藤田藤太郎の発言 (社会労働委員会)
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○藤田藤太郎君 私は、どうも大臣もおいでになって聞いていただきたいことなんですが、問題はこういうところにあるのだと思うのです。小山さんは、年金をよく努力しておることについては私は敬意を表する。しかし、私は、今坂本さんの言われたように、郵便貯金、簡易保険、これはやはりよく出てくる利回りの高いこと、利益がより拡大するという目的を持っている貯蓄です。これが資金運用部の中へ入れられて、もう一つは今年金並びに失業保険の積立金が今年中に千百億円になる。三十五年度九百四十四億円の積み立てのうち八百五十億が資金運用部の中にそのままいっている厚生年金の積立金が五千四百億円ぐらいある。こういう金をそれではどこが使うのかということが問題になってくると思うのです。どこが使うのではなしに、このような金が大蔵省の窓口でもよろしい、厚生省の窓口でもよろしい、より有効に国民生活を引き上げ、国民福祉に間に合うところにこの金が使われているかどうかというところに問題の根本がある。使われていないところに、労働者が積み立てたものの権利というものが無視されているところに今問題があるわけです。ここにイギリスのこの種の積立金の運用の問題がございます。イギリスの例を見ると、大蔵省が資金を集めて国債委員会できめている委員は、下院の議長、大蔵大臣、控訴院長、英国銀行総裁、最高裁判所の事務総長、この五人が資金の運用について責任を持っている。ところが、イギリスは何といっても金融は国営、国家管理なんですね。そうして経済の面からいって、たとえば生産性と賃金上昇率、物価横ばいということ、生産性、賃金上昇率が同じであって、物価横ばいという方針をとっている。しかし、現実においてサービス料金が上がっている。この中で賃金上昇率の方が高い。これだけ国民福祉が守られているという政治的、社会的事実、この政治的、社会的事実に対して資金が集中的に、このような資金が具体的な福祉の面にもいくでありましょうが、国民の生活福祉を上げていくというところにこの資金が集中されていくというところに意義があるのです。そういう取り上げ方をしないで、イギリスは大蔵省の、大蔵大臣の指示によって国債委員会がこの金を処理をしているのだ、こういう見方をしてはお間違いだということを私は言いたい。これが第一点です。だから、イギリスの今日行なわれる政治の母体が那辺の状態で進んでいるかということとあわせて、この種の一兆円近い、——今は一兆円もありませんけれども、たとえば厚生年金、失業保険、まあ今年の国民年金の積み立てが四百億といたしましても、六千億からの積立金がこれだけ三つそろえてあるわけです。これがどういう工合に国民福祉の方に使われているかいないかというところに問題がある。これがほんとうにすなおに国民福祉、生活向上のために使われておったら、私は大蔵省で使おうとどのような民主的な機関を作って使おうと、そこに問題が出てこないでしょう。ところが、今日の日本の状態というものは、生産性が非常に上がってコストがダウンしておるのに、賃金上昇率が少ない。五三対三七という状態であって、物価はまだどんどん上がっているという状態、経済が成長すれば国民がよくなるんだというようなものの考え方だけで、利益や所得というものがそういうところへ集中される。そういうものを中心に、また、そういうものを保護するところに、こういう資金が使われているというところに私は、問題があると思うのです。だから、厚生大臣の管理にして福祉に使え、年金の問題しかり、厚生年金の問題しかり。ここで議論をいたしましたが、失業保険の千億からの積立金をどうしてくれるんだというような議論が私は出てくるところだと思う。これはいろいろ議論は私はあるところだと思いますけれども、こういう種の積立金というものは、国民福祉に直結するというところに、どういう道筋によってもっていくかというところを根本的に考えて、そうして年金、福祉年金、拠出年金と国民の所得保障をどう進めていくか。これには保険制度を進めるなら積立をする仕組みにならざるを得ないと思うのです、無拠出にせぬ限り。そうしたならば、その膨大な資金が那辺のところに使おうかという心がまえが、どういう工合にして国民の生活水準を上げていくかという、そういうところへどうしたら一番すなおにいけるかという私は心がまえを小山さん初め厚生省では持ってもらいたい。この積み立ての利率を高くして、より利回りをよくするんだというような考え方のものではないと思うのです。第一義的には年金とか厚生年金とか、そういうものの経済だけを見ていったら、それは五分より五分五厘の方がいいし、五分五厘よりも六分の方がよりいい。この勘定の中ではよくなりますよという理屈はつくけれども、私はそういうものじゃないのじゃないかと思うのです。だから、ここにたとえば総理府の社会保障制度審議会、それから資金運用部資金運用審議会、それから厚生省の国民年金審議会の資金運用についての考え方が、こう三つ出て参っております。しかし、私はやっぱり厚生省はその根本の問題について、そうしてこの問題の心がまえをきめていただかないと、私はこれにかけておる人の、今坂本さんが言われた不満は、私は解消することができないんじゃないかということを思うのです。だから、そういう心がまえをぜひ持ってもらって、その上に立ってどこの筋道からこの資金をどのところに運用することが一番いいんだ、たとえば今の設備投資とかそういうところへいくなら堂々と私は注文をつけていく。単に利率の五分を上げてもらうとか、五分五厘を六分に上げてもらうとか、六分のやつを六分五厘に上げてもらうことによって、こういうところにピントを合わせないで、全額の金がそういう筋道に続いていくという、そういうところに皆さん方は大きな注文を、厚生省は管理者でありますから、そこへ大きい注文をつけて、この金が生きていくという筋道をつけてもらわなければ、国民の不満というものは私は解消しないと思う。この根本の問題を一つどういうお考えをもっておられるか聞かしていただきたい。