大来佐武郎の発言 (建設委員会)
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○説明員(大来佐武郎君) まず第一の点でございますが、今、時たまたまちょうど金融引き締めの時期にございまして、いろいろな設備投資に大きくブレーキがかかっておる時代でございます。ただいま御指摘ございましたように、そういう意味では地方の開発についても資金面の制約が相当あるということだと存じておりますが、実はこの倍増計画の中でも、うたっておるわけでございますけれども、日本の経済を将来伸ばしていく上にいろいろなアンバランスを是正していかなければならない。そのアンバランスの一つは、民間の仕事が相当進んでおるのに対して公共的な、基礎的な仕事がおくれておる。これをまあ社会資本の充実という形でいっておるわけでございまして、従来そういう公共的な投資が一に対して民間設備投資が三である。これを一対二ぐらいの比重に持っていくべきであるということが計画の中に書いてございます。そういうことをもとにして全体の投資額が計算されておったのでございますが、現実には昨年、三十六年度になりますと、大体公共的な投資一に対して民間設備投資は四というような形で、逆にアンバランスが拡大するような傾向になって参りました。で、そのほかいろいろなアンバランスも出て参ったわけでございます。設備投資が経済全体の成長、これはまあ消費なり公共投資なり輸出なり、そういうものと比べて度はずれてバランスを失してきたということがございまして、結局設備投資を中心とする引き締め措置がとられるようになったわけでございますが、これはむしろ景気変動に対応する短期政策という性格が強いと思うのでございまして、やがてある時期にバランスがだんだん戻って参りますれば、また民間設備投資も増大する時期を迎えるであろうかと思うのでございます。そういう意味でただいまとられておりますような引き締めというのは、景気変動の調整のために短期的対策としてとられているというふうに私ども解釈いたしておるわけでございます。
民間の企業の調整指導ということでございますが、これはやはり各国等の経済政策の傾向から見ましても、できるだけ民間企業が自由に活動できるように持っていく。ただ政府が大きなワクを定める、あるいは大きく誘導する政策を立てていく。あまり個々の活動についてこまかくは立ち入らない、というような方向が中心になっておるかと思うのでございます。産業の立地、あるいは工場の配置等につきましても、個々の企業にそれぞれお前はどこにいけというようなことを指定することはなかなか問題がございますし、かえって必ずしも合理的な産業の発展に役立つと申されないと思うのでございまして、この点は地域立法等によるいろいろな誘導手段、税制あるいは政府資金の開銀等を通ずる融資、先ほど来申しましたような、公共投資の方向づけというような形で私企業を誘導して参りますと同時に、過密集中地区からはある程度締め出す、というと弊害がございますが、なるべくそういう地域に集まらないように、逆にこういう面については外へ出てもらうことを誘導するような措置を講じていくということが、一応この計画では中心になっておるかと思うのでございます。
それから第二の臨海、内陸の問題でございますが、これはまあ私ども工業を臨海性工業とその他の工業というふうに分けて考えておるわけでございまして、たとえば石油精製とか火力発電所とか製鉄所とか海外から多量の原料燃料等を運びまして、大きな船で運搬しなければならないというものは、これはまあその仕事の性質上どうしても臨海地域に置かざるを得ないということになるわけでございます。しかし機械工業とかその他いろいろな雑貨工業とか、それほど大量な原料を必要としない、主として労働力や技術によるような仕事につきましては、何も海岸地帯にある必要がないわけでございます。この中央部集密地域という考え方には、この既存の港湾に近い過度集中の地域から、もっと内陸部に分散していく、そのために道路とか交通の手段を内陸部に分散しやすいように考えていく、という構想が入っているわけでございまして、その意味では、この御指摘のございました内陸部の発展というものが、実は日本は島国でございまして、それほど大きな面積でございませんので、将来道路その他の発展によって相当内陸部まで広がっていくのではないか。なお、臨海部を過度に埋め立てその他でただ広げるということはいろいろな弊害もございますし、コストの面からいっても内陸部のほうがずっと安いということが多々にあると思うのでございまして、そろいう意味では、この計画でもすでに過度密集になっております経済中心地、その周辺に近いところにあまり埋め立てをたくさんやるというようなことは望ましくない、というような趣旨のことも一応触れているわけでございます。
第三の、太平洋の面に重点があるのではないかという御指摘でございますが、これは戦後の経済発展がややそういう格好になっておりまして、長い目で見てそういう方向だけでいっていいかどうか、問題が御指摘のようにございます。この具体的な地域指定をこの計画ではやっておりませんのですけれども、日本海岸についても相当な拠点を考えていくということは、将来この計画の実現の面で当然考慮されるべきであると私どもは考えているわけでございます。
次に、第四のこれを実行していくための推進力、特に企画庁がしっかりおやりなさいという御注意でございます。これは実行の面は各省がそれぞれの受け持ちをいたしております。しかしだんだんと大都市集中の問題だとか地域格差の問題が世間にも強く意識される。政府の政策としても強力に進めなければならないという世論と申しますか、そういう考え方が強まって参りまして、政府部内も単なるなわ張りということでなくて、やはり計画を総合的に調整してやっていかなければならないという気分がだんだん強まってきておるように存じますので、企画庁といたしましても、これは確かに文字どおり国家百年の計と申しますか将来長期にわたる問題でございますので、できる限り各方面の御支援を得て推進して参りたいというふうに考えておるわけでございます。
それから第五の御質問の資金計画でございますが、これは一応お手元に参りましたものの中に、六十七ページに第四の二表というのがございまして、これが地方別投資額構成比をごく大まかに示しているわけでございますが、この行政投資、つまり道路、港湾その他の公共的な施設に対する投資の総額として、一応倍増計画の十六兆円というものを考えたわけでございますが、これは十年先か九年先か八年先か、その点はある程度弾力的に考えられると思います。それから融資の面につきましては、実は御質問のようなところまでも内訳は用意いたしておりません。
それから最後に、国土調査の点についての御指摘でございますが、この点は確かにいろいろな開発事業の基礎になるわけでございます。私どものほうも、この国土調査を二十七年に法律が通りまして以来いろいろやって参りました実績を考え、さらに建設省の地理院のほうで相当精密な地図作成の仕事をやっておるように聞いておりますので、私どものほうの国土調査、それから地理院のほうの仕事、そういうものとかみ合わせて、できるだけそういう基礎的な仕事を合理的な形で進めていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。