
 を求めるの件(内閣送付、予備審
 査)
○日本国とフィリピン共和国との間の
 友好通商航海条約の締結について承
 認を求めるの件(内閣送付、予備審
 査)
○国際情勢等に関する調査(国際情勢
 に関する件)
○航空業務に関する日本国とベルギー
 との間の協定の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出)
○航空業務に関する日本国とドイツ連
 邦共和国との間の協定の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出)
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木内四郎#1
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、予備審査として送付されております、通商に関する日本国とキューバ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、及び日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件の両件を一括議題といたしまして、提案理由の説明を承ることにいたしたいと思います。
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小坂善太郎#2
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま議題となりました通商に関する日本国とキューバ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、キューバの対日差別関税廃止及び戦後におけるキューバとの片貿易是正のため、機会あるごとにキューバとの通商協定締結に努力して参りましたが、昭和三十五年四月ラウール・セペーロ・ポニーリァ商務大臣を首席代表とするキューバ代表団が通商交渉のため来日いたしましたので、これと交渉を行ないました結果、妥結をみまして、同月二十二日東京におきまして署名を行なった次第であります。
 この協定の内容は、関税、輸出入規制、出入国、滞在及び事業活動に対する最恵国待遇並びに船舶に対する内国民及び最恵国待遇の規定を骨子としておりまして、日本が戦後締結いたしましたインド、マラヤ等との協定に類似しております。
 この協定の締結により、両国間の通商関係は安定した基礎の上に発展するものと期待されます。
 よって、以上申し上げました利益を考慮し、また、キューバ側におきましては、すでに昨年五月十九日に批准済みでありますので、この協定の効力発生のため、わが国も必要な手続をできるだけ早急にとりたいと存じ、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 フィリピン共和国とわが国との国交関係は、御承知の通り、昭和三十一年七月二十三日にサン・フランシスコ平和条約が両国間に発効することにより正常化をみるに至ったわけであります。それ以来政府は、両国間の貿易、通商関係を長期かつ安定した基礎に置くため、機会あるごとに通商航海条約の締結交渉の早期開始をフィリピン共和国政府に申し入れてきたのでありますが、フィリピンの対日感情も年とともに好転し、また、近年における両国間の通商関係の進展をみて、フィリピン政府も次第にわが国との通商航海条約締結の必要性を認識するに至りましたので、一昨年六月、日本側の条約草案を先方に提示して交渉開始を正式に申し入れた結果、昭和三十五年二月から交渉が開始され、約十カ月の折衝の後十二月初旬案文につき合意をみて、十二月九日この条約及び議定書の署名調印をみた次第であります。
 この条約の内容は、入国、滞在、出訴権、財産権、内国課税、事業及び職業活動、為替管理、輸出入制限、関税、海運等の事項につき最恵国待遇を相互に許与することをその骨子としております。
 戦後わが国は、東南アジア諸国のうち、インド及びマラヤ連邦と通商協定を締結しておりますが、友好通商航海条約としてはフィリピンとの間の本条約が最初のものであり、また、フィリピン共和国にとりましては、独立後外国と締結する最初の友好通商航海条約でありまして、その歴史的な意義は深いものがあると思われます。
 この条約により入国、滞在、事業活動等の面において、両国間の関係が正常化するとともに、わが国の東南アジア貿易中重要な地位を占めている対比通商関係が円滑な発展を遂げるものと期待される次第であります。
 よって、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につき、すみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
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木内四郎#3
○委員長(木内四郎君) 外務大臣もおいでになっておりまするので、国際情勢等に関する調査をも議題といたしまして御質疑を願いたいと思います。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
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森元治郎#4
○森元治郎君 例の共産圏に対する貿易統制、戦略物資の輸出禁止などについて、チンコムとかココムとかありますが、その現状を伺ってみたいと思います。
 ココムは五一年、チンコムは五二年にできたと思うのですが、その後だんだん禁輸品目をゆるめてきておるようですが、どのくらいゆるめて、残っているもので重要なものはどんなものか、それから、実際問題としては、輸出禁止だといいながらも、なかなか利口な国がたくさんありますから、適当にやっている国もあろうと思うので、その間の事情を伺いたいと思います。これは、中国との関係においても特に重要なので、簡単に要領よく御説明を願います。
