稲浦鹿藏の発言 (建設委員会)

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○稲浦鹿藏君 決議案を朗読いたします。
   国土建設の推進に関する決議(案)
 最近におけるわが国産業、経済の発展、民生の安定向上には見るべきものがあるが、さらにこれが一段の伸長を期するためには国土の保全、開発、利用を促進し、国土建設の積極的推進を図る必要がある。
  特に近年頒発する風水害にかんがみ、国土の保全と防災の万全を期し、道路交通需要の激増に対処して道路整備を促進し、また国民生活においてもつとも立遅れている住生活の安定向上を図ることは、現下喫緊の課題と考えられる。
  よつて、政府は、この際、次の事項につき特段の考慮をはらい万全の措置を講ずべきである。
 一 すみやかに治山治水事業十箇年計画を再検討し、その抜本的拡充を期すること。
 二 道路整備五箇年計画を再検討し、すみやかにこれが大幅拡充を期すること。
 三 すみやかに住宅建設計画並びに宅地供給計画を再検討し、その抜本的拡充を期するとともに、下水道その他の都市公共施設の画期的整備を図ること。
  右決議する。
 次に提案の理由を説明申し上げます。
 近年わが国産業、経済の発展には見るべきものがありますが、国民所得倍増計画に即応して、さらにこれを促進し、あわせて所得格差、地域格差の是正と民生の安定向上を期するためには、これが基盤となる国土建設の積極的推進をはかる必要があることは言うまでもないことであります。最近における風水害の発生状況を見まするに、狩野川台風、伊勢湾台風、さらに昨年度においては梅雨前線豪雨、第二室戸台風等の大災害が相次ぎ国民生活に対してはもちろん、わが国経済の発展に重大な影響を及ぼしておるのであります。このような実情のもとにおいては、現行治山治水十カ年計画はきわめて不十分であって、国土の保全の万全を期しがたい状況に立ち至っておると思われるのであります。かかる事態にかんがみ、政府はこの際すみやかに治山治水事業十カ年計画を再検討し、抜本的にその拡充をはかるべきであるのであります。
 次に現行の道路整備五カ年計画は、昭和三十六年度以降五カ年間に総額二兆一千億円を道路整備に投資するものとしているのでありますが、この道路整備五カ年計画が完遂されたとしても、都道府県道以上は改良率三七%、舗装率二〇%ときわめて低い整備率であって、激増する道路交通需要に対処するためにはきわめて不十分であります。特に都市における交通の麻痺、停滞を解消し、また地方開発を促進して地域格差の是正をはかるためには、道路整備の促進をはかることが急務であります。この実情に対処するために抜本的交通対策を樹立し、この方針に即応して道路整備五カ年計画を再検討して、すみやかにその大幅拡充を期すべきであると思うのであります。
 最後に終戦からすでに十七年を経まして、衣食を初め国民生活一般は戦前の水準を上回るめざましい復興を遂げておりますが、住生活のみはまだ戦後の状態を脱しておらず、現在約二百万戸に及ぶ住宅不足があり、居住水準も低劣であります。さらに今後世帯の増加、住宅の建てかえ、社会移動に対処するための住宅等、住宅需要がますます増加することは明らかであります〇政府はかかる現状にもかかわらず、国民生活の重要な部門である住宅の建設については、十年後に一世帯一住宅を実現すると称してはいるものの、毎年僅少の政府施策住宅を建設しているにすぎないのであります。かつまた住宅建設の隘路が宅地の需給の不均衡にあるにもかかわらず、政府施策による宅地造成供給等の対策はきわめて不十分であります。かかる事態にかんがみまして、この際政府はすみやかに住宅建設計画並びに宅地供給計画を再検討し、抜本的にその拡充をはかるべきであると思うのであります。
 以上、本決議提案の理由を申し上げました。何とぞ御賛同下さるようお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 稲浦鹿藏

speaker_id: 30929

日付: 1962-05-07

院: 参議院

会議名: 建設委員会