中山伊知郎の発言 (大蔵委員会)
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○中山参考人 ただいまの問題は、私最初に申し上げましたように、税制改正の三年間を通じての目標が公平という原則を実現することにありましたので、必ずしも言葉で明瞭に出ていないかと存じますけれども、一つその精神は二回の答申の全体を通じておくみ取りをお願いいたしたいと存じます。
そこで公平論が非常に重要な問題であることは、そのような意味でわれわれは肝に銘じて存じておるつもりでございますけれども、その場合に、最初に問題になるのは何かと申しますと、これは御承知のように脱税という問題でございます。この脱税という問題を外にして公平を論ずることは実はできないのでございます。ところが、その問題についてすぐ起こってきますことは、一体現在の税制で、特に勤労者以外の所得を確実につかまえることができるかと申しますと、これはもう皆さん御承知のように非常にむずかしい。そこで公平論の最初の問題に返りまして、脱税が非常に少ないような税制を作り上げるということになりますと、それは実は税体系の問題になって参りまして、その税体系の中で、所得の計算とかあるいは捕捉というのが、できるだけ簡単で、そして明瞭な、だれがつかまえてもつかまえられるようなものに重点を置いていこうじゃないかということになりますと、この問題は所得税のみならず、間接税をも含めて、あるいは直接税と間接税の比率の問題にも及びますし、日本の場合には地方税と国税との関係に及ぶ非常に広範な問題になります。私どもはそのような意味において、税制全体の体制の改正をできるだけ、いわば悪意にせよ、あるいは故意でないにせよ、脱税というような不公平中の最も不公平が最小限度にとどめ得るような税制を作るのが目的だというので努力したのでございますが、結果はこのようなことでございますので、なお御趣旨を体して、十分に勉強する機会があればしていきたいと存じます。
公平の問題につきまして、今御指摘になりました通行税の飛行機の点は、私は改正の点をちょっと存じておりませんので、お答えができませんが、特別措置についていろいろ問題があること、これもただいまのお答えの中に含まれておるつもりでございます。逆に申しますと、現在の税制体制の中でそのような公平論からいって一番目立ちますことは、勤労者に対する源泉課税という問題でございます。その点はごくわずかではございますけれども、一万円という控除額の引き上げその他の考慮を払って、いささかその趣旨を表わすというだけの前進は、今度の三十七年度の改正においてもいたしておるつもりでございます。