池田勇人の発言 (予算委員会)

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○池田国務大臣 御質問の第一点は、中共が侵略行為をしておるという事実を並べられました。私は、インド、ビルマ等につきましての実例は知りませんが、ベトナム等における問題は、新聞その他で承知しております。ただ、国際的に中共が侵略者であるということは、国際連合で決議せられた事実はございます。今中共が、朝鮮以外におきまする行動につきまして、まだ国際的に正確には、せられておりませんが、とにかく朝鮮問題につきましては侵略者であるということを、はっきり国連で決議しておる。これは、今度の国連で中国代表権問題を討議するときの一つの材料になると私は思います。
 それから台湾における問題、ことに蒋介石総統が、戦争中のあの暴力にかわるに暴力をもってせず、親愛の気持で処理せられたことに対しましては、私は記憶に新たでございます。よく頭に入れておるのであります。また北海道釧路を起点としての分割の問題も聞き及んでおります。しかし、いずれにいたしましても、私は蒋介石総統のとられた態度につきましては、国民とともに感謝の意を今も持っておるのであります。従いまして、サンフランシスコ講和会議後におきましても、われわれは中華民国と戦争し、中華民国がわれわれの賠償を放棄し、そうして中華民国と条約を結んで友好関係を維持している、これは一つの厳然たる事実であります。国際的の事実であります。そこで、いろいろ問題がございまするか、きょうのある新聞でごさいましたか、中共を認めるべきだという、これは関東地方だけでやった調査を聞いておりますが、中共を認めるかという問題につきますと、これは五一%になっておる。それなら台湾をどうするか、こういうふうになりますと、それはちょっと困った、台湾はその事実を認めなければならぬ、こういうことになります。そうすると、これはいかにも二つの中国を認めるような結果になるのじゃないか、こううかがわれるのでございますが、しかし、二つの中国ということは、台湾の中華民国も、あるいは大陸の中共政府も、絶対にこれはいかない、こう両方とも言っております。だからわれわれは、この蒋政権の考え方、また中共政権の方の厳然たる考え方に水をさすようなことは、今われわれとしてとるべきところじゃございません。従いまして、こういう世界的に重大な問題、ことに日本としてはほんとうに最も関心の深い問題につきまして、従来十一、二年間、この中共代表権問題をたな上げすることにわれわれは賛成しておりましたが、私は、今やたな上げ案でいくべきじゃない、この重大問題は国連に持ち出して十分討議し、世界的に公正な結論を出すべきだ、こう考えておるのであります。だから、われわれは国連総会でこれが審議せられ、そうして両政権と申しますか、台湾政府と中共政権とが英知を働かせ、そうして国際的に公平な、りっぱな結論が出ることを祈念し、それに向かって努力いたしたいと思うておるのであります。
 しこうして今の第三番目のお話の、国連において中共政権が代表権を認められ、台湾がどうなるかというふうな問題は、まだ一度も国連で討議せられていないことでございます。私はそういう揣摩憶測に対しまして、この重大な立場にありまする日本政府として、とやこう批評することは差し控えたいと考えます。

発言情報

speech_id: 103905261X00219611003_017

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1961-10-03

院: 衆議院

会議名: 予算委員会