山田節男の発言 (逓信委員会)
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○山田節男君 これは盲人用の点字郵便物あるいは非常災害の場合の罹災者に対する無料交付の、今お述べになった金額からいえば、これはわずかな金ですけれども、しかし趣旨から申しますと、ことに非常災害というのは、救助法が発動されたものを非常災害というのか、御承知のように、日本は台風、その他地震、非常に災害の多い国でありますから、幸いに過去数年間大した災害はありませんけれども、しかしながら、将来どれだけ大きな災害が起きてくるかも予測できない。そういたしますと、かりに金額が、非常災害で、はがき無料交付が倍になって千五百万円、これは金額としてはわずかですけれども、先ほど来申し上げましたように、郵便事業は一つの独立の企業体である、こういう立場からくれば、これは国営事業であっても、そういうようなことは、国が災害救助法が発動された場合において国庫がいろいろな負担をする。そういうルートから郵便を有料で買って、これを配付する。これが罹災者に対する一番正道なんです。一省の中における郵務局というのが、そういうことをやるというのは、どうも旧態依然として、いわゆる慈善的な考え方がここに表現されておるように思うのです。その気持はよくわかりますけれども、公共企業体として考えますれば、そんなことしなくても、災害救助法が発動されるようになりますれば、あらゆる血から救済していくのですから、ですから、そういう通信ということに関しましても、これは罹災者に対して、国あるいは地方公共団体がやるのですから、わざわざこういう、予算から見れば七百五十万円程度のもので、特にこういったような法律を改正してまで、こういう規定を設ける。先ほど来申し上げましたように、片方においては、手紙、はがきのようなものは据え置きとするのだ。片方においては、盲人用の点字郵便物は無料だ。それから罹災者に対しては無料のはがきを配付する。こういう気持は、私はもう少し近代的な精神に徹して、そういう空気を郵便事業のサービス業には一つ吹き込んでもらいたい。
かように考えるのですが、なるほど、NHKは助け合い運動で相当な金を毎年集めております。それと、郵便事業が、こういう特権的なことをやるということと、おのずから性質が違うと思う。やはり郵便事業は郵便事業として、厳然として政府のやっておる一郵便役務である。無料でやるのは、ほかの道からいく方法があるのですから、わざわざ料金体系に新しいこういったものを入れるということは、どうも私は近代的な事業の経営センスから申しますと、やはり何といいますか、パターナルといいますか、非常にありがたい話ではありまするけれども、経営精神からいうと、むしろ私は邪道じゃないかということまで実は考える。金額から申しては、わずかなもんでありますけれども、先ほど来申し上げておるように、非常に重要な国民に対するサービス義務を持っておる郵便事業が、それほど私はあえてする必要はない。そこに郵便事業の一つの権威というものが持ち得るのだと、私は、こういう見方を実はしているのです。
これはいろいろ御審議の結果、こういうことになったろうと思うのですが、端的に申しますと、片一方では値上げを三種、五種はやるが、一方では、こういう善政も施すのだというような、ギブ・アンド・テイクのような形で料金体系を改めるようなことは、近代的センスから言えば、私はやはり明治、大正のいわゆる官僚制、国営郵便事業というような残渣が残っておるような気がするんですね。この点については、もうこうして法案をお出しになるまで、そういう審議についても、そういったような御議論があったかどうですか、それをお伺いしたい。