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小坂善太郎#5
○国務大臣(小坂善太郎君) 私から大要申し上げまして、品目の内容等については、政府委員から補足さしていただきたいと思います。
 ココムは、御承知のように、一九四九年パリにおける会議で協定されて、初めて作られたのでありまするが、日本は一九五二年これに加盟いたしております。朝鮮戦争を機といたしまして、一九五二年チンコムという制度が設けられまして、若干ココムよりも粗い制限措置がとられたのは、御承知の通りであります。一九五七年に至りまして、チンコムの面でも、ココムの面でも、統制緩和の措置をとるに至りまして、五七年のこの改正を機といたしまして、ココム、チンコムの差はほとんどなくなっております。区別はほとんどないようになっておるのであります。一九五八年に至りまして、さらに緩和措置がとられまして、現在百六十五品目が禁止品目になっております。なお、三十八品目が監視品目ということになっておるのが現状でございます。なお、その品目のおもなるものは何かということでございますが、この京については、説明員から御説明いたさせます。
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高野藤吉#6
○説明員(高野藤吉君) 補足して御説明申し上げます。
 今、大臣のお話にありましたように、一番制限が激しかった、五八年前には、禁輸品目が大体二百十六ございまして、それから監視品目が五十三ございましたが、これが現在百六十五と三十八に減っている次第でございます。それから五八年当時は、そのほかに数量で統制されている品目もございましたが、これは約二十五ございました。これは現在ございません。それから、現在禁止されている品目のおもなものは、大体軍需品、兵器関係でございまして、一般の通常の貿易関係の品目は含まれていない次第であります。
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森元治郎#7
○森元治郎君 きのうかおととい、やはりアメリカで、この問題について検討をしたらいいのですが、全体の傾向としては、こういう輸出禁止をすることによって中ソを縛っていこう、窮屈にしていこうという方針であったようだけれども、実際の効果は、今日においてはだんだん減りつつある。一時は効果が出たかもしらぬが、逆から見れば、当然入るものが入らなかったために、中ソの両国は、勉強、努力することによって、その苦痛をかえって緩和していっているような傾向にあると思うのですが、その認識はどういうふうになさっておられるか。大臣に伺います。
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小坂善太郎#8
○国務大臣(小坂善太郎君) やはり朝鮮戦争等を契機といたしまして、軍需物資をことさらに中国に対して締めていこうということで、チンコムという制度ができ、これがココムよりさらにきつい制限になったわけであります。従って、ココムにしてもチンコムにしても、そうした帆制ということによって、戦争能力というものを高まらしめないような基本的な考えのもとになされておるのだと思いまするが、現在これだけ緩和されて参りますと、実際、直接に兵器としての需要のあるものだけが問題になっているような現状でございまして、たとえば対ソ貿易が、日本の場合、ココムの制限はもちろんあるわけでありますが、どんどん伸びておりますように、それほどの通商貿易の障害にはなっておらぬように見られる現状になっております。で、アメリカあたりでも、これとバトル法とあわせて検討するというふうに伝えられておりまするが、これはどういうふうになって参りますか、今のところ、何らその見通し等については申し上げる段階にございませんけれども、やはりこれは全く無用のものであるというふうな認識に立って撤廃が行なわれるということにはならぬだろうと思います。私どもも、実はそういうふうに見ておるのであります。
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森元治郎#9
○森元治郎君 この東西間の緊張緩和という点からいけば、実際にだんだん、大して中ソ貿易の障害に——簡単にいえば、いじめる効果がなくなってきている、非常に減ってきているというような現状であるならば、こういうものを解消していくということは、大へん空気の緩和に役立つのだろうと思うのですが、政府としては、これに対して特に配慮をする、あるいは検討していくという気持があるのか。あるいは現在検討しておられるのか。私は、大いに気分的な緩和に役立つのじゃないかということに重点を置いて考えているわけです。
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小坂善太郎#10
○国務大臣(小坂善太郎君) どうでございましょうか。そのある品目が非常に緩和されてきて、非常に局限された戦争兵器だけに集約されてくるという状況でありましたら、その程度はいたし方ないんじゃなかろうか。これを撤廃したから、急にそれが東西間の感情の緩和に一気に役に立つというふうにも私は思えないような気がするのであります。むしろもっと根本的な問題で、東西緩和の問題は考えなければならぬというふうに思っておる次第であります。
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森元治郎#11
