山田節男の発言 (決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会)

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○山田節男君 この会計検査院と、それから国会との関係は、ことに新しい憲法のもとでは、従来の天皇の直属機関であった会計検査院が、今度は、主権在民のいわゆる議会政治ということになれば、国会が最高の、いわゆる何といいますか、行政、司法、立法と三権分立であるから、国権の最高の府として権威を持つという立場できますると、勢い従来の会計検査院の天皇の直属機関ということは、これはもう意義がなくなってきた。そこで新しく制定されたこの会計検査院法によれば、これはあくまで国民のための血税が、いかに行政上使われたか、またこれを正しく使用されることを財政監督するという新しい使命を持つということははっきりしておることなんです。
 ところが、この問題につきましては、すでに昭和二十八年と思いますが、私も決算委員をしておりましたが、一体、この会計検査院と国会との関係はどうなのか、単なる会計検査院の報告をわれわれが審議して、そして政治的観点から、ただ政府を叱咤激励といいますか、批判、監督するだけのものか、そうでなくて、会計検査院は天皇に直属するのじゃなくて、むしろイギリスのように国会に直属するものであるという解釈をとるべきじゃないかという、実は疑念が湧いて参りまして、当時の法制局長官、それから当時の会計検査院の事務総長をしておった小峰保栄君、これは会計検査院法の法律を作る場合の委員の一人でありましたが、相当うんちくの高い人でありまして、呼びまして、いろいろ検討いたしたのでありますが、しかし現行の憲法第九十条、これは本会計検査院は独立の機関である、内閣にも所属しない、国会にも所属しないという立場であります。しかしながら国会法七十二条それから会計検査院法三十二条だと私は記憶しますが、その点からみると、やはり天皇の直属機関でないという地位からみても、今日の主権在民のいわゆる国会という立場からくれば、会計検査院は国会と密接なる関係を持たなくちゃならぬと、こういう解釈です。その密接なる関係ということは、どういうことか、要するに、これは国会がその会計検査院の報告を承認することによって、各省の決算というものは、決算についての各省の主管大臣は責任を解除されるという意味ならば、これは国会として、単なる会計検査院の報告を承認するということは、政治的な意味からみても、法律的にみても、国会の承認、議決というものがなくなれば、この決算というもののすべての大臣の、主管大臣あるいは総理大臣の責任の解除ということはあり得ないじゃないかと、こういう、いろいろ議論をしたわけです。
 そういたしまして、結論といたしましては、今申し上げたように、国会とは密接な関係があるけれども、憲法の第九十条の立場というものは、会計検査院というものは独自の立場であると、こういう程度の解明しか実はできていなかったわけです。で、私は、事実はっきり日にちを覚えておりませんが、衆議院、参議院におきまして、この会計検査院法を作ったのは第九十二帝国議会でございますから、最後の帝国議会だと思いますが、このときに、衆参両院の決算委員会におきまして、新しい会計検査院はどうあるべきかという、何か決議があったはずです。こういうことを、過去、昭和二十八年と記憶しますが、そのときのわれわれの検討、すでに自来八年も経過しておりますから、それから会計検査院法の改正も実は問題になった。というのは、会計検査官に対しましては、一つの刑罰、訴追の権利も与えるべきじゃないかというような意見も出たのですけれども、これもそのままで、会計検査院法の改正に至らなかったという、実はいきさつもありまするので、今回、佐藤委員長が言われたような御意図で、この小委員会を持たれ、それによって現行の会計検査院と国会との関係をどうするか、これは、私は非常に、ことに参議院としては非常に私は重要なことであり、しかも必要なことだと考えますので、先ほど相澤君も言われたように、一応事務的の、現状はどうであるかということに対する調査員なり、調査室長は会計検査になれておられる方でありますから、よくわかっておると思いますが、そういうところから、まず問題点をもう一ぺん提出していただいて、さらに次のときにおいては、やはり会計検査院当局なり、法制局の長官なり、あるいは長官の代理でも呼んで、できれば一つ、この小委員会をもとにして、本決算委員会として、国会と、それから会計検査院とを、これは私はある程度明確にしておきませんと、この決算委員会というものの、ひいては今、日本で悪いのは、いわゆる公金というものに対する観念が、非常に当局として軽いということ、ついでながら、イギリスでは、いわゆるパブリック・マネー、公金に対する犯罪というものは、普通の刑罰の三倍の重いものをかけるという一つの不文律といいますか、そういうものがあるくらいですから、日本におきましても、やはり会計検査院法も改正し、いろいろそういうことも考えなくちゃならぬということは、同時にやはり国会と会計検査院との関係がどうであるかということを、ある程度明確な定義を持っておりませんと、われわれが会計検査院法を改正することができるかできないかという問題にもなるししますから、一つこの点は、予備的なものとしてでも、できれば小委員会は閉会中だけでなくて、通常国会あるいは臨時国会を通じて一つ存置さして、根気よくこの問題を明確な、何か解明するような方法をぜひ一つ努力していただきたい。
 これはお願いでありますが、過去の経験がありましたので、一、二の私の意見を申し上げたのであります。

発言情報

speech_id: 103814104X00119610905_005

発言者: 山田節男

speaker_id: 17379

日付: 1961-09-05

院: 参議院

会議名: 決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会