小山進次郎の発言 (社会労働委員会)
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○政府委員(小山進次郎君) ただいま藤田先生が仰せになったことは、いろいろ複雑な議論をして参りました結論として到達せざるを得ない一つの考え方なんであります。そう申し上げると、いかにもある場合にはいいことを言い、他の場合は他のことを言うというようなことになりますので、若干説明を必要といたしますけれども、ただいま先生が仰せになったような使途というのは、住宅とか、あるいは上水道、下水道といったような、生活環境の整備の施設とか、社会福祉の施設とか、そういうようなもの、あるいは文教施設、こういうようなもの等になるわけでございます。それでこういったようなものは、元来低利資金でまかなわなくちゃならぬ性質のものでございます。これを通常の民間金融で調達をいたしました資金でまかなうということは、まあできないということ、これは何としてもこのような使途をまかなっていく資金を調達しなくちゃいかぬわけでありますが、調達の仕方としては、非常に厳格な議論をしますならば、むしろ半ばこれは税金的色彩の強いもので調達した方がいいという議論が一つ出てくるわけであります。そういうふうな考え方からいたしまして、相当税金の方からこちらへ振り向けるという考え方もあるわけであります。そうして振り向けて、一般の民間で調達されるような性質の金と合わせることによって、低利資金として運用していく、こういう考え方が一つあるわけであります。ところが、もう一つの考え方としましては、そういうことで調達をするということになると、一般の財政収入の中から、相当多額を毎年財政投融資の方へ振り向けなくちゃいかぬということになってくる。こういうことで、なかなかむずかしい問題が別の面において出て参るわけであります。ちょうどここにほぼ国民全部が対象になっているような制度があって、その制度からある程度資金が自然に集まってくるとするならば、そういう資金を使うことによって、今のような目的を達する道もあろうじゃないかという考え方がもう一つあるわけであります。そういう考え方をその段階においてとるということになると、今度は年金制度の立場というものが、やや不当に無視されることになるわけであります。元来高い利回りで運用して、給付内容をよくするということで、いわば先ほどの坂本先生の御議論から言えば、国民からお預かりしている金を不当に低く、国民のためになるからということで使う、いいことであるからいいんじゃないかと言えば言えるわけでありますが、そこにやはり一つ抵抗するものがあるわけであります。そこで議論はもう一回ぐるっと回りまして、そうは言っても、それじゃ一般の税金の方を入れて、それを調達するということになるとどうかという議論まで戻って、行きつ戻りつした結果、とどのつまりは、やはりその点はほどほどに考えていかにゃいかぬのじゃないか。一面においては高い利回りで運用するということも考えなくちゃいかぬけれども、他面においては、結局年金制度の発展というのは、国民全部が所得を増していくというような、地盤がつちかわれていかなければ発展せぬということにもなるんだから、そういう方にもやはり目を向けるということが必要であろう、まあこういうようなことで、いろいろ積んだりくずしたりした結果、先生のような議論に今のところ大方の気持はいっているわけであります。それで、そういう考えの表われといたしまして、先ほど申し上げましたように、私は年金の資金を資金運用部を通じて国家資金として使うという点は、これはのまざるを得まい。しかし、この金の使い方については、年金を拠出する立場から見て、相当のこれは注文をつけにゃいかぬということで、使途別分類というものを法律によりまして特に設けることにして、この金がどこに使われなくちゃいかぬか、また、どこに使われているかということを明瞭にするようにしたわけであります。今年はすでに御報告申し上げているのでありますが、住宅、生活環境の整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業、こういう使途に国民年金、厚生年金の積立金の増加額千四百四十億の四分の三はこの使途に振り向ける。残り四分の一は国土保全、災害復旧、運輸通信、地域開発、道路というものに振り向ける。これによりまして基幹産業の助成とか、輸出振興といったような使途には一切向けない、こういうふうなことにすることにして、先生が仰せになったような考え方を実現していく。なお、前段の国民の生活に直結する使途の四分の三の中で、特に全体の二割五分だけは直接に、もっとじかに被保険者の利益に還元するようにということで、まあ従来通り還元融資として扱う、このうちの一部を最も効率的に運用していくということで、今回年金福祉事業団というものを作りまして、そこを通じて運用していく、こういうことにしようとしているわけでございます。従って、根本の考え方は先生仰せの通り進んでいるわけであります。明年以降のやり方といたしましては、予算の編成時期に、これはいずれ八月になると来年度予算の論議が始まりますが、この時期に厚生年金、国民年金については昭和三十七年度に集められると予想される資金の見通しを立てまして、これらの資金をどういう使途に振り向けてほしいという要求書を作って大蔵省に提出することにいたしております。この要求書はそれぞれ国民年金審議会及び社会保険審議会で相談をしてまとめてそれを提出するという考えであります。大蔵省はこれをもとといたしまして、来年度の資金計画を作っていく、当然その後において予算折衝と同じような資金の運用、使途に関する折衝があり、そうして最終的には資金運用部審議会の議を経て、そうして予算と同時にきまっていく、大体こういう段取りで今後仕事を進めよう、この点も政府部内ではほぼ一致しております。残った問題は、先ほど坂本先生の御質問にありました資金運用部審議会の委員の具体的な人選をどうするかという問題が残っている、こういうところまで進んでいるわけでございます。