○森元治郎君 外交というのはやっぱり——アメリカがソビエトに対する、中国に対する態度で第一番に要求しているのは抑留者の釈放という、人数にしてはわずか五人でありますが、これが解決を強く迫って、もしこれが解決するならば、アメリカの対中共の気分も変わるだろうといわれるくらいの大統領の談話であったり、国務長官の談話であったりしているようなんでありますから、お前をこうやって外から経済的な圧迫を加えていくんだということははずしていくということが、大へん私は有用なんじゃないかと思うのです。大臣の御答弁では、無用のものとしては、撤廃するつもりはないということでありまするが、できるものならば、こういうものを撤擁していくイニシアチブをとるということは、あなたのおっしゃる弾力的な態度にもなるんだろうと思う。また、いつかの衆議院の質問に対して、自分は、いわゆる例の中共の三原則、これに反するようなことは日本はしてないんだと言うのなら、敵視するようなことはしないんだということの実証として、そういうイニシアチブをとられることは大へん有用だと、進んでそういうことをやられる方向に向かわれることを望みたいのですが、もう一ぺん一つ。
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小坂善太郎#12
○国務大臣(小坂善太郎君) 私の考え方は、こういう制限が今兵器にほとんど集約されてきている。そこで、兵器などというものは、できるだけ世界各国が作らぬことがいいのでありますから、望ましいのでありますから、そういうものは輸出入することを避けるという制限は、別にこれがあったのではどうしても緊張緩和はできないというほどの大きなものではなくて、本来そういうものを輸出入行為の対象とすることよりも、もっと実質的な面で緊張緩和の方法はあろうかと思います。まあそういう糸口として、このココム、チンコムの問題というものはそれほど効果がないものじゃないかというふうに思っているわけです。
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森元治郎#13
○森元治郎君 私の伺うのは、なかなか国会でわれわれがなんぼ伺っても、実質的には根本的な解決の方針すらも見せられないから、そこで、できそうなものからおやりになったらどうかと伺っているのです。どうですか。大きい、根本がなかなかできないので、この先まだ対策もできないで、前向き、弾力だけでもってわれわれを突っぱねておられるのですから、できそうなものからやっていったらどうか。
 それから、ついでにお伺いしますが、この残った兵器々々ということをおっしゃるのですが、どういう内容か、ちょっと御説明願いたい。
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高野藤吉#14
○説明員(高野藤吉君) 大体原子力関係、それから兵器ではなんですか、それと最近の科学の進歩に伴って高度の精密な兵器、それから通信関係及びエレクトリックの関係のものが大体のおもなものでございます。
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森元治郎#15
○森元治郎君 この品目というのは、最初きめた、パリ・リストというのですか、何か、忘れましたが、最初にきめた品目にあとから付け加えたり、あるいは兵器の進歩に伴って、実質的に新しい品目になったというようなものはないのですか。
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高野藤吉#16
○説明員(高野藤吉君) 先ほど御説明申し上げましたように、初めは相当ございましたが、だんだん各国が話し合いまして、技術の進歩に伴ってこれを減らしておるのでございます。これを一時廃止したらどうかという御意見でございますが、日本といたしましても、関係のない品目は大いに交渉し、がんばって、どんどん減らしてきておるのでございます。
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森元治郎#17
○森元治郎君 対中国関係で、この品目を解けばあるいは民間貿易の線で幾らか貿易にプラスになるというようなものがありますか。
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高野藤吉#18
○説明員(高野藤吉君) 先ほど大臣から御説明がありましたように、日ソ間で貿易がこの三年来非常に進んでおるという点から見ましても、中国との貿易におきまして、このココムないしチンコムが廃止されましても、現在中共が要求しておるのは、総じて一般の経済、生産力を上げるための資本財が多いのでございまして、それに引っかかるような品目はございません。従って、これのあるなしにかかわらず、中共との貿易は、ほかの条件さえ許すならば、どんどん進んでいくと思うのであります。
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森元治郎#19
○森元治郎君 きょうはこの程度一応伺うだけにとどめて、日韓の請求権の問題をちょっと、大臣がおられますから、伺うのですが、事情がわからないから、まず第一に、大臣に具体的事実関係を伺っておきたい。
 問題は、例の三十二年に出されたアメリカの口上書をめぐってでありますが、そもそも講和会議のときには、講和会議の草案を持ってダレスが一九五一年の十二月に日本に来たときに、草案を日本政府に見せたときに、第四条の(b)項はなかったように政府は受け取った。ところが、講和会議に行ったら、韓国の切なる泣き言によって(b)項が入った、こういうことになっておるのかどうかを伺いたい。
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小坂善太郎#20
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府委員から、当時の事情を御説明申し上げます。
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宇山厚#21
