坂本昭の発言 (社会労働委員会)

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○坂本昭君 それは一つの御見解だと思うのですね。御見解だと思いますが、私は実を言えば拠出年金を拒否する運動の先頭に立って具体的にずっとやってきましたし、また、今後もやっていきたい、それも反対のための反対ではなくて、この年金制度をよくするために反対をしている。従って、そういう点で見ますというと、今の御見解ではまだ不十分な点がだいぶあると思うのです。それは、この年金の問題はおそらく日本の政府の、特に民主化の点について非常におもしろい問題を提起したと思うのです。少なくとも法律ができて、そうしてその法律の施行前に政府自体が法律の改正をやろうというようなことは、私まあ立法的に特に調べたことありませんが、おそらく前代未聞ではないかと思うのです。そしてそういう動きというものが、こういう一つの国民運動の中から政府に批判、反省を求めて、そうしてその結果改正されるようになってきた、従って、今後ともに民主的な政府というものは国民の要望に従って逐次改めていく必要がある、従って、どういう点に問題点があるかということを正確に把握していくということ、これが非常に大事だと思うのです。私はおととしこの国民年金法が制定されたその直後からいなかの山村をずっと回って来まして、その間に、特に、山村の人たちの考えが次第に変わってきていることを痛切に感ずる。最初は全然理解がなかった、大体日本の国民というものは、お上のものは何でもいいという考えを持っておったのであります。これはまあよらしむべし、知らしむべからずという長い日本の政治の伝統の中からそういう考えがつちかわれてきたのだと私は思いますが、そういう国民がだんだんとの法律を見、また、世界の社会保障というもののあり方を検討することによって、新しい理解と新しい、自分自身が、国民自身が主人であるところの政治、そういう理解に立ちながらだんだんと考えが変わってきている。その中で具体的にこの年金法について申しますというと、やはりまず第一は金額の点だと思うのですね。何といってもこの年金の額の問題、さらにまた、掛金の額、今日のこのフラット制の問題、それから特に年令の問題、六十五才からという年令の問題、さらにまた、このいわゆるかけ捨てといわれておった問題、それから積立金の問題、これらについて政府が少しずつ改正を企てられているという、そういう政府自体の反省を私も認めることにやぶさかではありません、ありませんが、おそらく今後さらに国民の理解というものは深まっていくと思います。特に自分自身のふところから掛金を何がしか支払いをする、しかも御承知の通り、ことしの四月一日からは国民健康保険も全国的に強制実施になっている、この国保の強制実施と、拠出制年金の実施とが重なって出発したということは、私は制度としては非常に重大な、何といいますか、隘路があると、そう思うのです。むしろこれは、私は、政府自体としては時期を若干誤ったのではないかとさえ思うのです。私自身の見解をもってするならば、やはり医療の問題を先に解決をして、国民健康保険の方を十分な土台の上に置いて、それから後今度は年金を実施すべきではなかったか、それがたまたま社会保障を急ぐのあまりに、形式にとらわれ過ぎて、同時に強行実施をするということになったことが、やはり今後の国民年金の進め方の中で新しい問題を出してくるのではないか、それは今のところ八五%の加入率である、そして、しかし実際に印紙を張ったのが、これは先ほど即納四割といいますけれども、これは市町村に配ったのであって、加入した国民が十億円のうち四割を払ったという意味がどうか、その辺あとで説明していただきたいのですが、実際に、つまり四月以降拠出年金の納付せられた金額が幾らあるかということも、あとで御説明いただきたいのですが、この掛金を納め始めると、最初の一、二回はいいでしょうが、あとになると、国民健康保険と両方の支払いのために、私は相当な負担が国民にかかってきて、さらにこの問題は深刻な国民の反省を促し、さらにこの国民年金の問題に対して私は新しいまた一つの運動を展開するのではないだろうか、そういうふうに私は考えている。特に年令の問題などまだ農民の人たちはぴんときておりません。お役人の人たちが五十五歳から恩給の権利を持っている。農民の人たちは六十五歳でないと正式な権利というものももらえないのだ、こうした差別についての正しい理解も少ない、しかし、だんだん積立金の問題などについても理解が深まってきているのです。従って、そういう中から私は今後ともこの国民年金の、特に拠出制の問題については問題点が幾つも横たわっておる、そういう点を十分に把握して、そしてそれに対する私は政府として、それぞれに応じた対策を講じながらこの日本の社会保障を、所得保障を完成していく必要があろうと思う、局長からは、先ほどの保険金の実際に納付された金額の具体的な数をお伺いしたいと思いますが、その前に次官に、こういったふうな問題があるので、今局長の指摘されたような考えでは、私はまだ国民年金の拠出制というものはなかなか進行していかないと思うので、政府として今後どういうふうに国民の要望に沿ってこれらのことを、特に附帯決議はいろいろの点が指摘されております。それについての政府としての心がまえをまず伺っておきたいと思います。

発言情報

speech_id: 103814410X03419610606_012

発言者: 坂本昭

speaker_id: 17950

日付: 1961-06-06

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会