迫水久常の発言 (本会議)
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○国務大臣(迫水久常君) まず、水資源開発促進法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
最近における産業の著しい発展、人口の増大と都市への集中及び生活水準の向上等により、わが国の重要産業地帯では、各種の用水に対する需要が激増してきておりまして、この傾向は今後ますます強まるものと考えられるのであります。一方、わが国の主要な河川は、国土の気象上及び地形上の特色からして、年間流出量が莫大な量に達するにもかかわらず、豊水と渇水の差が激しいため、河川の水利用率はきわめて低く、利根川を例にとりましても、全流出量のわずか一二%程度が利用されているにすぎない状態であります。従って、緊迫した水不足の事態に対処いたしますためには、積極的に水資源を開発し、かつ水の合理的な使用をはからなければならないのであります。このため、水系を一貫して総合的に水資源の開発利用をはかるための計画を樹立いたすことが何よりも必要であると思うのであります。これがこの法律案を提出した理由であります。
次に、この法律案の要旨を申し上げます。
第一点は、内閣総理大臣は、産業の発展及び都市人口の増加に伴い、水の需要の著しい増大が見られる地域に水の供給を確保するため必要があるときは、水資源の総合的な開発及び利用の合理化を促進すべき河川の水系を、水資源開発水系として指定することであります。この指定については、内閣総理大臣は関係行政機関の長に協議し、かつ都道府県知事及び水資源開発審議会の意見を聞き、なお、閣議の決定を経ることといたしております。
第二点は、内閣総理大臣は、指定された水資源開発水系について水資源開発基本計画を作成するものとしたことであります。この基本計画についても、関係行政機園の長に協議し、関係都道府県知事及び水資源開発審議会の意見を聞き、かつ、閣議の決定を経ることといたしております。
第三点は、内閣総理大臣の諮問に応じ、水資源開発水系の指定及び水資源開発基本計画に関する重要事項を調査審議するため、総理府に学識経験者をもって組織する水資源開発審議会を置くことであります。
第四点は、水資源開発基本計画と国土総合開発基本計画または電源開発基本計画との調整の必要が考えられまするので、この調整については、内閣総理大臣が国土総合開発審議会または電源開発調整審議会の意見を聞いて行なうものといたしております。
第五点は、基本計画に基づく事業は、国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施することといたしております。
第六点は、政府は、基本計画を実施するために要する経費については、必要な資金の確保その他の措置を講ずることに努めるものといたしたことであります。
第七点は、基本計画を実施する者は、この事業により損失を受ける者に対する措置が公平かつ適正であるように努めるものとしたことであります。
以上がこの法律案の趣旨でございます。
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次に、水資源開発公団法案につきましてその趣旨を御説明申し上げます。
最近の用水需要の増加は著しいものがあり、特に大工業地帯におきましては、産業の発展と都市人口の増加に伴い、水に対する需要の著しい増大が見られるのでありまして、これらの地域に対する用水の供給を確保するためには、総合的な計画のもとに、水資源の開発または利用のための事業を総合的に施行するとともに、開発施設の建設の早期完成をはかることが肝要であると思うのであります。この法案は、水資源開発促進法案による水資源開発基本計画に基づいて、これらの事業を総合的かつ効率的に施行する事業主体として、独立の法人格を有する特別法人水資源開発公団を設立せんとするものであります。
以下、本法律案の要旨を御説明いたします。
第一に・公団の目的でありますが、公団は、水資源開発促進法の規定による水資源開発基本計画に基づく水資源の開発または利用のための事業を実施すること等により、経済の成長及び国民生活の向上に寄与することをその目的といたしております。
第二は、公団の役員として、総裁、副総裁、理事及び監事を置くこととし、その任期はそれぞれ四年といたしております。
第三に、公団の業務でありますが、水資源開発基本計画に基づきまして、ダム、水路その他の水資源の開発利用のための施設の建設管理を行なうことが公団の中心的業務であります。公団が水資源開発施設の建設を行なうにあたりましては、事業実施計画を定め、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならないこととしておりますが、この事業実施計画の基本となるべき事項につきましては、各主務大臣が関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見を聞いた上、これを事業実施方針として定め、公団に指示することにいたしております。
第四に、公団が行なう建設工事のうち洪水防御等のいわゆる治水目的をも有する特定施設の工事についてでありますが、これにつきましては、公団は、河川法にいう河川に関する工事を行なうことができることとして、河川法第七条の原則に対する特例を設けておりますほか、特定施設の建設が完了したときは、建設費用の負担者等の同意を得て、建設大臣がこれを河川の付属物に認定することができるようにするとともに、この場合、公団は、政令で定めるところにより、河川法の規定に基づく地方行政庁の権限の一部を行なうことができることとしているのであります。
第五に、公団の施設の建設に必要な経費についてでありますが、治水関係分につきましては、国と都道府県が負担し、これを公団に交付することになっております。それ以外につきましては、水資源開発施設を利用して、流水を水道もしくは工業用水道の用に供する者、またはこの流水を海潮の用に供する農業者の組織する土地改良区が特定された場合には、これらの者が負担することにしております。なお、このいわゆる利水関係分の建設に必要な費用につきましては、公団は、政府または都道府県からの補助金の交付または負担金の納付を受け、また必要な資金の借り入れ等を行なうことができることとなっております。
第六に、公団の財務及び会計でありますが、公団の予算、資金計画、財務諸表、借入金、水資源開発債券等につきましては、内閣総理大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしております。
第七に、公団の監督は、主務大臣がこれを行なうこととし、公団の業務に関し、監督上必要な命令を発し、公団の事務所に対し立ち入り検査を行ない得るようにするほか、内閣総理大臣は、主務大臣の監督につき所要の調整を行なうことといたしております。
最後に、附則におきまして、本法案の施行期日は、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において、政令で定めることとしております。
以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)