荒木萬壽夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
第一点は、来たる十月二十六日に行なう予定をいたしております中学校の学力一斉調査についてのお尋ねであったと思います。お尋ねは、何のためにやるのだというのがその一つでございましたが、これは義務教育の最終段階におきまして中学の生徒の教育水準を実態的に正確に把握したい。そういたしまして、その結果に基づいて諸般の教育条件の整備あるいは学習指導の改善をはかるよすがにしたい。まあそういうことを目的としてやるわけでございます。外国でもやっている例は聞いてはおりますが、諸外国の例いかんにかかわらず、いわば児童生徒のからだの条件は健康検査でわかりますが、学力のいわば健康検査というふうな意味合いで、児童生徒の利益のために、また教育の場の改善のためにやりたい、こういうことでございまして、そのほかいろいろ言われておりますような他意は毛頭ございません。同時に、これによりまして、各学校自体も学校差がわかったとすれば、その原因が探究できる。合理的な、科学的な根拠が発見できるわけでございましょう。地域差も、当然、現在もございますが、この調査の結果によって地域差というものもまざまざと出てくるものと思います。しからば、その原因は何だ、一々これを解明いたしまして、その原因にさかのぼって文部省ないしは教育委員会等で考えねばならないことは将来の改善の資料にいたしたい。まあそういう目的をもってやることをお答え申し上げます。
一斉にやらぬでもいいんじゃないかというふうな意味のお話もございましたが、これは御案内のとおり、昭和三十一年からサンプリング調査をいたして参っております。先日第六回目をやりました。その成果に基づきまして、たとえば僻地学校の教育の欠陥をいろんな原因について発見いたしまして、それらの具体的施策を進めて参る資料に活用して参ったわけでございますが、サンプリング調査はだんだん、年々自費でやってもぜひ参加したいというので、小中学校の大体六〇%くらいが参加をいたしております。そういうことで、だんだんと希望が多くなっている実情にもかんがみまして、むしろ竿頭一歩を進めて、全国的に一斉にやれば、より根拠の正しい資料が得られるであろう、このことを期待したゆえでございます。
さらにまた、お話は、そういうことをやるのならば、組合とよく相談したらいいじゃないか、天下りじゃいかんじゃなないかという意味のお話があったと思います。これは学力調査を実施しますということは、純粋の教育政策の問題でございまして、教育委員会やら、学校長等、教員の意見を聞くことはこれは当然でございます。それは中学校の校長会議ないしは教育委員長会議等の席において十分相談をして参っております。そういうものでございますから、日教組以下の職員団体と交渉すべき課題ではないと心得ております。
第二番目のお尋ねは、千葉県下で、中学校の来年卒業見込みの者を、すでに事実上の就職試験みたようなことで事業場等に実習さしている例があるが、これは適当じゃないじゃないかというお言葉であったと思います。もちろん、けしからぬことでございますから、直ちに調査をいたしまして、今から一週間ばかり前に、教育委員会を通じまして、そういうことはやめるようにということを申し入れております。実情は調べて一応わかっておりますが、くどくなりますから、省略させていただきます。
第三番目は、各地で集団住宅ができたり、工場誘致等の結果、いわゆる人口の社会的な移動が行なわれて、特に義務教育の児童生徒が多くなって非常に困っておるが、対策ありやという意味のお尋ねだったかと思います。最近、一番具体的な例として平塚市のことを御引例になったかと思います。むろんこれも調べましたが、一般的に社会増に対しましては最近にわかに顕著になって参りました問題で、必ずしも従来十全の措置がとり得ていなかったことを遺憾に存じますが、三十七年度予算におきましても、特に社会増に対して具体的な対策を考慮に入れて処置したいとも思っております。平塚の問題は、炭鉱離職者の集団就職をめぐりまして、たしか中学校で十五学級の学校に四学級ぐらいを追加しなければならない事態に立ち至っているようであります。当面は、これは物理的に不可能でございますから、すし詰めでがまんしてもらう、しかし、なるべくすみやかに四学級を新設する、新たに増築もいたしまして対処すべく、平塚市においては検討中でございます。文部省ないし教育委員会としても、これに当然協力をすることは申し上げるまでもございません。
科学技術教育の振興ないしは技術者の養成にしっかり力こぶを入れろうという、御激励をかねた御質問だったと思います。前の科学技術庁長官の勧告を待つまでもなく、一般的に技術革新の線に対応して万全の措置を講じませんければ、国民全体の不幸だと思います。そういうことで、従来及ばずながらの努力はしておりますが、特に所得倍増の具体的目標との関連において検討してみましたことは、過ぐる国会でも申し上げたところでございますが、いかんせん、教員組織が現実に隘路でございまして、実行可能な条件を考慮に入れて計画いたしますると、一応の推定が、十七万人の中堅技術者の不足に対しまして、十年後に、昭和四十五年現在での入学定員は大学において一万六千人以上は困難だという見当でございましたが、はしなくも、この前の国会でいろいろ御論議の種になったわけでございます。その後さらに検討を加えておりますけれども、何とかして教員組織を、少し無理であっても、具体的な手当てをすることによって、十年計画をもっと繰り上げてやる手はなかろうかということで、三十七年度予算を中心に、よりより検討をいたしておるところでございます。御指摘のとおり、国立大学はもちろん、私立大学におきましても特に協力を求めまして、万全を期して参りたいと思います。教員養成の制度は、次善の策ということで御了解を得まして立法措置もとっていただきました。そのほうにもむろん力こぶを入れますが、さらに教員給与が、戦前に比べれば、実質まだはるかに下位にあると思います。一般民間と比べまして特に格差がございますために入手難であるということも、御指摘のとおりでございますから、人事院にも、これまた、よりより申し入れをしたりして努力はしておりますが、なかなか思うにまかせませんけれども、今後この面についても努力して参りたいと思います。予算措置として、三十七年度に、大学の教授を初めとして、研究費その他の増額もはかることによって、実質給与の改善ないしは教授陣の整備の一助にもしたいと考えております。さらに、前国会で御決定をいただきました高等専門学校を大幅にできれば新設をいたしまして、この面からも優秀な中堅技術者を将来は続々と出してみたいと、かように考えております。工業学校の拡充につきましても、すでにこの前もお話し申し上げましたが、一生懸命努力して参って、御質問の御趣旨にこたえたいと存じております。
以上お答え申し上げます。(拍手)
〔国務大臣福永健司君登壇、拍手〕