天田勝正の発言 (農林水産委員会)

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○天田勝正君 私は民社党を代表いたしまして、農地法の一部改正、農業協同組合法の一部改正、両法案の賛成をいたし、かつ、ただいま櫻井君から提案のありました附帯決議にも賛成をいたします。
 わが党は、昨年農業基本法を提案をいたし、これは自民党、わが党、社会党それぞれの案が提案をされたわけでありますが、その立場からいたしますならば、もともと根本の法律でありまする基本法の政府案に反対したのでありまするから、そこで、今回の両法案の改正におきましても、基本法を裏づけるという建前からするならば、微温的と言わざるを得ないのであります。さようなことでありまするならば、今後一切の農業基本法に関連した法律に反対あるいは阻止をせざるを得ません。しかるに、今日の事態は各委員がそれぞれ指摘されておりまする他産業と農業との所得の格差はますます開きつつあるのみならず、特に大都市の近郊といわれております私の埼玉県あたりでさえも、市街地とわずかに二キロないし三キロ程度離れた土地におきましても三年前から見るならば、土地価格が半分に下がり、あるいは三分の一に下がっておる。このことは、一方において上がるのに一方が土地価格が下がるのはなぜかというならば、それだけ今日の農業が困難を来たして、とうてい若い者が農業に携わる熱意が失われておるということを端的に表わしておるものでございます。そういう観点に立ちますならば、若干でも困難な今日の農業の状態を改善するということに眼を向けまして、いろいろな問題がありましても、せめて今後共同化が多少でも進むというこの両案に賛成したい、こう思うのであります。
 すでに、この両法案につきましていろいろな心配になる点があることは、個々の審議を通じまして明らかになっておりますとともに、その結果として、衆議院におきましては、この法案成立の後における運営については六項目にわたる附帯決議をつけておるのであります。さらに、もし本委員会の同意を見まするならば、ただいまの櫻井君提案の附帯決議をつけ、かようにいたしましていまだ足らざる点は、今後政府において十分考える。そして、私ども農林委員もともにこれを考えていって、今日の農村の苦境を軽減して参る、こういう努力を重ねなければならないと思います。ただ、この際私が指摘しておきたいのは、本委員会における大蔵当局の答弁はまことに遺憾でございました。本来、農業基本法ができる際にこの基本法及びこれに関連する法律を実施して参るには、単に農林当局だけの認識ではとうてい事足りない。どうしても、閣内あげてこの今日の苦しい農村の事態を匡救していかなければならないということが出席された各大臣からそれぞれ述べられておったのであります。ところが、一例をあげますと、確かに今度の改正によりまして、団体につきましては税法上の若干の改正がなされ、また今後において、政府も法人税等については考えるようであります。しかしながら、団体を作るために、個人がみずからの不動産を出資する、こういうような場合になりますと、他の団体をあるいは会社を作る場合と同じように譲渡所得税はものすごくかかるのでありまして、ここでも清澤委員からも実例をあげて提示されましたけれども、もし三千万円の新しい団体を作る場合の譲渡所得は実に三分の一の一千万円に及んでしまう、かようなことでありまするならば、とうてい構造改善という問題の急務すら実施することはできないのでございまして、これらのことについては今後十分改善して参らなければならないと思います。そのことは内閣自体が農業基本法を作った精神、その思想をば一農林当局に限らずして政府全般が持っていただく以外には道はない、こう私は考えるのであります。
 以上申し上げまして二法案には賛成をいたします。

発言情報

speech_id: 104015007X03719620504_025

発言者: 天田勝正

speaker_id: 20620

日付: 1962-05-04

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会