相馬助治の発言 (社会労働委員会)
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○相馬助治君 ただいま議題となりましたじん肺法の一部を改正する法律案、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案及び労働基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を説明申し上げます。
金属鉱山等粉塵を発散する職場に働く労働者は、現在の商度の医学をもってしても治療の方法のないけい肺という職業病に侵されますことは、すでに皆様の御承知のところであります。このけい肺については、第二十二回特別国会におきまして人道的見地に立って、特別保護法が制定され、次いで第二十八回国会において臨時措置として、その保護期間が延長され、さらに第三十四回国会において従来の特別保護法等が根本的に改正されて、新たにじん肺法が制定されて、保護の対象範囲をじん肺に拡張して、じん肺の予防、粉塵職場に働く労働者の健康管理等について所要の規定を設けるとともに、労働者災害補償保険法の一部を改正して、じん肺等長期にわたって療養を必要とする職業病等の業務上の疾病に対しては打ち切り補償制度に変えて新たに長期傷病者補償を採用して終身これを保護することといたしたのでありますが、法律施行後一カ年余りを経過した今日、じん肺等の保護の実情を見ますと、いまだ改善すべき点が多々あることが明らかとなって参ったのであります。よって関係諸法律に所要の改正を行ない、じん肺等業務上の疾病に対してさらに適切な保護を加えようとするものであります。
次に、各法案の内容について、その概要を説明申し上げます。
最初に、じん肺法の一部を改正する法律案におきましては、じん肺にかかった労働者に対しては、使用者は休業補償を行なう期間、これとあわせて、年間、平均賃金七十三日分のじん肺補償をも行なわなければならないこととすることにしました。
次に、労災保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
第一は、じん肺にかかった労働者に対して、新たにじん肺給付を支給しようとすることであります。その支給期間は、じん肺について休業補償費及び傷病給付を受けている間とし、その額は、じん肺法で創設しようとするじん肺補償と同じであります。なお、療養開始後三年を経過したとき、本人の申請により自後のじん肺給付を一時金として一括受給し得る道を開くことといたしました。この場合の一時金の額は、平均賃金の六百日分といたしております。
第二は、労災患者が長期傷病者補償に移行する時点は現行法では療養開始後三年を経過したときでありますが、本法案では、じん肺患者に限りこれを療養開始後六年を経過したときとするものでありまして、六年未満の間に解雇されることのないようにするのがその眼目であります。
右に伴いまして、遺族給付の額の逓減する時期が現行法では長期傷病者補償に入った後一年を経過したときとなっているのが三年先に延びることとなるのであります。
第三は、現在、労災保険法適用漏れの者に対しても適用の道を開くことであります。
最後に、労働基準法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
第一は、現在、休業補償の額の改訂されるのは一般賃金の額の上昇または低下が二〇%以上である場合となっているが、これを一〇%に引き下げることであります。
第二は、労働者災害補償保険における保険給付の額の改訂事由についても二〇%を一〇%に引き下げることであります。
なお、そのほか以上の各法律案についてそれぞれ所要の規定の整備を行なっております。
以上が提案理由及びその概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。