池田正之輔の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田正之輔君) お答えいたします。治水と利水を、どっちを先にやるかというようなお話がございましたが、これは当然治水を基礎にして考えにやならぬことは申すまでもございません。昔から治水だけは非常に政治の上に反映し、また努力されてきております。しかし、利水の面になりますと、残念ながら、これは近代になって初めて出てきた問題、ことに日本の場合は、御承知のように水資源があまりにも豊富であったために、水を利用する利水の面については非常に欠くるところがあったのであります。しかし、何もしなかったかというと、そうではございません。水資源の開発を、利水をやらなければならぬという議論が識者の間に出ましたのは、今から数十年前からそういう意見が出ております。特に昭和二十二年、経済安定本部に資源調査会ができまして、そこでこの問題を大きく取り上げまして、調査をいたしてきています。それが科学技術庁における資源調査会に継承されて、そこで現実になおこれと取っ組んで、いろいろの角度からこの問題を検討いたしておるのであります。しかし、何と申しましても、田中さんが御指摘になりましたように、これは非常に複雑でございまして、地方官庁やあるいはそれぞれの官庁の間に、今までの伝統なり、しきたりがございまして、総理からも申されましたように、これを調整することは非常にむずかしい。これはただ単に行政機構としてのなわ張りという問題でなしに、実際にこれを利用する場合に、利害関係がお互いに錯綜して参ります。従って、これをどういうふうに調整していくかということは、単なる政策的なあるいは行政的の問題としてでなしに、実体的にこれをつかんでいかなければならないというので、そこで科学技術庁といたしましては、資源調査会が中心となりましてこの問題に現在も取っ組んでおるような状態であります。従って、これからの産業の発達、産業構造の変化等によりまして、これに対する政策というものは固定したものであってはならない。そのとき、その場所等に応じて、流動的にこれはいかなければならない。従って、今日ここで絶対に間違いないというような政策というのは私はあり得ない。そのときの情勢に応じて、しかし、先を見通しながらこれに対応して政策を立てていくということが肝要だと考えております。
 それから地下水の問題につきましては、これは二種類あると思います。たとえば都市周辺における地下水と農村地帯における地下水。都市の場合は、御指摘のようにこれは地盤沈下、私も就任以来地盤沈下の状態を拝見いたしております。これには、私が調査いたしたところによりますと、残念ながら御用学者などがおりまして、会社の代弁をやっておるようなために、非常に政策の上に誤解を受けるような事態もあったことをはなはだ残念と思っています。従ってわが庁といたしましては、あくまでも科学の上に立脚いたしまして、最も着実に、実際的に調査する。さらにまた、もう一つは、農村や地方における地下水の利用、この問題につきましては、なお現在の段階では調査が不十分でございます。アイソトープの発達した今日でございますから、これを利用いたしまして調査すれば、今のただ単なるボーリングやその他の原始的の方法と違いまして、十分な調査もこれからは可能の時代になって参りましたので、十分調査してやっていきたい、かように考えております。(拍手)
  〔国務大臣椎名悦三郎君登壇、拍
  手〕

発言情報

speech_id: 103815254X03019610526_009

発言者: 池田正之輔

speaker_id: 18075

日付: 1961-05-26

院: 参議院

会議名: 本会議