○説明員(宇山厚君) 請求権の問題につきましては、日韓会談の始まりました当初から、重要な議題の一つになっておったんでございますが、最近アメリカの解釈に関連いたしまして、この解釈の性格がどういうものであるかということが注目を浴びるようになったんでございますが、実は、韓国の請求権に関しましては、御存じのように、平和条約の四条の(a)項において特別の取りきめをすることになっておりましたが、その際、四条の(b)項におきまして、韓国において合衆国軍政府により、またはその指令に基づいて行なわれました日本国及びその国民の財産の処理の効力を日本が承認いたしておりますので、従いまして、日本並びに日本の国民が韓国に持っておりました財産並びに請求権が、この日本と韓国との間の請求権に関する取りきめをやります際に、どういうふうな効力を持つかということが問題になって参るのでありますが、ただいま申し上げました四条の(b)項によって、アメリカ軍政府が在韓日本財産を韓国側に渡しております。この効力を承認しておりますために問題となった次節でございます。そこで、アメリカの解釈と申しますのは、この関連につきまして、日本は韓国に対して請求権を平和条約第四条(b)項で放棄しておる。しかしながら、韓国と日本との間で請求権に関する特別取りきめをする際には、この事実を考慮に入れて行なうということの解釈が明らかにされたものでございます。
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森元治郎#22
○森元治郎君 そういうことを伺っているのじゃなくて、何か出てくるかと思って、最後まで待っていたのですが、とうとう出てこなかったのですが、その夏にダレスが、かばんの中に、こういうものだと言って持って来たときには、この(b)項はなかったのじゃないか。ところが、その後韓国が泣きつき、それでは困る、韓国においてアメリカの軍司令官がとったこの措置を条約上で確認しておかなければとてもだめだというので、かわいい韓国のことだから一つ入れてやろうというので入ったのだというのが事実であろうと私は思うので、その事実はどうでございますかと伺っておるのです。
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宇山厚#23
○説明員(宇山厚君) その点につきましては、この四条の(b)項は、御承知の通り、「日本国は、第二条及び第三条に掲げる地域のいずれかにある」云々となっておりまして、朝鮮だけが問題になっておるのではないのでございます。二条の(a)項は朝鮮、それから(b)項は台湾及び澎湖諸島、(c)項は千島及び樺太、それから三条は、御存じのように、南西諸島及び南方諸島、こういうふうに、日本のかつての領土でありまして、平和条約によって日本が放棄した、こういう地域が並べてあるわけでございます。これらの地域におきまして、平和条約が成立いたしますまでに、合衆国軍隊がおりまして、問題となった点は、第二条の朝鮮と、それから第三条の南西諸島、南方諸島、こういうふうに、当然平和条約成立後に問題が起こり得ることが予想されたわけでございますから入ったものと了解しております。朝鮮の李承晩大統領の方からアメリカに泣きついたために、こういうものが入ったということは存じておりません。
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森元治郎#24
○森元治郎君 それから、事実関係を伺いますが、韓国に、五〇年の四月二十九日に、アメリカが第四条に関する解釈を通告した場合に、日本にも内報があったのですか、大臣。
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小坂善太郎#25
○国務大臣(小坂善太郎君) あったと承知しております。しかし、その内容は、今問題になっておりまするアメリカの解釈というものとは同一のものではないようでございます。
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森元治郎#26
○森元治郎君 そうすると、そのときはただ内報だけであって、それではわれわれの解釈と違うということをアメリカと大いに折衝をしなかったのですか。
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小坂善太郎#27
○国務大臣(小坂善太郎君) いろいろな日本側の意見の開陳もあり、韓国側の意見の開陳もあり、そうして昭和三十二年のぎりぎりに押し詰まりまして、新たなる解釈がその当時出されたものについて合点が成立したという経緯だと承知しております。
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森元治郎#28
○森元治郎君 そうすると、五二年に韓国に知らされたものは、こちらにも知らされておるが、従来の主張通り、対韓請求権はあるんだと、それから今日まで押してきたわけですね。
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小坂善太郎#29
○国務大臣(小坂善太郎君) 日本は、講和条約で一応の意思の表明をしておりますから、すなわち第四条(b)項で、「合衆国軍政府により、又はその指令に従って行なわれた日本国及びその国民の財産の処理の効力を承認する」と、こう言っておりますので、五二年当時、これは私有財産に及ぶものではないのだという見解を表明して、大いに渡り合っておったわけなんです。どうもその解釈がやはり無理だということになって、五七年の十二月三十一日に、五七年になってから出されたアメリカの解釈というものを承認したことになっております。そのアメリカの解釈は、さっき説明員から申し上げて、その話ではないと、おしかりをいただいたのですけれども、日本の方が韓国にある財産の処理の効力というものを承認したと、合衆国軍令三十三号によって、日本の財産が収得し所有されたということを承認するけれども、またその事実というものは頭に入れて、一種の相殺的な考え方でもってこれに臨むということを了解した意味において、一九五七年の十二月三十一日の米中解釈の承認をしたと、こういう経緯になっておるわけであります。
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