野上元の発言 (逓信委員会)

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○野上元君 あまりしつこく質問しませんが、郵便事業を運営しておる状態を見ますと、全国に一万五、六千局あるわけです。そのうちで大体ペイしている局はほとんど少ないと思うのです。ほとんど一万数千局は赤字だと思うのです。しかし、これは赤字だからといってやめるわけにいかないのですね。どうしてもやらなければならない。そうしてまた、先ほど来問題になっております三種、五種も、あるいは小包も、これを法律によって抑制してしまうというようなことも、これは非常に危険だと思うのです。ということになると、結論としては、生産性の向上をするということになると、私はおそらく不可能だと思うのです。この郵政事業に関する限りは、やはりいつまでたっても七〇%ないし八〇%の人件費が必要ではないかと思うのです。そういう状態を考えてみたときに、独立会計で料金をやった場合に、かえってそれが公平でなくなるのではないか。めったに出さないところと、うんと出すところとあるわけですね。特に東京、大阪等は郵便物が集中しておるわけですね。そうなると、その料金を引き上げることによって、設備の改善とか経営合理化をやろうということになると、かえって不公平になりはしないか。この際思い切って、一般会計にした方がよろしいのじゃないか。そうすれば、料金改定の問題が起きてきません。これは徹底的な政策料金によって、これを抑えることができるということになると考えると、もうこの段階では、そういうことに対して、十分なる検討が必要なんじゃないか、実はこう考えて、お尋ねしたわけです。これは御答弁は別に私要求いたしませんが、そういう考え方であります。
 さらに、新聞関係の方にお聞きしたいのですが、新聞関係の持つ公共性、文化性というもの、これについては、私たちも十分わかります。しかし、沿革的に新聞の低料金制度というものを研究してみますと、当初新聞が発行されたのは、政府の方針をあまねく国民の全般に知らしめるということが最も大きな任務であった、こういうふうに言われているわけです。さらにまた加えて、日本の文化の発展に寄与するために必要なんだ、そういう性格を新聞は持っておった。さらに加えて、当時創業時代でありましたから、これを経済的に育成助長する必要があった。こういうことの三つか四つの理由によって、低料金制度というものが設けられた。
 しかし、最初の政府の方針をあまねく国民に知らしめるという任務は、もう今日の段階においては、ほとんどないと思うのです。第二の点の文化的な問題は、まだ残っている。第三点の経済的な育成助長をするということは、今日の段階では、これもあまり必要でなくなったのではないか、実は、こう考えておるのです。というのは、今日新聞の資本といいますか、あなたは先ほど、そういう点について触れられましたが、それならそれで、一応わからぬことはないのですが、われわれが客観的に見てみまして、いわゆる大新聞の資本の構成といいますか、そういうものを見てみますると、今日御承知のように、直接プロ野球のオーナーになってみたり、有名な選手をスカウトするために莫大な経費をつぎ込んでやっておるとか、あるいはまた民間放送に莫大な投資をして、民間放送に同時に資本をつぎ込んでいっているということを考えてみますと、今日、新聞事業の経済的援助をする必要があるかどうかという点について、私たちは若干の疑問があるのです。もしも新聞の文化的社会性を独調せられて、どうしても料金が安くなければならぬというならば、新聞自体の料金をやはり法律できめて、これを値上げできないようにすることの方が本質であって、郵便料金を云々するということは逆ではないか、こういうふうに、私は実は考えておるんですが、その点についての御意見はいかがですか。

発言情報

speech_id: 103814816X02319610511_015

発言者: 野上元

speaker_id: 747

日付: 1961-05-11

院: 参議院

会議名: 逓信委員会